ドローン関係はどんな分野で求人情報が出ている?エリア別の求人数も紹介

更新日: 2022.06.01 公開日: 2022.01.07
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趣味としての飛行だけでなく、空撮・点検・測量・農業など様々な業界での活躍も期待されているドローン。

ドローンに関わる仕事へ興味を持つ方も増えてきている傾向にあるようです。

そこで今回は、どのような分野でドローン関係の求人情報が出回っているのか、都道府県ごとに掲載されている求人数などについて解説いたします。

この記事でわかること
  • ドローンの求人は多いのか?
  • どのような分野で求人募集されているのか?
  • 求人募集はどのような内容で募集されているのか
  • 今後の求人の傾向

をわかりやすく解説しています。

ドローン関係の仕事の中でおすすめな職業も記載していますので、是非参考にしてみてください。

目次

どのような分野でドローンの求人募集がされているのか?

ドローンの活用が増えるにあたり、ドローン操縦士として活躍を目標としている方も多いのではないでしょうか。

現時点では、主に以下のような分野でドローン関係の求人情報が見受けられます。

1.空撮カメラマン

ドローンを使って写真や映像を撮影・制作するクリエイティブ職です。

個人で活動するクリエイターもいれば企業に所属している人もおり、様々な働き方で活躍することができます。

空撮カメラマンの場合は思い描いた構図の通りに撮影するための操縦技術はもちろん、いかに魅力的な構図をイメージできるかのクリエイティブ性も必要です。

2.測量操縦士

土木や建築分野における測量業務に、ドローンを活用する企業が増えてきています。

従来は人の手によりレーザーを用いて測量が行われていましたが、対象が広大であったり土壌が軟弱で人が踏み入るには難しい環境下には適していませんでした。

しかし、ドローンを使えば上空から撮影した映像を元に3D図面を作成する方法で上記の問題を低コストで解決することができます。

なお、測量の仕事は「測量士」や「測量士補」の資格を求められる場合がほとんどのため、ドローンだけでなく測量に関わる専門的な知識も必要となります。

3.農薬散布操縦士(薬品散布)

先端技術を駆使し、農業の人手不足解消・作業の効率化を図る「スマート農業」の社会実装が推進される近年、農作業にドローンを活用するケースが増えています。

中でも農薬散布は人の手よりも短時間かつ均一な散布を行うことができるため、ドローンを用いる場合が特に多い作業です。

ただし農薬を決まったルートの通りに散布するには高度な操縦技術が求められる他、農薬取締法に関する知識も付けなければなりません。

4.セキュリティドローン操縦士

警備業においても、警備員の代わりとしてドローンが活用されています。

例えばセコム株式会社では自動制御システムにより飛行するドローンで侵入者を撮影したり、ドローンに施設内を巡回させてリアルタイムに映像を撮影するといったサービスを提供しています。

今後もドローンの警備業参入に向けた動きは加速していくことが見込まれますが、予めプログラミングしたドローンを飛行させるケースが多くなると思われるため操縦士の求人数は多くないでしょう。

5.ドローン操縦の講師(インストラクター)

ドローンスクールに所属、または自分でスクールを開校してドローン操縦の指導を行う仕事です。

受講生に対してドローンの関連知識や操縦技術を教えるため、当然ながら正しい知識と高い操縦技術を持っていることが前提となります。

JUIDAやDPAなど国交省認定の管理団体によるインストラクター資格を取得しておくと、資格取得を狙える講習の実施が可能となり受講生からの需要も高まります。

6.ドローンエンジニア(プログラム開発)・設計

ドローンを操縦する側ではなく、開発・設計する側として活躍できる職種です。

社会的ニーズを考慮しながらどのようなドローンを開発するか企画し、ドローンの機体やプログラム設計を行います。

ドローンエンジニアになるための必須資格はありませんが、ソフトウェア開発にはC言語やC++、Pythonなどのプログラミング言語、ハードウェア開発には航空工学や電子工学などの専門知識が必要になります。

7.ドローン整備士

ドローンの機体に関する技術を正しく理解したうえで、安全な飛行が可能となるように整備する仕事になります。

現時点では日本モータースポーツ専門学校大阪校にて二級整備士取得を目指すことができる他、DPAでも整備士資格の新設が予定されているようです。

8.その他

上記以外にも物資の運搬や配達、災害現場の検証、救助活動におけるドローンの活躍も期待されています。

現在は法規制の関係もありこのような分野へのドローン参入は難しいですが、2022年に実施予定の航空法改正を機に参入への動きが本格化すると考えられます。

なお、楽天グループ株式会社ではすでにドローンを活用した配送事業の求人も実施しているようです。

今後はドローン関係の求人情報がさらに増えていき、職種の選択範囲も拡大することでしょう。

【エリア別】ドローンに関する仕事の求人数はどれくらい?

