
ドローンはどこでも飛ばして良いの?

ドローンを飛ばせる場所には法律や条例で規制があります。
飛ばせる場所を正しく把握して、安全に飛行しましょう。
日本国内でドローンを飛ばすには、法令により定められた飛行禁止区域に該当しない場所を選ぶ必要があります。
そこで今回は、ドローンを飛ばせる場所について詳しく解説していきます。
- ドローンの飛行が可能のな場所はどこか
- 規制に違反した場合の罰則
- 飛行可能な場所を探すための方法
をわかりやすく解説しています。
一目で飛ばせる場所が把握できる便利なアプリや、日本国内主要地域においてドローンを飛ばせる場所の例もご紹介していますので、是非参考にしてみてください。
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ドローンを飛ばせる場所は?
ドローンを飛ばす際、「航空法」や「小型無人機飛行禁止法」などの法令により定められた飛行禁止区域に該当しない場所を選ぶ必要があります。
ここでは、具体的にどのような場所を避けるべきなのかを解説していきます。
飛ばせる場所①:150メートル未満の上空
地上または水面から150メートル以上の高さの空域は、以下の3点の理由からドローンの飛行が禁止されています。
- 飛行機やヘリコプターなどと接触してしまうリスクが生じるため
- ドローンが制御不能になった際どこへ流れていくのか分からなくなってしまうため
- ドローンが落下した際の衝撃が強くなる恐れがあるため
飛行高度に制限がそのため、ドローンを飛ばす際は150メートルに満たない高度を保って飛ばしましょう。
飛ばせる場所②:空港や空港周辺の制限表面とされる空域以外
飛行機の離着陸が行われる空港・空港周辺では、飛行機やヘリコプターと接触を避けるため、ドローンの飛行が制限されています。
以下の範囲以外であることを確かめた上で、飛行させるようにしましょう。
<飛行禁止範囲>
- 羽田や成田、中部、関西、大阪国際、那覇など国内の主要空港:24キロメートル以内
- 地方の小規模な空港:6キロメートル以内
空港の敷地内だけでなく、飛行機が離着陸を行うコースとなる空域もドローンを飛ばすことができません。
飛ばせる場所③:人口集中地区(DID地区)以外
人口集中地区と呼ばれる場所では、ドローンの落下によって事故などが生じる危険性が高いことから、飛行が禁止されています。
人口集中地区とは、
日本の国勢調査において設定される統計上の地区である。英語による”Densely Inhabited District”を略して「DID」とも呼ばれる。市区町村の区域内で人口密度が4,000人/km2以上の基本単位区(平成2年(1990年)以前は調査区)が互いに隣接して人口が5,000人以上となる地区に設定される。ただし、空港、港湾、工業地帯、公園など都市的傾向の強い基本単位区は人口密度が低くても人口集中地区に含まれる。
Wikipedia
人口集中地区は5年ごとに行われる国勢調査の結果をもとに定められており、東京や大阪、名古屋などにある主要地域のほとんどがこれに該当します。
ドローンが制御不能や操作ミスなどによって落下して機体が人や建物にぶつかるという事故を避けるためにも、人口集中地区に該当しない場所でドローンを飛ばしましょう。
飛ばせる場所④:国の重要施設とその近辺約300メートル以外
国の重要施設とされている施設とその近辺300メートル以内の範囲はドローンの飛行が制限されています。
<国の重要施設例>
- 国会議事堂
- 内閣総理大臣官邸
- 外国公館
- 原子力事業所 など
国の重要施設内やその近辺でドローンによる事故が発生した際に生じるリスクの重さを考えても、避けておくべきエリアです。
飛ばせる場所⑤:国の重要文化財周辺以外
国の重要文化財に指定されている場所やその周辺では、ドローンの飛行を禁止する看板が提示されていることがあります。
重要文化財の管理者が敷地内上空やその周辺でドローンの飛行を禁止している場合は、それに従わなければなりません。
飛ばせる場所⑥:自治体が管理する公園以外
各地域で管理している公園では、自治体がドローンの飛行を禁止しているところがあります。
公園は開けた場所なのでドローンを飛ばすには最適と思いがちですが、必ずドローンの飛行が禁止されていないかを確認しましょう。
ちなみに、東京都が管理しているすべての公園や庭園はドローンの飛行が禁止されています。
飛ばせる場所⑦:他人の管理する私有地上空以外
土地の所有権について、民法第206条において以下のように定められています。
第二百六条 所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。
民法
したがって、他人が管理する場所の上空でドローンを勝手に飛ばすことはできません。
仮に私有地上空でドローンを飛ばし訴えられたとしても「権利者の権利を侵害した」とみなされるとは限りませんが、最低限のマナーとして私有地で勝手にドローンを飛ばさないようにしておくのがおすすめです。
規制や飛行ルールに違反した場合はどうなる?
ドローンの飛行におけるルールを破ったり、飛行禁止区域とされている範囲内で勝手にドローンを飛ばすと罰則が科せられます。
違反した場合の罰則はどのようなものがあるのでしょうか。
各種規制の違反した場合の罰則
●「航空法」
- 150メートル以上の上空
- 空港や空港周辺の制限表面とされる空域
- 人口集中地区(DID地区)
上記に当てはまる場所は、航空法に基づき定められた飛行禁止区域です。
勝手にドローンを飛行させた場合、最大50万円以下の罰金が科せられます。
中には、飛行禁止区域内で勝手にドローンを飛ばしたことで逮捕されたというケースも実在します。
<実例>
国土交通相の許可を受けずにドローンを禁止区域で飛ばしたとして、福岡県警は3日、北九州市戸畑区西大谷1丁目の会社員塩川貢志容疑者(58)を航空法違反の疑いで逮捕し、発表した。
朝日新聞デジタル
