ただ飛ばすだけでなく、機体に内蔵されたカメラで写真や映像を撮影する「空撮」に挑戦しようとドローンを始める方も多いはずです。
とはいえ、カメラを内蔵したドローンは撮影性能が限られているだけでなく、他のドローンよりも比較的価格が高いという欠点があります。
そんな欠点を解決しつつ、気軽にドローンの空撮を楽しむのであれば「Gopro」をドローンに付けるという手段がおすすめです!
本記事では、「そもそもGoproとは何か」という基本的なポイントからドローンにGoproを付けるメリット・注意点、ドローンにGoproを付ける方法などを徹底解説いたします。
これからドローンを使った空撮にチャレンジする方にとって有用な情報となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
- Goproとは?
- Goproのカメラをドローンに装着するメリット
- Goproのカメラを手持ちのドローンへ装着する際の注意点
- GoProをドローンにつける方法
Goproとは?
「Gopro(ゴープロ)」とは、アメリカに拠点を構えるウェアラブルカメラやカムコーダのブランドです。
激しく動くアクションシーンや壮大な景色を臨場感あふれる映像として記録したい場合などに最適な、高機能・小型のカメラを複数展開していることが特徴です。
どのカメラも手のひらに収まる程度のサイズ感ですが、小柄な見た目とは裏腹に4K画質映像や1秒間に240フレームのハイスピード映像などの撮影も可能とする優れた性能を秘めています。
一般的なデジタルカメラを圧倒する性能を発揮しつつ扱い方が簡単なため、プロのカメラマンから趣味で写真・映像制作を楽しむアマチュアまで幅広い層に支持されているのです。
Goproのカメラは自身の体や自動車・バイクといった乗り物だけでなく、ドローン本体に取り付けて空撮を楽しむこともできます。
自分では立つことが難しい場所からの視点からの撮影も、Goproがあれば容易に実現可能です。
以前はGoproはドローンも販売されていた
現在は購入不可となっていますが、以前はGoproから「Karma」というオリジナルのドローンが販売されていたこともありました。
Goproのカメラに対応しておりハイクオリティな映像を撮影できること、操作性が良いことなど複数のメリットがある一方、飛行時に思わぬタイミングでパワーを失うトラブルなどが原因でリコール問題が発生してしまいます。
Karmaが発売された当時からドローン市場においてDJIが圧倒的な競争力を備えていたことも相まって、Goproはドローンビジネスから撤退する形となりました。
Gopro「Karma」の特徴は?
「Karma」と呼ばれるそのドローンは、以下のGoproカメラを装着して飛行させることが可能です。
- GoPro Hero5 Black/Session
- GoPro Hero4 Black/Silver
ワンタッチで簡単にカメラを着脱することができ、付属のグリップに装着すれば手持ちカメラにもなります。
機体を操縦するコントローラーは液晶一体型となっていることも特徴で、ドローン初心者でも簡単に使いこなすことができる操作性と評価されていました。
Goproの特徴
Goproカメラは「一人称視点で臨場感あふれる映像の撮影も容易」、「防塵・防水設計なため様々な場所で撮影を行える」といった、アクションカメラとしての基本的なメリットも押さえています。
さらにGoproカメラならではの特徴として、「操作性の良さ」や「超広角レンズによる人の視界そっくりな写真・映像の撮影が可能」という点も挙げることができます。
また、Goproはカメラ本体だけでなく付属品・別売り品ともにアクセサリーのラインナップが非常に豊富です。
Goproのカメラを手持ちのドローンへ装着するメリット
先述の通り、Goproはドローン本体に装着のうえ空撮を行うことも可能です。
Goproカメラをドローンに装着すれば、カメラ性能が弱いドローンやカメラが内蔵されていないドローンでもプロのようなクオリティの写真・映像を制作できるというメリットがあります。
Goproカメラと同等の性能を備えたカメラ付きのドローンの価格は10万~20万円程度が相場となっており、初心者が購入するにはハードルが高いものです。
しかしカメラ性能が弱いドローンまたはカメラなしのドローンは1万円前後で販売されていることも多いため、Goproカメラと併せて買っても比較的安く済む場合があります。
すでにドローンまたはGoproカメラを持っている方であれば、よりコストパフォーマンスの高さを実感できることでしょう。
Goproのカメラを手持ちのドローンへ装着する際の注意点
