ドローンのプロとして活躍できる分野とは?おすすめのプロ用ドローンも紹介

更新日: 2022.06.01 公開日: 2022.06.01
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法整備も進み、社会における活躍の幅が広がり続けているドローン。

操縦技術を活かし、プロのドローン操縦士として仕事がしたいと思う方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、プロのドローン操縦士として活躍できる分野をご紹介いたします。

この記事でわかること
  • プロのドローン操縦士として活躍できる分野
  • プロとして活躍するための方法
  • プロ操縦士に求められる能力・スキル
  • プロ操縦士の需要・将来性

を知ることができます。

プロとして求められる能力やプロ用におすすめのドローンもご紹介いたしますので、是非最後までご覧ください。

目次

ドローン操縦士のプロとして活躍できる分野

ドローン操縦士は、どのような分野の仕事に求められているのかを見てみましょう。

空撮カメラマン

空撮カメラマンは、ドローン操縦士としての仕事として代表的な職業です。

個人で空撮映像・写真を撮影したり、企業に所属してクライアントから発注された通りの空撮映像を制作するなど様々な形態でカメラマンたちが活躍しています。

思い通りに撮影するための操縦技能はもちろんのこと、見た人の感情を刺激できるほどの映像・写真制作におけるクリエイティビティも求められる仕事です。

ただし、空撮カメラマンとしてドローン操縦士の求人情報が掲載されていることは少なく、個人のクリエイターとして仕事を集めることも難しい傾向にあります。

元々カメラマンをしていた方が撮影技法の幅を広げるため、ドローンの操縦技術を身に付けたいという場合におすすめの仕事と言えます。

測量士

土木や建築といった分野で行う測量も、ドローンを活用するケースが増えています。

人がヘリコプターなどで上空へ移動しなくてもドローンを使えば自由かつ短時間で測量を行うことができ、上空から撮影した映像を元に図面を作成するといった方法も広まっています。

なお、測量士の仕事をするにはほとんどの場合「測量士」や「測量士補」の資格も求められます。

ドローンの操縦技能を持つ測量士の求人数は増加傾向にありますが、就職するには測量士としての専門的な知識も身に付ける必要があると認識しておきましょう。

インフラ・建物点検

インフラや建物の点検においても、人が立ち入ることのできない範囲も容易にチェックすることができるドローンが活躍しています。

ドローンによる撮影で点検を行えば、人の目で調べるよりも高効率で作業が進むのです。

最近では屋外の設備や建物だけでなく、地下や屋上、排水管の中などGPSが届かない範囲の場所においてもドローンを使った点検が行われています。

ドローンを使った点検業務については非常に求人数が増えてきており、今後もますます需要が高まっていくと考えられています。

農薬散布

農業分野では高齢化に伴う人手不足対策として、農薬散布ドローンが積極的に導入されています。

以前は手作業またはヘリコプターによる農薬散布が行われていましたが、手間がコストがかかるというデメリットも存在しました。

ドローンであれば高効率で作業できるだけでなく、ヘリよりも圧倒的にコストがかかりません。

農薬散布において専門的な資格は必要ありませんが、航空法や農薬取締法といった業務に関わる法律の知識をしっかりと身に付ける必要があります。

セキュリティ・警備

セキュリティ・警備の分野においても、ドローンの活用が期待されています。

操縦士がリアルタイムで操縦するというよりも、センサーを搭載したドローンを自立飛行させて施設内を巡回するという活用方法が考えられているため、目視外による飛行が規制されている現在はまだ実用化が難しい状況にあります。

そのため、セキュリティ・警備におけるドローン操縦士の求人数は多くありません。

ドローンに関わる法整備やドローンの開発技術が進めばセキュリティ・警備分野への実用化にぐっと近づき、ドローン操縦士の需要も高まっていくことでしょう。

物流

近年は国内外ともにドローンを使った配送サービスの実証実験が積極的に行われており、物流分野におけるドローンの実用化が着々と近づいています。

2022年に施行予定の改正航空法でレベル4の飛行が可能となれば、ドローンによる配送サービスの実施がより現実的になるでしょう。

防災・人命救助

防災・人命救助ではドローンを活用することで、山や海上、災害現場において要救助者をより早く見つけることができます。

赤外線センサーを搭載したドローンを使った人命救助訓練の実例もあり、今後は防災・人命救助の分野における実用化が期待されています。

ドローンレーサー

国内外ともに知名度を上げ続けているドローンレースにおいて、プロの競技者として活動するという手もあります。

ドローンレースは破格の賞金が用意されている大会もあるため、見事優勝できれば一攫千金も夢ではないと言われています。

ドローンレースには5.7~5.8GHzの周波数が使われているFPV対応ドローンの操縦が必須となるため、無線免許や資格は必ず取得しておきましょう。

ドローン操縦士のプロとして活躍するための方法

プロの操縦士を目指す場合、まずはどのようなことに取り組めば良いのでしょうか。

1.ドローン操縦に関する免許・認定資格を取得する

どの分野の仕事においても、ドローンをビジネス活用する場合はドローンスクールを受講のうえ免許や資格を取得しておくと良いでしょう。

現在の法律ではドローンの操縦において免許・資格の取得は義務付けられていませんが、飛行に十分なスキルがあるという証明(免許・資格)の有無で仕事の請けやすさは大きく左右されます。

