「ドローンでどこまで長く飛べるの?」 「ドローンの電波が届く範囲はどれぐらい?」などの疑問を抱いた方も多いでしょう。
ドローンは操縦機と電波で通信をすることでコントロールをしているため、電波が届く範囲でしか飛行できません。
さらに、ドローンはバッテリーを電源にして飛行するため、バッテリーが切れるまでしか飛べません。
今回はドローンの飛行距離について解説します。
ドローンがどこまで飛べるのか、電波が届く範囲はどれぐらいなのか、詳しくみていきましょう。
ドローンの飛行距離とは
まずはドローンの「飛行距離」について定義を明確にしておきましょう。
飛行距離で表されるものには主に以下の2つがあります。
航続距離 | 1回の充電で飛行できる距離 |
伝送距離 | 送信機の電波が届く距離 |
では、それぞれについて詳しくみていきましょう。
航続距離=1回の充電で飛行できる距離
航続距離とは、バッテリーの充電を満タンにした状態で飛行できる距離を表しています。
例えば、航続距離が10kmであれば、1回の充電で10kmまで飛行できます。
飛行距離と聞いて一般的に思い浮かぶのは、「航続距離」の方でしょう。
伝送距離=送信機の電波が届く距離
伝送距離とは、送信機の電波が届く距離を表します。
例えば、伝送距離が1kmまでであれば、送信機のある場所から半径1kmの範囲内でしか飛行できません。
つまり、操縦者からどれぐらい離れてドローンが飛行できるのかを表しており、こちらも飛行距離として認識されています。
ドローンの飛行距離(航続距離)を比較
ここでは、ドローンの飛行距離(航続距離)を比較していきます。
主なドローンの航続距離は以下の通りです。
ドローンの種類 | 航続距離 | 飛行時間 |
---|---|---|
トイドローン(Tello) | 記載なし | 最大13分 |
一般向けドローン(DJI Mavic 3 Classic) | 30km | 最大46分 |
産業用ドローン(Matrice 350 RTK) | 記載なし | 最大55分 |
では、それぞれのタイプについて詳しくみていきましょう。
トイドローンの飛行距離
トイドローンには、航続距離の記載はありませんが、飛行速度と飛行時間から計算すると最大3km程度であると推測されます。
やはりトイドローンは他のタイプと比較して、航続距離は短いため、軽く楽しむのに適しています。
一般向けドローンの飛行距離
一般向けドローンの航続距離は、DJIの製品だと30km程度となっています。
ドローンのスペックが上がると、飛行速度や飛行時間も向上するため、その分だけ航続距離もアップします。
これだけの航続距離を飛行するのが可能であれば、より広範囲の空撮が可能になるでしょう。
産業用ドローンの飛行距離
産業用ドローンの飛行距離は記載されていませんでした。
ただし、一般向けドローンよりも飛行時間が長い機種が多いため、その分だけ長距離を飛行できると推測できます。
また、各用途に特化した設計になっているため、例えば、農業用ドローンの航続距離はそこまで長くありません。
ドローンの飛行距離(伝送距離)を比較
ここでは、ドローンの飛行距離(伝送距離)を比較していきます。
主なドローンの航続距離は以下の通りです。
ドローンの種類 | 伝送距離 |
---|---|
トイドローン(Holy Stone HS130) | 60m |
一般向けドローン(DJI Mavic 3 Classic) | 8km |
産業用ドローン(Matrice 350 RTK) | 8km |
では、それぞれのタイプについて詳しくみていきましょう。
トイドローンの飛行距離
トイドローンの伝送距離は、100m以下であることがほとんどです。
基本的には目視内で楽しむ設計になっているため、機体がはっきりと目視できる距離でしか操縦できません。
一般向けドローンの飛行距離
一般向けドローンの伝送距離は、DJI製品だと8km程度になっています。
日本の法律によって伝送距離が短く制限されている側面もありますが、目視外でも十分に飛行できる設計になっています。
産業用ドローンの飛行距離
産業用ドローンの伝送距離は、DJI製品だと8km程度になっています。
空撮用ドローンは目視外で広範囲を飛行する必要があるため、伝送距離が長めに設計されていますが、産業用ドローンは用途が限定されているため、一般向けと大きくは変わりません。
ドローンの飛行距離は送信機で変わる
ドローンの伝送距離は、送信機によっても変わります。
送信機には「プロポ」と「スマホ」の主に2種類がありますが、それぞれどう異なるのかをみていきましょう。
プロポを使う場合
プロポはドローンを操縦する専用機として設計されているため、電波を送受信する機能に優れています。
周囲の電波干渉の状況にもよりますが、プロポを使えばドローンの伝送距離を最大にまで近づけられるでしょう。
スマホを使う場合
スマホを使う場合、電波を飛ばす性能の問題で、伝送距離が通常よりも短くなってしまいます。
スペック表に記載されている伝送距離は、好条件が揃った上で実現できる数字でもあるため、スマホを操縦機として使う場合は、伝送距離を短めに見積もる必要があります。
ドローンの飛行距離に関する注意点
ドローンの飛行距離に関する注意点は以下の2点です。
- 電波干渉によって飛行距離が短くなる
- バッテリーの消耗によって飛行距離が短くなる
では、1つずつ詳しくみていきましょう。
電波干渉によって飛行距離が短くなる
ドローンのスペック表に記載されている最大伝送距離は、あくまで電波干渉がない状態での理論値です。
実際には、さまざまな電波干渉を受けるため、伝送距離は干渉の程度によってかかります。
周囲に干渉物がある場合は、伝送距離が短くなるのを頭に入れた上で操縦する必要があります。
バッテリーの消耗によって飛行距離が短くなる
航続距離は、満タンに充電した状態で飛行できる距離を表しているため、バッテリーが消耗していると飛行距離が短くなります。
充電が足りていなかったり、バッテリーが劣化していたりすると、飛行距離に影響を与えます。
ドローンの飛行距離に関するよくある質問
ドローンの飛行距離に関するよくある質問をまとめました。
ここまでの内容で疑問が思い浮かんだ人は参考にしてみてください。
ドローンが目視できる距離はどれぐらい?
ドローンが目視できる距離としては、一般的には100m〜300mと言われています。
目視可能距離は天候や時間帯、機体に搭載した照明などによっても異なりますが、目視外での飛行を無許可で行うと航空法違反になるので注意が必要です。
最大伝送距離以上に機体が離れるとどうなる?
伝送距離の範囲外に機体が離れると、送信機との通信が途絶えるため、機体の操縦ができなくなります。
通信が途絶えた際に、その場でホバリングを続ける機能や、フェイルセーフ機能で自動帰還をするドローンもありますが、なければ墜落または衝突事故を引き起こすでしょう。
飛行距離の長いドローンはどれ?
一般向けのドローンであれば、「DJI Mavic 3 Pro:28km」「DJI Air 3:32km」など、30km程度の距離を飛行できるドローンがあります。
産業向けの輸送用ドローンだと、100km以上の長距離を飛行できる機体もあります。
まとめ
ドローンの飛行距離について解説しました。
飛行距離と伝送距離の2つを理解することで、ドローンの飛行距離が把握できるので、今回の記事を参考にしてみてください。
ドローンの飛行距離を理解して、操縦スキルを高めてみましょう。
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