プロとしてドローンの操縦技術を仕事に活かす「ドローン操縦士」。
具体的には、どのような仕事内容で活躍することができるのでしょうか。
今回はドローン操縦士について、仕事内容や年収、資格取得の必要性などについて解説いたします。
- ドローンパイロットとは何か?
- ドローンパイロットは資格が必要か?
- ドローンパイロットの求人にはどんなものがあるのか?
- ドローンパイロットとして働く際に準備しておきたいアイテム
をわかりやすく解説しています。
ドローン操縦士を目指す際に取得しておきたい資格も紹介していますので、是非参考にしてみてください。
ドローン操縦士(パイロット)とは
近年、ドローンは人の手では困難な場所における点検業務や上空からの空撮、農作業の人手不足解消・効率化など、様々な分野での活用に期待が高まっています。
とはいえ、ドローンという物体を空に飛ばすため、多くのリスクを伴います。
操縦するにもドローンを安全に飛行させるための高い技術力や機体の知識、ドローンに関連する法律知識を身に付ける必要があります。
「ドローン操縦士」とは高い技術力と知識を身に付け、プロとしてドローンを操縦する仕事に就いている人のことを呼ぶのです。
ドローン操縦士(パイロット)が活躍する仕事(分野)
ドローン操縦士は、主に以下のような分野で活躍しています。
インフラ・建物点検
橋梁やダム、鉄塔、トンネルなどのインフラや建設現場の点検業務において、ドローンを活用する例が増えています。
従来は高所の点検を行う場合、足場を組んで目視による点検が行われてきましたが、足場を組むにはコストや人員を手配する手間がかかりました。
ドローンを活用することで、人的なコストや作業の手間を抑えることができます。
また、人が踏み入るには危険が伴うような場所の点検も、ドローンを使えば容易に実施できます。
測量
土木・建築分野における測量業務にドローンを使う企業が増えています。
従来は人の手でレーザーを用いて測量を行っていましたが、対象が広大であったり、土壌が柔軟で人が立ち入りにくい環境下には適していない方法でした。
しかし、ドローンを使って上空から撮影した映像を3D図面に作成する方法で測量を行えば、上記のような問題を低コストで解決できます。
空撮カメラマン
ドローン操縦士が活躍している例として代表的な仕事です。
カメラを搭載したドローンで写真や映像を撮影・制作するクリエイティブ職で、企業に所属している人もいれば個人で活動しているクリエイターもいます。
ドローンの操縦技術はもちろん、クライアントが期待している以上のクオリティで作品を生み出せるセンスも重要です。
スクール講師
ドローンスクールに所属したり、自分でドローンスクールを開校したりしてドローンの操縦に関する指導を行う仕事です。
受講生に正しい知識と操縦方法を指導する立場であるため、相応に高いスキルを身に付ける必要があります。
JUIDAやDPAなど国交省認定の管理団体によるインストラクター資格を取得しておくと、資格取得を狙える講習の実施が可能となり、受講生からの需要も高められるでしょう。
農業
農業分野では農薬散布をドローンで行う事例が増えています。
ドローンを使えば短時間で効率よく作業が進められる上に、作物に対して均一に農薬が散布できるなど多くのメリットがあります。
高齢化や後継者問題で人手不足が深刻化する農業分野において、ドローンによる農薬散布を専門に請け負う業者もいます。
物流
今後普及していくドローンの活用分野として「物流」が挙げられます。
街中をドローンが飛行して荷物を配送する未来はまだ先の話ですが、離島や山間部などに物資や医療品を届けるなどの実証実験が盛んに行われています。
災害時に救援物資を届ける活用法も期待されており、人や車が入れない場所であってもピンポイントで救援物資が届けられるようになります。
警備
ドローンに搭載されたカメラを利用して施設などの監視を行う活用法も期待されています。
人的コストを削減できる上に、固定式の監視カメラよりも広範囲を監視できるのがメリットです。
カメラだけでなく、センサーやスピーカー、ライトを搭載することで、より高度な警備業務が可能になります。
水質調査
空中を飛行するドローンだけでなく、水中を潜水・潜航できるドローンにも注目が集まっています。
河川やダム、海などの水質調査に水中ドローンが活用された事例もあり、課題は多くあるのですが今後広がりを見せていく可能性があります。
ドローンショー
複数のドローンを同時に飛ばして、さまざまな演出を行うドローンショーも人気を高めています。
東京オリンピックの開会式でも行われた演出で、ライトを搭載した多数のドローンをプログラムして飛行させることでさまざまな演出を可能とします。
ドローン操縦士(パイロット)の年収
ドローン操縦士の求人情報を参考に、職種ごとの年収を調査してみました。
職種 | 年収 |
---|---|
インフラ・建物点検 | 300〜500万 |
農薬散布操縦士 | 350〜550万 |
測量 | 350〜600万 |
空撮カメラマン | 350〜640万 |
スクール講師 | 350〜450万 |
なお、上記でご紹介した求人情報等から推測した金額となっており、実際に就職する企業や雇用形態によって変動する可能性があるため、あくまで目安と考えてください。
また、プロとして活躍しているドローン操縦士はまだまだ少なく、ドローン市場そのものが未だ発展途上にあります。
今後さらにドローン操縦士の人口が増えていけば、年収の正確な目安が見えてくることでしょう。
ドローン操縦士(パイロット)になるには資格は必要?