Goproカメラをドローンへ装着するにあたって、「航空法」の規制に注意が必要です。
航空法では100g以上のドローンを規制対象となる場所や方法で飛ばす場合、事前に国土交通省へ飛行許可申請を行わなければなりません。
どんなに軽量なドローンでもGoproを装着すればほぼ確実に総重量が100gを超えるため、あらかじめ航空法の規制内容について学んでおく必要があります。
また、場合によっては道路交通法や各自治体が設けた条例などに抵触する恐れもあるため、マナーを遵守した飛行を意識することが大切です。
不安な場合は、飛行場所に関係する機関や管理者などに確認しておくことをおすすめします。
GoProをドローンにつける方法とは
Goproカメラをドローンに装着する方法としては、「マウントで付ける」「バンドや輪ゴムで付ける」という2通りがあります。
方法1:マウントでつける
ドローンの機種によっては、Goproカメラに対応したマウントが最初から搭載されていることがあります。
機種ごとに対応しているカメラは異なりますが、アクションカメラが装着可能な旨が製品情報に記載されている場合はGoproに対応している可能性が高いです。
マウント付きのドローンはカメラの装着が簡単なだけでなく、装着しながらの飛行も安定しており安心して空撮を行うことができます。
Goproを活用した空撮を前提にドローンを購入する場合は、マウント付きのドローンを選ぶと良いでしょう。
アクションカメラ装着可能なドローン
アクションカメラの装着に対応している主なドローン機種と、各機種の特徴をご紹介いたします。
3DR社 Solo
以前はドローンブームの発端となった企業として知られていたアメリカのドローンメーカー、3D Robotics(3DR)製ドローンです。
DJI製の有名ドローン「Phantom」に似た機体デザインが特徴的で、付属のマウントにはGoproの「Hero」シリーズなどのカメラを装着することができます。
さらにコントローラーや専用のアプリから装着したGoproの操作、ドローン本体とジンバル両方の自動化が可能となっており、初心者でも操縦に手間取らない優れた操作性もSoloの大きな特徴です。
ただし3D Roboticsは現在ハード面の製造・販売事業から撤退しているため、Soloも購入不可となっています。
DJI社 Phantom4
世界でトップクラスの競争力を持つ中国の大手ドローンメーカー、DJIにおける代表的なドローンです。
別売りのアクセサリで、Goproなどのカメラを装着することができます。
Phantom4には「Pro」「Pro+」「Advanced」「Pro Obsidian」など様々な派生モデルが展開されており、各モデルに搭載されている機能や内蔵されているカメラのスペックが異なります。
基本的に空撮や点検、測量などの業務活用を前提に開発されており、飛行時の安定性は勿論障害物感知センサーによる優れた安全性もPhantom4の強みです。
ハイテック社 eye one extream
国内に本社を構えるラジコン製品輸入販売企業、ハイテック社製の小型ドローンです。
2014年に発売されて以来、現在もAmazonの公式ショップなどで販売が続いているロングセラー商品でもあります。
リーズナブルなホビードローンでありながらGoproカメラの装着に対応しており、別売りの「エアリアルキット」という専用アクセサリーを用意することで簡単に装着することができます。
ブラシレスモーターによるパワフルな飛行が可能な一方、コントロールに慣れを要するため中~上級者の方におすすめな機種です。
DJI社 DJI FPV
FPVに対応したドローン本体・コントローラー・FPVゴーグルがセットになった機種です。
従来のFPVドローンとは違い、自分でパーツを組み立てたりパラメータを調整する必要がないため初心者も気軽にFPV飛行に挑戦することができます。
DJI FPV専用のGoproマウントが別売りされており、併せて用意すればGoproを使った空撮も可能です。
ただしDJI FPV本体も最大4K/60fpsの映像撮影に対応したカメラや有効画素数12MP,1/2.3インチCMOSセンサーを搭載しており、そのままでも十分に美しい写真・映像を撮影することができます。
機体の下部に内蔵されている本体カメラと、機体の上部に装着するGoproカメラとでは視点が異なり映像の見え方にも差が出るため、その違いを楽しんでみても良いでしょう。
DJI社 Mavic air
アーム部分を折りたたみ、スマートフォンほどのコンパクトなサイズで持ち運びができる軽量な空撮ドローンです。
初心者でも安定した飛行を行いやすく、障害物自動回避機能やスマートフォンからワンタップ操作で自動飛行が可能な機能など多彩な機能を搭載している点が魅力です。
