ドローン使用前に電波法を知ろう!分かりやすく解説

更新日: 2021.11.22 公開日: 2017.12.03
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ドローンには電波法という法令が存在することをご存知でしょうか。
コントローラーを使って飛ばすことができる無人航空機・ドローンですが、使用時にコントローラーとドローン間で発せられる電波にも適応される法令があるのです。ドローンは改正航空法のみならず、電波法でも違反してしまえば刑罰の対象となりますので、ぜひこの機会に電波法の知識をつけてください。

 

ドローンと電波法の関係

電波は私たちの生活に必要不可欠な存在であり、無くなってしまえばドローンだけでなく、スマホやパソコン、その他の電子機器も使えなくなってしまいます。

電波は無限の資源ではなく、限界がある貴重な資源と考えられており、国によって定められたルールを守って使用する必要があります。このルールが「電波法」と呼ばれる法令です。

電波を発するコントローラーで操縦するドローンを使用した場合、その時点で無線局の開局と見なされ、総務大臣の免許が必要となります。

しかしドローンを飛ばす人たちのなかで、電波法の試験や申請をして免許を取得した人はいませんし、実際に「ドローンの電波法における免許を取得してください」と注意や警告を受けたという話も聞いたことがないと思います。

実は正規品のドローンを操縦していれば、基本的に電波法に違反することはありません。
その理由として、正規品のドローンには「電波法に適合しています」という技適マークがシールで表示されており、これが先述した総務大臣の免許として認識されているからなのです。

 

ドローンが電波法に違反するケース

ドローンで電波法違反となるのは以下の場合です。

 

ドローンを並行輸入・海外購入した場合

ドローンにおける電波法は日本独自のものですので、並行輸入または海外購入のドローンの場合、技適マークがそもそも存在しないことになります。

見た目が同じでも、購入してみたら海外のドローンだったという実例も多くあり、気づかないうちに海外ドローンを使ってしまって電波法に違反していたという場合もあります。

一番はやはり、店頭で正規品かどうかを自分の目で確かめて購入することですが、どうしても時間がないという人は技適マークが付いているかをよく確認して購入するようにしましょう。

 

技適マークのないドローンを中古で購入した場合

こちらも上記と同じく海外製のドローンを中古で購入した場合、技適マークの表示がないことがあります。事前に出品者へ技適マークが表示されているかどうか、確認をしっかり取っておくことが重要でしょう。

 

ドローンの改造を行った場合

ドローンを改造した場合は、技適マークの申請を個別で行う必要があります。しかし改造は故障や事故に繋がりかねないので、できる限りしないことをおすすめします。

 

ドローンの電波法における基準

ここまでで、技適マークの表示がある正規ドローンは電波法に違反する可能性がないことが分かりました。

それでは、ドローンにおける電波法の基準とは一体何なのでしょうか。

 

電波法の基準

ドローンを電波の発するコントローラーで操縦する場合、無線局の開局とみなされると前半で解説をしました。

そして日本では無線局を開局する条件として、無線局から発される電波の強さが一般環境において電波防護指針の規制値以下であることが定められています。ここでいう一般環境とは、人が集合・通行・出入りする場所などのことを指しています。

それでは、電波防護指針の規制値以下とはどのような状態のことなのでしょうか。

 

電波防護指針とは?

人体に影響を及ぼすレベルの電波の強さを世界各国で60年以上に渡って研究・導き出し、危険と考えられる最低限の数値のさらに約50倍の安全率を保つ低い数値をボーダーラインとしたものが電波防護指針とされています。

電波防護指針の規制値以下ということなので、このボーダーラインに達していないレベルの電波を使用することが、無線局を開局する条件となります。

海外のドローンなどは技適マークがそもそも存在しないため、使用してしまうと日本では違法となってしまいますが、それに加えて海外のドローンは電波が強く、指針の数値を超えてしまうものや、日本で認可されていない周波数帯を使用するものが存在するため、危険性があるとみなされ、禁止されているのです。

 

電波の危険性

電波に危険性があるといわれても、あまりピンと来ない方もいらっしゃるかと思います。
ドローンでも電波の強さによっては人間や電子機器に悪い影響を及ぼす可能性があり、この危険を回避するためにドローン操縦者は電波法を守る必要があります。

よくある例として、植込みタイプのペースメーカーが挙げられるでしょう。電車の優先席付近では電子機器の電源オフが義務付けられていますが、これは電子機器の発する電波によって植込みタイプのペースメーカーが妨害され、狂ってしまう場合があるためです。

また、航空機や医療機関などの近くでも強い電波を発してしまうと電波同士が混乱してしまい、機器トラブルが発生する危険性が高いため、ドローン操縦者には電波法に基づいた電波の適切な運用が必要とされるのです。

以上、ドローンの電波法について分かりやすく解説しました。ドローンと電波法の密接な関係がお分かりいただけたでしょうか?

ドローンは改正航空法のみならず電波法でも違反してしまうと逮捕・罰金の対象となってしまいます。

難しいことばかりでドローンは面倒と感じる人もいらっしゃるかと思いますが、画期的な技術であるドローンだからこそ、これだけ多くの法令が関わってくるといえるでしょう。

難しいからと諦めず、正しい知識を持って、ドローンのスペシャリストを目指してください。

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