初心者向けドローンとしての定番機種である「Tello」は、Ryze Tech(ライズテック)というメーカーから販売されています。
TellはDJIやIntelといった有名企業から技術提供を受けていることは知られていますが、Ryze Techという会社について理解している方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、Ryze Techの会社概要やTelloの後継機となる新製品情報の有無などを解説いたします。
- Ryze Techとは
- Ryze Tech製ドローンの特徴
- Telloとは
- Ryze Techの新製品情報
Ryze Techとは
Ryze Tech(Ryze Technology)とは、2017年に中国の深圳で設立されたテック系スタートアップ企業です。
中国の最大手ドローンメーカーであるDJIや、世界的に有名な半導体素子メーカーIntelから技術提供を受けて開発・販売をしているドローン「Tello」で有名な企業でもあります。
Ryze Techは「遊び心こそ学びの最大の基盤」という考えのもと、大人だけでなく子供もドローンで楽しく学べることをコンセプトにTelloを開発したといいます。
また、Scratchプログラムをシステム統合したコンパニオンアプリで、ドローンの操縦だけでなくTelloを通したプログラミング学習も可能としています。
Ryze Tech製ドローンの特徴
2023年2月現在、Ryze Tech社から販売されているドローンは「Tello」を含む3種類です。
DJI公式サイトの他、DJIの正規販売代理店やAmazon・楽天市場などのECサイト、家電量販店で購入することができます。
通常のTelloにおいてはAmazonで1,000件以上、Googleでは2,700件以上ものレビューが国内外から寄せられており、どちらも総評で星4つ以上という高い評価を得ています。
Ryze Tech製のTelloは、大人から子どもまで世界各国のドローンユーザーに親しまれている初心者向けドローンの決定版的立ち位置なのです。
Ryze Techを代表するドローン「Tello」とは
Telloは、DJI製のフライトテクノロジーとIntelプロセッサを搭載しているトイドローンです。
世界最先端の技術を統合しているからこそ、Telloには以下のような長所があります。
バツグンの飛行安定性
Telloは、機体重量が100g未満の軽量なトイドローンです。
日本に置いて100g未満のドローンは機体登録が不要かつ航空法の規制対象外とされるため、初心者にとってハードルが低いというメリットがあります。
その一方で、軽量なドローンはどうしても風の影響を受けやすく、屋外で飛行させると安定したホバリングが難しいという点はデメリットです。
しかしDJIのフライトテクノロジーを搭載したTelloは正確な自動ホバリング機能を備えており、屋外でも優れた安定性を発揮します。
ホバリング操作につまずきやすい初心者でも、簡単に扱うことができます。
安全機能が充実している
Telloの機体底面には「ビジョンポジショニングシステム」が搭載されており、ワンタッチ操作で自動的に離着陸します。
万が一操作にもたついてしまい、制御が難しくなっても簡単にドローンの動作を中断することができます。
また、バッテリーの電圧低下時にアラートで警告する機能や、送信機との接続が切れると自動的に着陸する機能など、安全機能が充実しています。
初心者でもハイクオリティな空撮ができる
Telloには画素数5MPの高性能な小型カメラに加え、「EIS」という電子式映像ブレ補正機能が搭載されています。
飛行の安定性も相まって、ドローンの操縦に慣れていない方でも滑らかかつ鮮明な映像を撮影することが可能です。
また、ホバリングを保ちながら被写体の周りを自動飛行する、上下に自動飛行する「バウンスモード」機能など、多彩なフライトモードが搭載されています。
高度な操縦をしなくても、あらゆるアングル・カメラワークで思うままの映像を制作することができます。
FPV飛行にも対応している
FPVとは一人称視点を意味する言葉で、ドローンにおいては機体が飛行中に撮影している映像をリアルタイムで確認できる機能のことを指します。
FPV機能を使用しながらドローンを飛ばすと、まるでドローンのコックピットに乗っているような感覚で迫力満点の飛行を体験できます。
TelloはFPV飛行にも対応しており、別売りのスマートフォン用VRゴーグルを購入すればTelloの視界で飛行を楽しむことが可能です。
プログラミングも可能
機体に搭載されたIntelの技術により、Telloはプログラミングをすることもできます。
子供向けのプログラミングアプリから、ソフトウェア開発キットを用いた本格的なプログラミング学習まで幅広いツールに対応しており、子供も大人も楽しくプログラミングを学ぶことが可能です。
無償でドローン保険に加入できる
Telloの購入者は、「Tello無償付帯賠償責任保険」という専用の保険に1年間無料で加入することができます。
Tello無償付帯賠償責任保険とはエアロエントリー株式会社が提供しており、Telloの対人事故や対物事故で生じた賠償責任を補償してくれる保険です。
ドローンは操縦ミスなどが原因で、第三者やその所有物に損害を与えるリスクが付いて回ります。
場合によっては多額の賠償金を請求されるリスクもあるため、個人的な趣味目的でも保険に加入しておいて損はありません。
さらにTelloの保険は示談交渉サービスも付帯しているため、事故の際は保険のプロが被害者とのやり取りを代行してくれます。
専用アクセサリーが豊富
Telloには、機体のカスタマイズを楽しめるアクセサリー類が豊富に販売されています。
プロペラの他、脱着可能な機体トップのカバーは3種類販売されており、自分好みのカラーリングにカスタマイズすることが可能です。
また、トップカバーやプロペラの脱着をしたくない方でもカラフルな保護フィルムでデザインを替えることができます。
他にもドローン本体をプロペラごと覆う形状のプロペラガードも販売されており、本体と併せて購入すれば屋外で操縦する場合や子供に操縦させる場合も安心です。
Ryze TechのTelloには派生モデルもある?