2021年5月、那覇市でドローンを無許可で飛行させたとして警察は、60代の男性を航空法違反の容疑で書類送検しました。
琉球朝日放送
京都区検は18日までに、許可なく住宅地でドローンを飛ばしたとして、航空法違反罪で京都市中京区の男性会社員(35)を略式起訴した。8日付。京都簡裁は9日に罰金20万円の略式命令を出した。
産経ニュース
大台ケ原(奈良県上北山村)上空で小型無人機「ドローン」を許可が必要な高さで飛行させたとして、航空法違反容疑で奈良県警に書類送検された男性(45)について、吉野区検は不起訴(起訴猶予)処分とした。
産経ニュース
●「小型無人機等飛行禁止法」
「国の重要施設とその近辺約300メートル」におけるドローンの飛行を禁止する法令です。
対象となる施設でドローンを飛ばす場合は事前に「通報書」を提出して同意を得なければなりません。
これに違反すると、最大1年の懲役または50万円の罰金が科せられます。
<実例>
広島県呉市の海上自衛隊呉地方総監部上空で小型ドローンを飛行させたとして、県警は19日、同県熊野町の介護施設職員の男(50)を、小型無人機等飛行禁止法違反の疑いで書類送検し、発表した。
朝日新聞デジタル
●「文化財保護法」
国の重要文化財をドローンの飛行により傷つけたり、それを隠匿したりすると5年以下の懲役または最大30万円の罰金が科せられます。
●「電波法」
日本国内において「技適マーク」が付いていないドローンは、電源を入れるだけでも電波法違反とされています。
また、免許や資格の必要な電波を使用したドローンを無免許・無資格で操縦することも違反とされ、最大1年の懲役または最大100万円の罰金が科せられます。
●「公園条例」
ドローンの飛行を禁止している公園でドローンを飛ばすと、各自治体により定められた罰則が科せられます。
内容は自治体により異なりますが、例えば東京都の場合条例に違反すると最大5万円の罰金が科せられることになります。
<実例>
飛行禁止区域の東京・江戸川区の公園で許可なくドローンを飛ばしたとして、警視庁は52歳の男を逮捕しました。
@niftyニュース
●「所有権の侵害」
誰かが所有する土地の上空に無許可でドローンを飛行させた場合、土地への侵入として所有権を侵害したとみなされることがあります。
最大2年の懲役または最大100万円の罰金だけでなく、所有者から損害賠償を請求される可能性もあります。
●「肖像権の侵害」
ドローンで撮影した画像や映像にをインターネットなどに公開する際、第三者の顔が写り込んでいた場合、何らかの損害が生じると、損害賠償の支払いを命じられる場合があります。
ドローンで撮影した画像や映像の取り扱いには十分注意しましょう。
ドローンを飛ばせる場所はアプリで探せる
ドローンを飛ばせる場所について説明してきましたが、日常生活を送る中や地図をみて、一目でドローンを飛ばせる場所か判断することは非常に難しいものです。
そこでおすすめしたいのが、ドローンを飛ばせる場所を一目で確認できる次のアプリです。
1.SORAPASS
航空法により定められたドローン飛行禁止区域や国の重要施設、自衛隊基地、発電所などが確認できる地図サイトです。
空港周辺の空域が赤、人口集中地区がピンク、自衛隊基地や発電所などは黄色で表示されています。
初めての方はユーザー登録(無料)が必要になりますが、ブラウザ上で見ることができるので様々な端末から利用できる点がメリットです。
2.ドローンフライトナビ
人口密集地区・空港・ヘリポート・自衛隊基地・小型無人機など飛行禁止法により定められた禁止区域などすべての飛行禁止エリアに対応したアプリです。
ログイン作業は不要で、アプリをダウンロードすればすぐに飛行エリアを確認できます。
ただし、AppStoreでのみリリースされているアプリであるためiPhoneやiPadを持っている方しか使えません。
3.DJIフライトマップ
DJI社が作成したドローン飛行禁止区域を調べることができる地図で、DJI社のホームページから閲覧できます。
日本国内だけでなく、世界各国の飛行禁止区域も表示されるので海外でドローンを飛ばしたい方にも役立つ地図です。
ただし、すべての飛行禁止区域情報が網羅されているわけではないため注意しましょう。
4.ドローン飛行チェック(DID)
人口集中地区・空港・ヘリポート・自衛隊基地を表示してくれる地図アプリです。
マップ上にピンが刺してある場所について、飛行可能エリアや飛行可能時間を一発で表示してくれるので決められた地点でドローンを飛ばせるのか飛ばせないのかがすぐに分かります。
ただし、小型無人機など飛行法により定められた飛行禁止区域には対応していないので注意が必要です。
5.AIRMAP
世界各国でドローンが飛ばせる場所を見つけることができる地図アプリです。
以前は楽天AirMap株式会社が提供しているアプリでしたが、現在の提供元はAirMap, Inc.となっています。
アプリ上でドローンのフライトプランを作成すると、そのプランが空域ルールに違反していないかを事前に確認することができます。
国内外問わず、ドローンの安全な飛行プランを確実に構成できる便利なアプリです。
6.国土地理院
国土交通省の特別機関である国土地理院が作成している地図を、Web上で閲覧できます。
サイト上部の検索窓から好きな住所や地名を検索すると、人口集中地区や空港周辺エリアといったドローンの飛行禁止区域が表示されます。
ただし空港周辺エリアの表示に関しては誤差があるため、境界付近でドローンを飛ばすさいは空港などの管理者へ事前確認を行うことが推奨されています。
結局ドローンはどこで飛ばせるのか(各主要地域の参考例をご紹介)
各主要地域ごとに、「SORAPASS」を活用してドローンが飛ばせるような場所を調査してみました。
ただしマップ上から確認できる範囲から飛行禁止区域に該当していないとみられる場所をピックアップしているため、実際にドローンを飛ばす場合は各エリアの管理者や自治体へ直接確認しましょう。
東京

