ドローン少年が起こした事件から考えるマナーとモラル

更新日: 2021.11.23 公開日: 2017.06.27
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ドローン飛行は航空法によって規制されており、特に首都圏などの人口密集地区では事前の許可申請が必要である。しかし、もしも不審な人物が、「ドローンを飛ばす気は無かった」と、ドローンを片手に飛行禁止の場所にいたとしたら――。

ドローン少年について

先日、17歳の少年がマンションに無断で侵入した罪で逮捕された(「17歳「ドローン少年」逮捕 「性の悦びおじさん」宅に侵入して動画配信」)。いち少年の無断侵入を当メディアで取り上げたのは、彼が「ドローン少年」という名で知られているからである。

少年は2015年5月9日、長野県善光寺の法要中にドローン墜落の事故を起こし、口頭で注意を受けた。そして21日の東京・浅草の三社祭でドローン飛行をインターネットに配信した動画で示唆したことで、威力業務妨害で逮捕されている。

少年は善光寺の事故の後から、三社祭の間に都内の数ヶ所でドローンを飛ばそうとし、たびたび警察から厳重注意を受けている。この時点では航空法の改正前だったため、ドローンは規制対象外だった。

そこで三社祭では、警察は少年のドローン飛行の示唆を「犯罪予告的」だと解釈して威力業務妨害を適用したようである。事実、人の多いイベント時に万が一ドローンの墜落事故が起きれば、惨事となることは想像に難くない。

三社祭のようす

他方、逮捕された少年の言い分は「ドローンは確かに所持はしていたが、飛ばすとは言っていない」というもの。

現行の改正航空法では、もちろんイベント時のドローンの上空飛行は禁止されているし、公園や重要文化財の敷地内の各条例でドローン飛行を禁じているところも多い。

先のような言い分への対策のために「この場所ではドローンの飛行を禁ずる」のみならず「この場所ではドローンの持ち込みを禁ずる」とまで言わなければならないのだろうか?

ドローン少年の起こした一連のドローン事件について振り返ってみると、これがルールではなく、マナーやモラルの問題であることがよくわかるだろう。

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