Ryze Techでは通常のTelloとは別に、「Tello アイアンマンエディション」や「Tello EDU」という2種類の別モデルも販売しています。
TelloとTello アイアンマンエディションの違い
Tello アイアンマンエディションは、世界的に大人気の映画「アイアンマン」をモチーフとした機体デザインが特徴的なモデルです。
基本的な飛行性能・カメラ性能・安全性能は通常のTelloと同様ですが、「Tello Heroアプリ」に対応しているという違いがあります。
Tello Heroアプリはアイアンマンの世界観を模した仕様となっており、「ミッションの攻略」という形で基本的な操縦方法を学べることが特徴です。
さらにTello EDU専用アプリやSwift Playgroundsアプリ、Pythonやビジュアルプログラミング言語Scratchにも対応しており、プログラミングで飛行を制御することも可能です。
なお、現在は日本国内での販売は行われていないモデルとなっています。
TelloとTello EDUの違い
Tello EDUもTelloと同じ基本性能を備えていますが、ソフト面において大きな違いがあるプログラミング特化のモデルです。
通常のTelloを操作する場合、機体に内蔵されたWi-Fiをスマートフォンやタブレット端末と接続するため、1台のTelloにつき1台の端末が必要でした。
一方でTello EDUはWi-Fiルーターへの接続が可能なため、1台の端末から複数のTello EDUを制御することが可能です。
また、Tello EDUは「Scratch」に加え、「Swift」や「Python」という2種類のプログラミング言語にも対応しています。
通常のTelloも有志によるバイナリーコマンドの解析で使用可能となっていましたが、Tello EDUに限り公式サポートが行われているため安全に使用することができます。
Tello EDUには付属品として「ミッションパッド」と呼ばれる、プログラミングのサポートアイテムもあります。
飛行経路上にパッドを置くことで、高度変更やアクロバット飛行などの複雑な動きも簡単に実現できるため、飛行制御における楽しみ方の幅が広がります。
Ryze TechからTelloの後継機は出る?
2023年2月現在、Ryze Techにおける新型のTelloは「Tello EDU」となっています。
通常のTelloの後継機となる新製品の情報は公表されておらず、今後発売される可能性も予測できない状況です。
現状として、Telloは発売開始から5年経過してもなお初心者向けドローンとして高い人気を誇ります。
それだけに後継機の登場を望む声も少なからず見受けられるため、Ryze Techがユーザーの期待に応える日は来るのか、今後の動向も注目したいところです。
Ryze Techに関するよくある質問
最後に、Ryze Techに関してよくある質問を回答と一緒にまとめました。
Q1.Ryze Techの会社概要を教えてください
Ryze Techは、「Ryze Technology」という中国の深圳市に設立された企業のブランドです。
中国最大手のドローンメーカー「DJI」と、世界最大手の半導体素子メーカー「Intel」と提携し、Telloという初心者向けドローンを開発・販売しています。
Q2.Ryze Tech製「Tello」の概要を教えてください
Telloは、DJIのフライトコントローラーにより優れた飛行安定性を発揮するカメラ付きドローンです。
重量は80gと軽量で、日本の航空法で定められた規制対象外となるため、初心者でも複雑な手続きなしで簡単に飛行させることができます。
さらにIntelの技術を採用したことでプログラミングにも対応可能となっており、専用アプリを使ってプログラミングによる飛行制御を行えます。
Q3.Ryze Tech製「Tello」の飛行時間はどれくらいですか?
Telloの最大飛行時間は最大13分間で、トイドローンとしては十分な飛行時間と言えます。
Q4.Ryze Tech製「Tello」のカメラの解像度はどれくらいですか?
Telloのカメラ解像度は1280×720 30fpsのHD画質、画素数は500万画素となっています。
静止画と動画のどちらにも対応していますが、ズームは不可能です。
Q5.Ryze Tech製「Tello」の取扱説明書はどこで見られますか?
Telloの取扱説明書は製品に付属していますが、公式からPDF形式の取扱説明書も公開されています。
まとめ
DJIとIntelの技術が融合した、初心者向けドローン「Tello」の開発・販売を行っているRyze Tech。
通常のTelloが広く知られていますが、他にも「Tello アイアンマンエディション」や「Tello EDU」というモデルも展開されています。
Ryze TechのTelloは自動ホバリング機能による優れた飛行安定性と、多彩な飛行モードによるカメラワークで初心者でも気軽に空撮を楽しむことができます。
また、プログラミングにも対応しているためプログラミングを学びたい子供へのプレゼントにも最適です。
これからドローンの操縦練習や空撮を始めたい方は、1万円台のトイドローンとしては多機能かつ高品質なRyze TechのTelloをぜひチェックしてみてください。
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