東京は23区の場合ほとんどが人口集中地区に含まれており、ドローンを飛ばすことは難しいです。
人や建物の少ない公園なども、公園条例により飛行禁止とされているためドローンは飛ばせません。
しかし、23区を外れた多摩地区方面を見てみると人口集中地区に該当しないエリアも見られるためドローンが飛ばせそうです。
神奈川

神奈川県も飛行禁止エリアに該当する部分が多くあります。
マップを見てみると、山岳エリアの他に三浦市や小田原市周辺など海に隣接した地区もドローンを飛ばせそうな場所があります。
大阪

大阪も多くのエリアが飛行禁止エリアとなっています。
主に北部・南部の山岳エリア方面がドローンを飛ばせそうな場所です。
山梨

山梨県は甲府駅周辺など僅かな人口集中地区などを除き、ドローンを飛ばせそうな場所が多くみられます。
山中湖や河口湖など、富士五湖周辺も自治体から許可を得られれば飛ばせる可能性があります。
千葉

千葉県は主に東京湾に面したエリアが人口集中地区となっている他、成田空港の周辺もドローンを飛ばすことができません。
ただし、房総半島方面は飛行禁止区域が少ないので、ドローンを飛ばす場所を探すには適していそうです。
神戸

神戸市は大半が人口集中地区が多くみられます。
西区であれば人口集中地区に該当しないエリアもあるので、ドローンを飛ばす場所探しには適していそうです。
兵庫

兵庫県は神戸市を除けば、飛行禁止エリアが少ないことが分かります。
加東市の「SKY GROUND」や猪名川町の「Aero Sylpheed練習場」など、兵庫県にはドローンの飛行場や練習場も複数あるためそういった施設を利用しても良いでしょう。
愛知