ドローンを操縦するだけであれば、取得が必須となる資格はありません。
ドローン操縦士として仕事をする場合も同様で、資格がなくとも仕事を請け負うことは可能です。
ただし、ドローン操縦士は操縦技術だけでなく、ドローンを安全に飛行させるためのルート確保・メンテナンス・緊急時の対応などの広範な知識も求められます。
当然ながら、ドローンを飛行させる上で抵触する恐れのある法律も網羅しなければなりません。
必要な知識を身に付けていないままドローンを飛行させれば、重大な事故を引き起こすリスクも高くなります。
そのため、操縦技術や知識を得るためにも資格の取得が推奨されます。
必須ではないが、資格を取得することで客観的な証明となる
ドローン操縦士の資格は、上記にて挙げたような知識・飛行技術を持っていると一目で証明することができる存在です。
資格により分かりやすくスキルを証明すれば、求人に応募する際も企業へ好印象を与えることができて就職が有利に進むことでしょう。
また、資格があれば国土交通省への飛行許可申請が一部簡略化できたり、飛行を予定している場所の管理者へ許可を得る際の交渉もスムーズに運びやすいです。
資格取得はドローンスクールに通うのがおすすめ
ドローンの資格は独学で取得できるものもありますが、基本的にはスクールに通って取得するのがおすすめです。
スクールで実技講習を受けないと取得できない資格もありますし、プロのインストラクターから教えてもらう方がビジネスでも活用できるスキルが身につけられるでしょう。
ドローンの操縦以外で業務に必要な資格もある
ドローン操縦士の仕事では、ドローン以外で取得が必要な資格もあります。
例えば、測量の仕事をするためには測量士の国家資格を取得しなければなりません。
その他にも、ドローンによる農薬散布を行う上では「産業用マルチローターオペレーター技能認定証」を取得する必要があります。
職種に応じてドローン以外の資格が必要になるケースがあるので、事前に把握しておきましょう。
ドローン操縦士(パイロット)として取得しておきたい資格試験と評判
ドローン操縦士として取得をおすすめする資格を紹介します。
ここでは、主要な団体が管理している資格の概要やその評判をご紹介していきますので、自分が取得を目指すべき資格を選ぶ際の参考にしてみてください。
一等/二等無人航空機操縦者技能証明(国家資格)
資格の種類 | 一等/二等 |
受講料 | 500,000円〜 |
受験資格 | ・16歳以上であること ・航空法の規定により国土交通省から本試験の受験が停止されていないこと |
試験内容 | ・学科試験 ・実地試験(講習を受ければ免除) ・身体検査 |
2022年12月から国内初となるドローンの国家資格が誕生しました。
国家資格を取得することで航空法で定められる「特定飛行」の一部を許可・承認なしで行えるようになります。
取得の流れは、国によって指定された登録講習機関で学科・実技の講習を受け、指定の試験期間で学科試験に合格すると取得できます。
受講費は50万円以上と高価ではあるのですが、第三者上空かつ目視外で飛行させるいわゆる「レベル4飛行」を実現する上でも重要な資格となります。
そのため、これからドローン操縦士を目指す方で、よりハイレベルなキャリアを築きたい場合は、国家資格の取得をおすすめします。
ドローン検定(ドローン検定協会)
資格の種類 | 1級〜4級 |
受講料 | 3,200円〜18,800円 |
受験資格 | 誰も受験可(1級は2級取得者のみ、2級は3級取得者のみが受験可能) |
試験内容 | 筆記試験 |
「ドローン検定協会」が管理している認定資格です。
1~4級までの級位が設けられた筆記試験が開催されており、合格すると級に応じたレベルの知識を持っていることの証明として「無線航空従事者試験〇級」資格が発行されます。
4・3級は基礎的な知識を問われる試験内容となっているため初心者でも受験することができますが、2・1級はより専門的かつ難易度も高くなります。
また、筆記試験とは別に「基礎技能講習」という実技の講習も行われています。
基礎技能講習を受講し、最終試験に合格すればドローンの操縦技術を証明できる「操縦技能証明証」が発行されます。
無人航空機操縦技能証明(JUIDA)
資格の種類 | 無人航空機操縦技能証明 |
受講料 | 約200,000~400,000円 |
受験資格 | ・16歳以上 |
試験内容 | ・学科試験 ・実技試験 |
「JUIDA(一般社団法人日本UAS産業振興協議会)」が管理している資格の1つです。
「無人航空機を安全に飛行させるための知識と操縦技術を有する者」を証明する資格であり、ドローンに関する基礎的な知識と操縦技術が身に付きます。