Mavic airにはサードパーティ製の専用カメラマウントを用意することで、GoproカメラやInsta360のカメラ「ONE R」「ONE X2」の装着が可能になります。
DJI社 DJI mini2
「DJI mavicシリーズ」の改良版で、本体内蔵のカメラ性能や動力性能が向上している機種です。
最新モデルとして「DJI mini3」も販売されていますが、軽量かつコストパフォーマンスの高い2の方が初心者でも安心して扱えることでしょう。
DJI mini2の専用カメラマウントが別売りされており、Goproカメラをはじめ「Osmo Pockt」や「DJI Pocket2」などのアクションカメラが装着可能です。
その他
上記の他、以下のドローンでも専用マウントなどを用意することでGoproカメラの装着が可能になります。
- DJI Mavic air 2
- DJI Mavic 3
- DJI AVATA
- BETAFPV Beta85X
- CHASING M2(水中ドローン) など
マウントを購入する場合の選び方
ドローン用のGoproマウントを購入する場合、必ずそのマウントが対応しているドローン機種とカメラの種類を確認しておきましょう。
また、各ドローンにはペイロード(最大積載量)が決められており、ペイロードを超える重量の装備品は飛行の安定性に影響が及ぶ恐れもあります。
カメラと重量を合わせても手持ちのドローンに支障が出ないか、留意しながらマウントを選ぶことをおすすめします。
方法2:バンドや輪ゴムなどを使用して取り付ける
カメラマウントがないドローンにGoproを装着したい場合、代用としてバンドや輪ゴムなどでカメラを固定するという手もあります。
ただしマウントがないドローンは最初からカメラを装着しないまま飛行させることを前提に設計されており、バンドや輪ゴムも専用マウントほどの安定感には期待ができません。
そのためカメラがブレたり飛行中に落ちたりすることがないように、十分に注意しながら装着することが大切です。
また、装着できたからといって機体がカメラを持ち上げることができるとは限りません。
必ず低空飛行で何度かテストを行い、安定性を確認したうえで本番の空撮に臨みましょう。
なお、以下の動画はDJI sparkにGoproカメラを輪ゴムで括りつけて飛行できるのかどうかを実験したものです。
撮影は成功したものの過積載で飛行が不安定になり、途中で機体を回収しようとして操縦者が怪我を負ってしまっています。
上記のような失敗例があることも加味して、マウント以外の方法でカメラを装着するかどうかを検討しましょう。
まとめ
高性能で幅広いシーンの撮影に活躍するGoproは、趣味で写真・映像制作を楽しむアマチュアだけでなくプロのカメラマンからも親しまれているアクションカメラを生み出すメーカーです。
近年はハイスペックなカメラを内蔵した空撮ドローンが多く出回っていますが、コストが高く初心者には手が出しにくいというデメリットもあります。
そこでリーズナブルなカメラなしドローンやカメラ性能の弱いドローンを購入し、Goproカメラを取り付ければ比較的コストを抑えつつハイクオリティな空撮が可能です。
Goproカメラをドローンに取り付ける際は専用のマウントまたはバンド・輪ゴムといった代用品で固定する方法がありますが、安定性を考慮すると専用マウントの使用がおすすめです。
法規制や安全面に注意しつつ、手持ちのドローン・Goproカメラを活用してプロ並みのハイクオリティな作品制作を楽しんでみてはいかがでしょうか。
この記事と一緒によく読まれている記事
-
ドローンショーの仕組みを解説!演出や操縦はどうやっている?
-
ドローンを使ったスマート農業を解説!農業用ドローンの主な用途とは?
-
ドローンの免許(国家資格)の取得には年齢制限がある?何歳から取得できる
-
水中ドローンの操縦に免許は必要?水中ドローンに関する資格を解説
-
ドローンの操縦に無線技士の資格は必要?必要なケースや資格の取得方法を解説!
-
ドローン測量管理士とは?新しく登場したドローン測量の資格を取得する方法を解説!
-
海でドローンを飛ばす際の規制や必要な許可申請は?海で飛ばす時のルールを解説
-
ドローン国家資格の取り方を解説!取るまでの手順や取得期間はどれぐらい?
-
ドローン国家資格の難易度は高い?試験の合格率や勉強時間はどれぐらい?
-
ドローンを使った橋梁点検とは?メリット・デメリットや橋梁点検で使用される新技術を解説!
-
ドローンの目視外飛行は飛行許可が必要?目視外飛行を行う条件や練習方法を解説!
-
100g未満のドローンを飛ばせる場所を解説!チェックすべき法律や飛行ルールは?