実際に現時点で掲載されているドローン関係の求人情報は、どれくらいあるのでしょうか?

全国のエリア別に調査をしてみました。

※2021年11月現在・「indeed」を参考に調査

【関東エリア】

東京のドローン求人数

東京都の場合、ドローン関連の求人情報は約1,600件掲載されていました。

具体的には、以下のような職種の求人情報となっています。

●求人情報例

スクロールできます
動画メディアの企画・制作スタッフ月給:18万~22万円
ドローンパイロット教育研修担当者月給:35.1万円
ドローンを操縦しての建築現場調査(営業管理職)月給:40万~60万円
ドローンインストラクター月給:25万円
建物調査(業務委託)時給:1,800~2,000円
赤外線ドローンによる外壁調査年収:300万~600万円

神奈川のドローン求人数

神奈川県では、ドローン関係の求人情報は約400件掲載されていました。

具体的には以下のような職種での求人情報となっています。

●求人情報例

スクロールできます
測量スタッフ月給:28万~50万円
測量、測定、写真撮影スタッフ月給:24.5万~29.1万円
産業用ドローン、通信機器などの回路設計月給:26万~43万円
動画・静止画クリエイター年収:450万円~650万円
建物調査月給:23万~45万円
構造物非破壊検査、計測、点検月給:20万

埼玉のドローン求人数

埼玉県では、ドローン関係の求人情報が280件掲載されていました。

具体的には以下のような職種での求人情報となっています。

●求人情報例

スクロールできます
ドローン開発月給:25万~40万円
損害保険調査人(一部ドローンによる現場調査)月給:23.3万~31.9万円
測量、測定、写真撮影スタッフ月給:24.5万~29.1万円
測量業務月給:26.5万円~45万円
DJI製ドローンの修理、検査月給:20万
農業ドローン操縦、メンテナンス月給:25万~30万円

千葉のドローン求人数

千葉県では、ドローン関係の求人情報が280件掲載されていました。

具体的には以下のような職種での求人情報となっています。

●求人情報例

スクロールできます
ドローン検定員、自動車教習指導員月給:21.3万~36.3万円
ドローンの製造、検査、修理時給:1,800円
ドローンスクールインストラクター月給:22万~35万円
ドローンスクールインストラクター月給:18万円
ドローンの運用サービスに関わるソフトウェア、GUIアプリ開発年収:390万~465万円

【関西エリア】

大阪のドローン求人数

大阪府では、ドローン関係の求人情報が280件掲載されていました。

具体的には以下のような職種での求人情報となっています。

●求人情報例

スクロールできます
ドローン開発・製作月給:21.3万~36.3万円
測量士補・測量助手年収:350~750円
空撮カメラマン月給:25万円
空撮、点検、調査、営業など月給:20万~35万円
ブライダル映像プランナー(一部ドローンによる撮影)月給:23.3万円

愛知(名古屋)のドローン求人数

愛知県では、ドローン関係の求人情報が290件掲載されていました。

具体的には以下のような職種での求人情報となっています。

●求人情報例

スクロールできます
ドローンインストラクター年収:350万~450万円
測量技術者日給:350万~750万円
測量スタッフ月給:25万~50万円
産業用ドローンのハードウェア開発月給:20万~35万円

兵庫のドローン求人数

兵庫県では、ドローン関係の求人情報が約150件掲載されていました。

具体的には以下のような職種での求人情報となっています。

●求人情報例

スクロールできます
ドローン操縦講師年収(想定):450万~500万円
測量、測定、写真撮影スタッフ月給:24.5万~29.1万円
建設コンサルタント年収:400万~600万円
3次元測量月給:25万~45万円

静岡のドローン求人数

静岡県では、ドローン関係の求人情報が約140件掲載されていました。

具体的には以下のような職種での求人情報となっています。

●求人情報例

スクロールできます
ドローンによる建物写真撮影(不動産営業)月給:20万
測量士月給:23万
映像クリエイター年収:300万~450万円
ドローンのソフトウェア開発時給:1,800~2,000円