JUIDAの認定スクールにて、規定のカリキュラムを受講したうえで最終試験に合格すると取得することができます。
ドローンの飛行経験は問わず、16歳以上であれば誰でも受講可能です。
無人航空機安全運行管理者(JUIDA)
資格の種類 | 無人航空機安全運航管理者証明 |
受講料 | 約200,000~400,000円 |
受験資格 | ・18歳以上 ・操縦技能証明証保有者 |
試験内容 | 学科試験 |
JUIDAが管理する認定資格の1つで、「無人航空機の運航に関わる十分な安全と法律の知識を有し、飛行業務の安全を管理する者」を証明する資格です。
18歳以上かつ、上記の「無人航空機操縦士」資格を取得している方のみが受講対象とされています。
ドローンを安全に運用するための知識を学ぶことができ、ドローンを使う業務を行う上での安全管理者として必要なスキルが身に付きます。
ドローン操縦士回転翼3級(DPA /ドローン操縦士協会)
資格の種類 | ドローン操縦士回転翼3級 |
受講料 | 約600,000円~700,000円 |
受験資格 | ・15歳以上 ・視力、色覚、身体要件あり |
試験内容 | ・学科試験 ・実技試験 |
「DPA(一般社団法人ドローン協会)」が管理している認定資格です。
ドローンを安全に飛行させるために必要な知識と基本技能を証明することができます。
DPAの認定スクールにて規定のカリキュラムを受講し、認定試験に合格すれば資格取得となります。
現在は3級しか用意されていませんが、今後はより専門的かつ高度な飛行を行うためのスキルが身に付く2級や1級資格も新設される予定です。
ドローン操縦士回転翼3級インストラクター(DPA)
資格の種類 | ドローン操縦士回転翼3級 |
受講料 | 約600,000円~700,000円 |
受験資格 | ・18歳以上 ・視力、色覚、身体要件あり |
試験内容 | ・学科試験 ・実技試験 |
上記の「ドローン操縦士回転翼3級認定資格」取得に必要な講習の実施が認められるインストラクター資格です。
ドローン操縦士回転翼3級認定資格の知識や技術を網羅していることを前提に、座学・実地講習を行うために必要な知識も身に付けます。
ドローンインストラクターとして働くことを視野に入れている方は、取得を検討してみても良いでしょう。
DJI CAMPスペシャリスト認定講習(DJI JAPAN)
資格の種類 | DJI CAMPスペシャリスト |
受講料 | 約50,000円~100,000円 |
受験資格 | ・10時間以上の飛行操縦経験があること ・DJI製品のユーザーマニュアルを事前に熟読し、実際のマルチコプター飛行業務に従事できる者 |
試験内容 | ・筆記試験 ・実技試験 |
DJI CAMPスペシャリスト認定講習は、DJI JAPANが実施しているドローンの民間資格です。
受講には10時間以上の飛行経験が必要で、DJI製品の知識も必要となります。
取得には座学講習を受けた後に、学科と実技試験に合格しなければなりません。
DJIのドローンを使っている人にとっては調度良い資格といえるでしょう。
プロパイロット資格(請川博一氏主催の講座)
資格の種類 | PROパイロット技能認定 |
受講料 | 22,000円〜 |
受験資格 | ・認定会参加者かつ一定の技量を認められた方に限る |
試験内容 | 実技試験 |
SkyLink社にて開催されるドローンの操縦技能講座「PROパイロット技能認定会」に合格すると取得できる資格です。
日本を代表するドローン操縦士、請川博一氏をはじめとする各分野のプロが講師を務めています。
合格率7%の国内最難関の技能試験と言われており、参加者の多くは既に業務パイロットとして活躍している方です。
これからドローン操縦士としてのスキルを身に付けたいという方よりも、より自分のスキルを向上させたいプロ向けの資格です。
ドローン操縦士検定(一般社団法人 日本ドローン操縦士協会)
資格の種類 | 1級〜3級 |
受講料 | 5,280円〜15,290円 |
受験資格 | ・18歳以上の方 ・2級は3級取得者のみ、1級は2級取得者のみ |
試験内容 | ・学科試験 |
「DPJ(一般社団法人 日本ドローン操縦士協会)」が管理する認定資格です。
送付される授業動画を視聴する型式となっているため、スクールに通わず自宅でドローンの知識を身に付けることができます。
3級検定試験合格者を対象としており、国土交通省への飛行許可申請方法など実践的な知識がカリキュラムに含まれています。
ドローンに関する基礎的な知識が身に付いている、中級者向けコースです。
ドローン操縦士(パイロット)としての求人募集にはどんなものがある?