愛知県は主に名古屋市周辺が人口集中地区エリアのため、ドローンを飛ばすことは難しいことが伺えます。
山岳エリアの他、三河湾や知多半島、渥美半島など海沿いは開けた部分がありドローンを飛ばせる場所がありそうです。
富山

富山空港やわずかながらに人口集中地区が見られます。
それ以外であれば、山岳エリアや富山湾周辺でもドローンを飛ばせる場所がありそうです。
福岡

福岡県は、福岡国際空港がある他その周辺などが人口集中地区とされています。
那珂川市や糸島市、福岡市西区方面は開けた場所があり、飛行禁止区域とされているエリアもないためドローンを飛ばす場所としては適していそうです。
沖縄

沖縄県は那覇市などが人口集中地区とされている他、那覇空港や自衛隊基地、在日米軍基地が点在しています。
もちろん各自治体へ確認が必要になりますが、マップ上では飛行禁止エリアに該当しないとみられるビーチや城跡も少なくないようです。
福井

福井県では主に福井市や鯖江市、越前市周辺などが人口集中地区となっている他、福井空港周辺はドローンを飛ばせません。
それ以外であれば、ドローンを飛ばせそうな場所が多くみられます。
絶景スポットの一つである九頭竜湖周辺は、実際にドローンで撮影した映像を公開している方もいます。
茨城

茨城県は人口集中地区や飛行場が点在している他、茨城空港もあるためその周辺ではドローンを飛ばせません。
一方で霞ヶ浦や北浦大橋、涸沼周辺など絶景スポットとして知られている場所はマップ上で見る限り飛行禁止区域に該当していないとみられるので、ドローンを飛ばせそうです。
京都

京都府は京都駅を中心に人口集中地区が広がっています。

一方で、北部へ足を向けてみると飛行禁止区域に該当しないエリアが広がっていることが分かります。
この辺りであれば、ドローンを飛ばせる場所も探しやすいでしょう。
和歌山

和歌山県は主に和歌山市周辺が人口集中地区となっている他、空港や飛行場が複数あります。
それらを除けば飛行禁止区域に該当しないエリアが広くみられ、樫野埼灯台や海金剛など空撮が映える様々な絶景スポットでドローンを飛ばすことができるでしょう。
静岡

静岡県は静岡空港がある他、東海道新幹線の通過地点沿いは人口集中地区となっている場所が多いです。
山岳エリアや浜中湖周辺、伊豆市周辺であれば飛行禁止区域に該当しない場所が広がっています。
札幌

札幌市のほとんどが人口集中地区となっています。
ただし石狩川沿い、札幌大橋近辺は人口集中地区から抜けておりドローンを飛ばせそうです。
許可申請を行うことでドローンを飛ばせる場所は増える
ドローンの飛行禁止区域として定められたエリアでも、該当エリアの管理者や所有者に許可申請を行えばドローンの飛行が認められる場合があります。
ただし、実際に飛行する際は事前に警察や各区海上保安部長などへ通報しなければなりません。
さらに防衛関係施設や空港の周辺地域の上空を飛行する場合は、対象施設の管理者への通報も必要となります。
ドローンの飛行練習を行いたいならドローン専用練習場もおすすめ
近年では、ドローンの普及に伴いドローン専用の練習場や室内施設などが増えています。
ドローンを飛ばせる場所を探す手間が省けたり、飛行禁止区域の心配をせず思う存分ドローンを飛ばすことができたりというメリットがあるので、操縦の練習をしたい方におすすめです。
人口集中地区の多い東京や大阪などの主要地域にも様々な練習場が設けられているので、是非活用してみてください。
ドローンの飛行においては、様々なリスクが付きまといます。
万が一ドローンが制御不能となったり墜落した場合、適切な対処ができないと大きな事故につながる恐れもあります。
特にドローンの操縦に慣れていない初心者の方は、ドローンを思い通りに操縦できる技術を身に付けることができるまで練習場を活用すると良いでしょう。
まとめ
ここまでドローンを飛ばせる場所について解説いたしました。
ドローンは様々な法令により、飛ばすことのできる場所が限られています。
アプリを活用してドローンの飛行禁止区域に該当しないエリアを探したり、飛ばしたい場所の管理者に許可申請を行い安全な飛行を楽しみましょう。
この記事を参考に、ドローンを飛ばせる場所を探し、思う存分楽しんでみてください。
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