【東北・北海道エリア】

北海道(札幌)のドローン求人数

北海道では、ドローン関係の求人情報が約170件掲載されていました。

具体的には以下のような職種での求人情報となっています。

●求人情報例

スクロールできます
動物園の広告制作(ドローン空撮)時給:1,140円
測量技術者年収:300万~600万円
映像制作中のドローン監視日給:8,000円
測量技術者・測量アシスタント月給:25万~35万円
3次元測量データ計測月給:25万~43万円

宮城(仙台)のドローン求人数

仙台市では、ドローン関係の求人情報が約70件掲載されていました。

具体的には以下のような職種での求人情報となっています。

●求人情報例

スクロールできます
映像制作月給:20万円
測量業務、測量補助業務時給:1,200~1,500円
ドローン測量技術者年収:600万円
測量士補、測量助手年収:350万~450万円

新潟のドローン求人数

新潟県では、ドローン関係の求人情報が約70件掲載されていました。

具体的には以下のような職種での求人情報となっています。

●求人情報例

スクロールできます
農作業サポート月給:16万~18万円
ドローンエンジニア年収:330万~670万円
測量技師補月給:17万~25万円
測量士月給:15万~40万円

【中国・四国エリア】

広島のドローン求人数

広島県では、ドローン関係の求人情報が約100件掲載されていました。

具体的には以下のような職種での求人情報となっています。

●求人情報例

スクロールできます
測量サポート業務月給:21.6万~35万円
空撮外観検査スタッフ月給:18.5万~20万円
森林管理職員(ドローン測量)月給:18万円

岡山のドローン求人数

岡山県では、ドローン関係の求人情報が約80件掲載されていました。

具体的には以下のような職種での求人情報となっています。

●求人情報例

スクロールできます
ドローン操縦講師月給:21.6万~35万円
3次元測定・データ編集年収:400万~600万円
測量補助時給:1,300円

【九州エリア】

福岡のドローン求人数

福岡県では、ドローン関係の求人情報が約80件掲載されていました。

具体的には以下のような職種での求人情報となっています。

●求人情報例

スクロールできます
土木構造物検査・調査月給:18万~40万円
ハードウェア設計、開発年収:300万~750万円
フォトグラファー、アシスタント月給:18万~25万円

ドローンの求人から見えること

ドローンに関する求人情報を調査している中で見えてきた、企業や募集内容の傾向もまとめました。

募集会社・募集内容の傾向

1.空撮映像の撮影

ドローン空撮による撮影スタッフの求人情報は、PR映像制作会社やブライダル関連の企業が見受けられました。

単純に映像を撮影するだけでなく、Photoshopやillustratorといった編集ソフトの使用経験が求められる場合も多いです。

2.測量操縦士

測量操縦士の求人情報を掲載しているのは、主に土木・建設関連の企業です。

多くの求人では測量士や測量士補の資格が必要と記されていますが、企業によっては測量業務経験者であれば資格を持っていなくても応募可能な場合もあります。

正社員・アルバイト・派遣社員と様々な雇用形態が見受けられ、働き方については比較的幅広いと言える職種です。

3.農薬散布操縦士(薬品散布)・農業用ドローン操縦士

農薬散布のドローン操縦士に関しては、農作物の生産を行う企業による求人情報が見受けられました。

ドローンを含め、農作業に必要となる農業用機器の運転が仕事内容となっています。

4.セキュリティドローン操縦士

現時点では、セキュリティ業務におけるドローン操縦士の求人情報は見受けられませんでした。

5.ドローン操縦の講師

ドローンスクールによるドローン講師の求人情報も多く掲載されていました。

ドローンの知識や操縦についてレクチャーする仕事内容のため、大半の求人情報ではドローンの操縦経験や資格が求められています。

中にはドローンスクールも事業の一環として行っている自動車教習所もあり、「自動車教習講師兼ドローンインストラクター」という求人情報もありました。

6.ドローンエンジニア

ドローンやロボットなどの機器開発・提供を行う企業より、ソフトウェア開発およびハードウェア開発の求人情報が掲載されています。

企業によっては、ドローン操縦士の資格を取得している人を優遇する求人も見受けられました。

7.ドローン整備士

整備士としての求人情報はほとんど見つかりませんでしたが、類似する職種としてDJI JAPANの修理スタッフの求人情報が見受けられました。

専門的な資格がなくても、理系出身かつ基本的なPC操作が可能な方ならば応募可能とのことです。

募集条件に免許や資格は必須?

