現在のドローン技術の動向とは?産業・軍事・ホビードローンの現在と将来

更新日: 2021.11.24 公開日: 2017.11.21
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ドローン市場は、フィンテック(金融×IT)やVRと肩を並べる、巨大な可能性を秘めたマーケットです。特に、ドローン技術の利活用については世界各地で発展が続けられています。

本記事では、ドローン技術の発展の経緯から、市場規模の現在と将来性、産業用ドローンが活躍する業界などについて解説していきます。

 

軍事用途から始まったドローン技術、産業用途やホビー用途に拡大を続ける

ドローンは、もともと軍事用無人航空機として、第二次世界大戦中に開発されていたのがきっかけとされています。実用化に至ったのは戦後数十年後でしたが、70年以上の長きにわたって研究が続けられてきた分野なのです。

現在では軍事利用だけでなく、ドローンが一般に認知されるきっかけとなった商用ドローンや、さまざまな産業用ドローンなどが技術開発されています。

 

2015年のドローン世界市場規模は1兆2,410億円

矢野経済研究所の報告によると、2015年のドローン世界市場規模は1兆2,410億円と発表しています。うち8,357億円は軍事用ドローン、民間用ドローンは4,053億円が民間用ドローンです。ドローンの技術革新によって、市場規模は年平均12.9%の拡大を続けており、2020年には2兆2千億円に達する見込みとされています。


画像引用:矢野経済研究所 ドローン(UAV/UAS)世界市場の調査を実施(2016年)

軍事用では偵察機や戦闘における無人機の有用性が高く、成長を続けてきた分野でもあります。2021年までには、アメリカが全航空機の3分の1を無人機に置き換える予定と発表しているほか、小型の偵察機などはイスラエルがドローン市場を席巻しています。

 

軍事からの技術転用がすすむ産業ドローン、今後の規制次第のホビー向けドローン

一方、民間用のドローン市場は、独自にドローン技術を開発して拡大を続けています。

民間用ドローンに搭載されているモーションセンサーをはじめとする姿勢制御技術や、GPS利用によるトラッキングシステムなどのドローン技術は、もともと軍事用ドローンに搭載されていたものです。

しかし、産業向けに改良されたことによってドローンを民間で実用的に利用し、操縦者のドローン操縦技術依存度を軽減させることが可能となりました。

私たちが最もよく目にする商用ドローンでもこの技術は使われており、さまざまな活用法、楽しみ方の実現につながっています。ホビー向けドローンは、世界規模でまだまだ法整備が途上段階にありますので、これからの規制緩和次第で成長速度の拡大にも期待が高まります。

このように、軍事・産業・ホビーの3方向で成長を続けるドローン市場ですが、このうちもっとも成長が見込まれているのは産業分野です。具体的に、どのような業界・分野に技術利活用が進められているのでしょうか?

 

市場規模が拡大し続ける産業用ドローン、国内でもドローン技術開発が進む

矢野研究所によると、2015年の民間ドローンサービスの世界市場規模は220億円であり、2020年には2,233億円まで成長する予測です。ここまでの規模で成長を続ける背景には、すでに数多くの分野でドローンの技術活用・実用化が進められているという事実があります。


画像引用:矢野経済研究所 ドローン(UAV/UAS)世界市場の調査を実施(2016年)

日本は、この産業用ドローン開発に、いち早く取り組んできた国です。1987年に、ヤマハが世界ではじめて産業用無人ヘリコプターを開発・販売したのをきっかけに、農薬散布用ドローンなどが次々に実用化、各地に導入されていきました。

MM総研によると、そんな国内でのドローン市場規模は、2016年には404億円の見通しであり、2021年には国内のみで1,676億円にまで達する見込みです。


画像引用:MM総研:ドローン国内市場規模調査

そんな将来性を持つ産業用ドローンですが、現在ではどのような分野でのドローン技術活用が見込まれているのでしょうか?

簡単に紹介していきましょう。

 

廉価で空撮映像が撮影可能、測量や監視システムも実用化

たとえば、最も早く思いつくのは空撮です。これまで、セスナやヘリコプターでの有人飛行で撮影していた高コストの航空写真を、数万円程度で個人が撮影できる時代になりました。この恩恵は非常に大きく、プロモーションビデオをはじめ、さまざまな商用映像にドローンの空撮映像は利用されています。

その他にも、有人では立ち入りにくい場所の観測、屋根の上や巨大施設の点検など、作業員のリスクを減らし、人件費も緩和できるとして、建築業界などに積極的にドローン技術は投入されています。

ほかにも、災害時の空撮、現場のマップ作成などにドローンチームが結成される他、米Amazonは、「Prime Air」と呼ばれるドローン配送サービスの実用化に向けてテストを開始するなど、第一次産業・第二次産業へのドローン活用は急速に進められています。

参照:Amazon Prime Air’s First Customer Delivery

 

まとめ

軍事用途から開発が始まったドローン技術は、2015年に軍事・産業・ホビーの3つの方向で、独自に市場規模の拡大を続けています。特に、産業分野では空撮・観測・監視・配達・災害救助など、数え切れないほど多くの業界で活用が進められています。

ドローン技術はまさに、「空の産業革命」であることは間違いないでしょう。

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