実際に求人サイトで掲載されているドローン操縦士の求人内容例としては、以下の通りです。
- 測量業務におけるドローン操縦士
- ドローンインストラクター
- 赤外線ドローンを用いた外壁調査員
- 農業ドローン操縦・メンテナンススタッフ
- 映像製作スタッフ(一部ドローン空撮)
様々な職種でドローン操縦士の求人情報が掲載されていましたが、中でも多く見受けられたものが「測量」「インストラクター」でした。
将来的にドローンを活用する分野が増えれば、それだけ求人数やドローン操縦士を募集する職種も増えていくと考えられます。
求人は決して多くないのでこまめなチェックが必要
ドローン操縦士に関する求人は決して多くはありません。
多くない求人の中で自分が求める条件の求人が見つかる可能性も高くないため、こまめに求人をチェックした方がいいでしょう。
フリーランスや副業として「業務委託・請負」の仕事をすることも可能
ドローン操縦士として仕事をするには、求人情報を掲載している企業へ就職するというパターンが一般的です。
一方で、独立してドローンの操縦業務を請け負う「業務委託」という働き方もあります。
フリーランスとしてドローン操縦の業務委託を生業としたり、副業として空いた時間にドローン操縦業務を請け負ったりと自分のライフスタイルに合わせて働きやすいという点が業務委託の魅力です。
フリーランスでドローン操縦士の仕事ができる分野としては「空撮」が代表的です。
しかし、空撮分野はすでに数多くのカメラマンが活躍しているため競争率が高く、生計を立てるのはかなり難しいでしょう。
また、空撮だけでなく、どんな分野でもフリーランスでドローン操縦士の活動を続けていくには「高い操縦技能」が必要です。
より安定して仕事を集めたいのであれば、クライアントに「この人だから仕事を頼みたい」と思ってもらえるようなスキルをプラスアルファとして身に付けておくことがカギになります。
ドローン操縦士(パイロット)として働くためには?
ドローン操縦士として働くには求人情報をリサーチして応募し、企業に就職するといった流れが一般的ですが、以下のような方法でもドローン操縦士の仕事を始められます。
ドローンパイロット仕事斡旋会社へ登録もおすすめ
ドローン操縦士として登録をすると、様々なドローン操縦業務を紹介してくれるマッチングサービスも存在します。
特にフリーランスの操縦士は自力で企業へ営業する必要もなく、比較的簡単に依頼を確保することができるので役立つはずです。
マッチングサービスによってはジャンル問わず幅広い分野の依頼を取り扱っていたり、農業関係の依頼を専門としていたりと受注できる依頼の内容は異なる場合があります。
そのため、複数のマッチングサービスを比較し、自分にあったものを見つけるのが重要です。
例えば、空撮・測量・点検・物流などのドローン操縦士のマッチングを行っている「DRONE MASTER」や、農業専門のマッチングサービスを提供している「OPTIM」など、活動分野に応じてサービスを選ぶのもいいでしょう。
個人事業主として会社を立ち上げる
ドローンパイロットとしての業務を請け負う会社を立ち上げるという選択肢もあります。
会社を立ち上げる場合は空撮・農業・測量・点検などの中で、自分が持つスキルや知見を活かせる分野に絞ってビジネスを組み立ててください。
自分にとって強みのある分野で上手にドローンを活用すれば、他社との差別化にもつながります。
また、参入する分野の情報収集・分析を行いつつ自社の将来的な目標を明確に描くのも重要です。
事業計画をしっかりと構築しつつ、競合他社の分析や必要な資金の調達、人材採用などの事前準備を整えてください。
個人的な活動を通じて実績を作る
フリーランスとして活動したり、趣味でドローンの空撮映像をYoutubeなどに投稿したりして、実績を積み重ねることで仕事を得るという方法もあります。
最初は趣味から始めたことでも続ければさまざまなスキルが養われますし、仕事を請け負えるレベルにまで成長することもあるでしょう。
何もない状態から仕事を得るのは難しいですが、個人的な活動を通じてある程度の実績が見せられればアピールにも繋げられるでしょう。
ドローン操縦士に必要なスキル・資質