求人情報を出している企業や職種により必須免許・資格の有無は異なります。

測量やエンジニアなどは資格や同職種の業務経験が応募における必須条件として含まれる場合もあります。

ただし、必須免許・資格がない求人であったとしても、職種ごとに活かせるスキルを持っていれば就職活動が有利となる可能性は高いです。

未経験でもOKな求人の割合は?

具体的な数値として割り出すことは難しいですが、今回の調査を行った中でほとんどの求人情報に必須要件に経験者を含めているか、「経験者歓迎」と記載をしていました。

もちろん歓迎だけであれば未経験でも応募自体は可能ですが、それを補うには資格やスキルのアピールは重要と考えるべきです。

オペレーターとしての求人は意外と少ない。その理由とは

求人サイトでドローン関係の求人情報を検索すると、ドローンに関わる企業からの募集自体は少なからずヒットします。

とはいえ、その中でドローンの操縦のみを行う「ドローンオペレーター」を募集している情報の割合はどのエリアも少ないものです。

法律や許可などハードルが高い

すでに屋外でのドローン飛行を経験した方であればご存じの通り、日本国内では「航空法」や「小型無人機等飛行禁止法」、「道路交通法」、「民法」など様々な法律に抵触しない様注意しなければなりません。

また、法律違反とはみなされない飛行場所であったとしても、場所の管理者や所有者から許可を得なければならないなどの準備も必要です。

このように実際の飛行に至るまで法律の知識を把握したり、飛行の許可申請や交渉をしたりといった手間がかかります。

そもそもドローンを事業へ導入することについて、ハードルが高く感じる企業も多いため求人数が少ないのです。

業界自体が発展途上である

現時点では、法規制の関係上ドローンを活用することのできる分野は限られています。

また、ドローンの活用が可能な分野であったとしても業界内の企業が大きくはなく、発展途上の業界であるからこそ求人数が少ないという場合もあります。

現に空撮や農業、測量などの分野で求人情報を掲載している企業は、社員数の少ない小規模な会社が目立っていました。

個人の操縦技術などによって仕事が集中する

ドローンを使って何らかの成果物をクライアントへ提供するような仕事に就くには、ただドローンを飛ばせる技術だけもっていれば良いとは限りません。

クライアントの期待以上の成果物を生み出す発想力、それを実現するための高度な操縦技術など、特別なスキルが求められます。

特に空撮分野は競争率が高い

空撮という分野においては、個人のクリエイティブ性により仕事を依頼するか否か判断される傾向が強いです。

そのため、すでにカメラマンとして名が通っているクリエイターでなければドローン空撮を生業にしてくことは難しいと言えます。

また、空撮カメラマンとして活動するにあたり取得が必要な資格などもないため、比較的敷居の低い職種であることも競争率を高めている一因と考えられます。

今後ビジネスとしてドローンの仕事に関わるならシステム開発系がおすすめ

将来的にドローン関係の仕事に携わりたいと考えている方は、システム開発系の職種に挑戦することをおすすめします。

ドローンに限らず、今後ますます加速する情報化社会においてシステム開発を行うITエンジニアの需要は非常に多いです。

需要と比べて人手は未だ十分ではない現状のため給与も相応に高く、年収は800~1000万円にまで登るとも言われています。

開発に関わる実務経験が必須となる求人情報も多いため、操縦士よりも挑戦に至るまでのハードルが高い職種であることは否めません。

しかし、ドローンの社会実装に伴い開発職の需要は更に増え続けることとなるでしょう。

将来を見越して、今からでも開発職の経験を積んでおくと効果的です。

まとめ

ドローンに関わる仕事の種類としては、「空撮」「測量」「農業」「インストラクター」「ドローンエンジニア」が比較的多く見受けられました。

あらゆる業界において人手不足解消・業務効率化をもたらしてくれるドローンの需要は、今後も高まり続けることでしょう。

それに伴い求人数も増えていく可能性が高いですが、より将来性のある仕事に就きたい方は需要に対してまだまだ人材が不足しているドローンエンジニアへの挑戦がおすすめです。

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