ドローン操縦士に必要なスキルを解説します。
操縦スキルは当然必要なのですが、実際に業務を行うに当たってどのようなスキルがあると良いのか詳しくみていきましょう。
基本的なドローンの操縦・整備スキル
まずは当然ですが基本的なドローンの操縦スキルに加えて、機体をメンテナンスするための整備スキルが必要です。
業務によっては高所や狭所でも正確に操縦するスキルが求められますし、安全に業務を遂行するためには日々のメンテナンスが欠かせません。
クライアントの要望に答えられるよう、あらゆる飛行方法に対応できるスキルを身につけましょう。
仕事をスムーズに進めるための計画性や判断力
依頼を受けて業務を遂行するためには、ドローンの操縦スキルのみでは不十分です。
業務のスケジュールを管理しながら、飛行計画を整えつつ、現場での天候なども含めた総合的な判断力も求められるでしょう。
物事を整理してスケジュール通り業務を遂行する計画性も必要となりますし、咄嗟の出来事に対して適切に判断をする力も必要です。
クライアントの要望を実現するためのコミュニケーション能力
ドローン操縦士は職人的な仕事ではなく、クライアントとのヒアリングを重ねながら要望を実現する仕事です。
そのため、クライアントの要望を汲み取って具体化するためのコミュニケーション能力は必須です。
相手の要望を聞きながら、ドローンのプロとしての知見やアドバイスを伝えるなど、粘り強く相手と向き合うことも求められるでしょう。
現場仕事や力仕事にも対応できる体力
ドローン操縦士は屋外で作業をする上に、現場ごとの移動も多い仕事なのでとにかく体力は必要です。
1日中外を動き回っても平気な体力を持ちながら、現場ごとにクオリティの高い操縦スキルを発揮するための体力を身につけましょう。
求人募集から見えるドローン操縦士(パイロット)の需要
求人サイトの募集情報を調査していると、分野ごとの求人数に差はあれど主に「測量」「インストラクター」「点検」「建物調査」でドローン操縦士の求人募集が掲載されています。
一方で、ドローン操縦士の仕事として代表格ともいえる「空撮」の求人情報は少なく、掲載されているとしても業務のほんの一部にドローン空撮が含まれている程度でした。
こういった傾向から、現時点でドローン操縦士の需要が高まっている分野は空撮よりも公共インフラの点検や測量、建物調査と考えられます。
また、ドローンの普及に伴いドローン操縦士という仕事への注目度も上がっていきます。
将来的にドローン操縦士として活躍したいと考えてスクールへ通う人も増えているため、ドローンの指導を行うインストラクターの需要も高まっているでしょう。
ドローン操縦士(パイロット)の将来性
さまざまな分野でドローンが取り入れられるようになり、ドローン操縦士の需要は高まっています。
その一方で「この右肩上がりの需要はいつまで続くのか」と気になる方もいるのではないでしょうか。
ドローン市場は年々拡大している
ドローンの市場は年々拡大しており、今後も拡大傾向を続けると予測されています。
2022年には3000億円以上の市場規模になると推測されており、広範囲に渡るドローンの活用が進んでいます。
今後の5年間で市場規模が今の3倍以上にも拡大すると言われているため、ドローン操縦士の需要は劇的に高まる可能性を秘めています。
自動操縦が普及しても需要は下がることはない
ドローンは直接操縦をしなくても、プログラミングによる自動操縦で高度な飛行を行うことができます。
現時点での法規制ではすべてのドローンを自動操縦で運用することは難しいですが、法改正や開発技術の進歩により自動操縦によるドローン運用の例が増えていくことでしょう。
「「自動操縦が普及すれば、ドローン操縦士は不要になってしまう」と考える方もいますが、必ずしもそうとは限りません。
業務によっては人の判断でドローンをコントロールしなければ危険な場合もあるため、ドローンの安全管理に関する知識を持った操縦士の需要は続いていくと考えられます。
2022年12月施行の法改正が需要拡大のきっかけになる
2022年12月に航空法が改正され、有人上空かつ目視外飛行のいわゆる「レベル4飛行」の実現に向けた動きが加速しています。
今回の法改正によってドローンを活用しやすくなる社会がより進んでいくでしょう。
それに伴いドローン操縦士への需要の高まりで、求人数が増加し職業選択の幅も広がることが期待できます。
航空法改正によって考えられるドローン市場の変化
2022年12月の航空法改正によって有人上空かつ目視外の飛行が法律によって実現可能になりました。
このいわゆる「レベル4飛行」が実現されることで、ドローンの活用分野はより幅広くなり、市場の拡大も加速していくでしょう。
例えば、ドローンを使った宅配も「有人上空かつ目視外」の飛行が認められなければ実現できませんでした。
今回の法改正はドローン市場を大きく前進させるきっかけともいえるため、新しい時代のドローンがどのように使われるか楽しみですね。
【おまけ】ドローン操縦士(パイロット)として働く際に準備しておきたいアイテム
ドローン操縦士として働く際、以下のようなアイテムも揃えておくと安全に飛行しやすくなります。
パイロットベスト
蛍光色で目立ちやすいベストを着用することで、パイロットの位置を確認しやすくなります。
一般の方へドローンの操縦中であることをアピールできる(または何らかの作業中と認識させる)ため、飛行範囲内への立ち入りも抑制する効果も期待できるでしょう。
また、ペン、小物、カードなどを収納できるポケットがあれば、必要なアイテムをすぐに取り出せるため便利です。
ヘルメット
故障などによりドローンが頭上から墜落した場合を考えて、頭を保護するためのヘルメットを装備することは重要です。
ヘルメットには「飛来・落下物用」「墜落時保護用」「電気用」と特定の用途に特化したタイプが存在します。
ドローンの操縦で装備するヘルメットの場合、「飛来・落下物用」と「墜落時保護用」に対応したヘルメットがおすすめです。
ランディングパッド
ドローンは離着陸時に地面の草や砂、虫など様々なものを巻き込んでしまいます。
機体の汚れにつながるだけでなく、小さな砂や虫がモーターに入り込んで故障してしまう可能性もあるでしょう。
ランディングパッドを離着陸地点に敷いておけば、そういったトラブルを防ぐことができます。
飛行中標識テープ
ドローンの飛行範囲を囲い、第三者の立ち入りを防ぐことができる標識テープです。
飛行中であるドローンの存在を周囲に伝えることで、飛行業務がより安全に進められます。
視認性の高い黄色と黒のカラーリングで、「ドローン飛行中」「上方注意」といったドローンならではの注意喚起メッセージが記載された専用テープも販売されています。
ドローン操縦士に関するよくある質問
ドローン操縦士に関するよくある質問をまとめました。
ここまでの内容で疑問が思い浮かんだ人は参考にしてみてください。
ドローン操縦士は副業でできる?
ドローン操縦士は副業としても活動できます。
フリーランスや業務委託という形で空いた時間に活動すれば、副業としても十分成り立ちます。
ドローン操縦士に求められる能力は何?
ドローンを正確に操縦するための技術や安全・法律に関する知識などが求められます。
その他にも、コミュニケーション能力や計画性、判断能力など、業務を円滑に進めるための能力も必要です。
今からドローンの資格をとるなら何がおすすめ?
今取得するのにおすすめの資格としてはやはり「国家資格」が挙げられます。
注目度も高いですし、国内初の国家資格ということで信頼性の高さもあります。
ドローン操縦士としての大きなアピールにもなりますし、一部の特定飛行で許可申請が不要になるなど、業務上のメリットもあります。
まとめ
現在、ドローン操縦士は「測量」「点検」「インストラクター」などの分野を中心に需要が高まっている状態です。
航空法の改正によってドローンをビジネス活用しやすい環境が整いつつありますし、今後はよりドローン操縦士として活躍する場の選択肢も増えていくことでしょう。
そして、実際にドローン操縦士として働くことを考えている場合、資格を取得しておくと就活や業務をスムーズに進めやすくなります。
自分はどのような分野に強みがあり、どのように働きたいのかなどを明確に定め、将来的に長く活躍できるドローン操縦士を目指しましょう。
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