クライアントまたは就職先となる企業では、ほとんどの場合ドローンの操縦に関わる有資格者が求められているからです。

また、資格を有していることで国土交通省への飛行許可申請や、空撮場所の飛行・撮影許可交渉もスムーズになるというメリットもあります。

ドローンスクールで何が学べるのか、どのようにスクールを選べば良いのかなどはこちらの記事で詳しく解説しています。

今後ドローンスクールへの受講を検討している方は、是非参考にしてみてください。

ドローンスクールの中には「プロパイロット」育成講座もある

一口にドローンスクールと言っても、基礎的な知識・技術を学ぶことができる初心者向け講座から業務におけるドローン活用に向けた専門的知識・技術を学ぶことができる上級者向け講座まで様々な種類が用意されています。

プロの操縦士を目指すなら、今後自分が目指したい仕事をするうえで必要となる知識・技術がしっかりと身に付くような講座のあるスクールを選びましょう。

2.希望する分野に必要な操縦以外の知識を身につける

空撮カメラマンであれば撮影技術、測量士であれば測量の知識…といったように、目指す仕事の分野に応じたスキルを身に付けることも大切です。

ドローンに関する資格を持っていても、特定の分野において必要なスキルがなければその仕事に取り組むことができません。

ドローンと職種のどちらも未経験から始めるという方は、より多くの勉強が必要となることを心得ておきましょう。

活躍できるのはほんの一部。プロ操縦士に求められる能力

今後ドローンの社会進出は一層加速すると考えられているものの、ドローンを操縦できれば誰でもプロとして活躍できるわけではありません。

少なくとも、プロの操縦士には以下のようなスキルも求められます。

1.高い操縦技術

プロの操縦士として活動するにあたり、大前提となる能力です。

空撮や点検などの現場ではより複雑な操縦が必要となる場合が多く、ただ上空へホバリングするだけ、円を描くだけといった基本的な動作だけでは仕事にならない可能性があります。

無理をして自分の技量に不相応な業務を請け負ったとしても、仕事のクオリティが低下してクライアントの期待に応えられないうえに事故の発生リスクも高まります。

個人的な趣味程度に留まる飛行技術を持っているだけでは、プロ操縦士としての仕事は務まらないと考えた方が良いでしょう。

2.3次元空間の想像力

空中で動くドローンの操縦は、地面を走るラジコンカーとは全く異なる操作感です。

上下左右・奥行きといったあらゆる角度を調整しながら、自分の思い通りにドローンを動かすことができる「空間の想像力」が必要となります。

特に空撮においては重要となる能力で、どのような位置・高さにドローンを飛ばせば魅力的な構図の作品になるのかを地上から想像しなければなりません。

あらゆる構図を生み出すために必要な操縦技術を身に付けていなければ、作品は単調になってしまうのです。

3.外での作業の場合は天候運

屋外でのドローン操縦は、天候に大きく左右されます。

特に雨や強風の中でドローンを操縦することは危険なため、業務に取り掛かること自体が不可能となります。

とはいえ、どんなプロ操縦士でも天候を思い通りに変えることはできずこればかりは個々の運にかかっている問題です。

プロとして活躍した場合の年収は?

ドローンのプロ操縦士として仕事に就いた場合、一般的な年収の目安は以下の通りと言われています。

  • 空撮:300〜500万円程度
  • 測量:300〜600万円程度
  • 農薬散布:300〜500万円程度
  • セキュリティ・警備:300〜500万円程度

ドローンを実用化した業務の実例が少なく、収入に関するデータもほとんど見られないため今後は上記の目安も変化していく可能性があります。

【参考】プロ操縦士におすすめのプロ用ドローン

プロ操縦士として活動するにあたり、おすすめのドローンをご紹介いたします。

【空撮】Parrot「ANAFI(PF728005)」

【空撮】Parrot「ANAFI(PF728005)」
Photo by amazon

フランスの老舗ドローンメーカーParrot製の機体です。

軽量かつスタイリッシュな見た目が特徴的で、コンパクトに折りたためるため様々な撮影場所へ持ち運びやすくなっています。

4K動画の撮影に対応しており、3軸のジンバルにより安定した撮影を行うことができます。

鮮明な解像度でありながら、柔らかな印象のある映像に仕上がるドローンです。

●基本情報

メーカーParrot
価格¥85,000~
重量320g
飛行時間約25分
最大飛行距離4000m
動画解像度4096×2160p、24fps
機能・FPV対応
・高度維持機能
・GPS・GLONASS
・障害物検知機能
・自動追尾機能
・ヘッドレス機能
・ワンキー操作(帰還、離着陸)
・自動帰還機能
・折りたたみ可

【測量】DJI「Inspire2 + X4S」

【測量】DJI「Inspire2 + X4S」
Photo by dji

Inspire2は前モデルであるInspire1の全機能を継承しながら、最大6Kの動画をCinemaDNG/RAWで撮影可能、飛行可能時間最大27分などスペックの向上が施されたモデルです。

撮影能力・フライト能力ともに優れている本体ですが、X4Sを組み合わせることによりローリングシャッター現象を抑え、測量写真に不可欠な歪みのない画像撮影も行うことができます。

また、DJIが提供している無料解析ソフト「DJI GSpro」にも対応しています。

●基本情報

メーカーDJI
価格¥396,110~
重量3,440g
飛行時間約27分
最大飛行距離2,500m(標準プロペラ使用時)、
5,000m(高地用プロペラ使用時)
動画解像度(H.264 C4K)
4096×2160 59.94p 100Mbps
機能・FPV対応
・高度維持機能
・GPS・GLONASS
・障害物検知
・回避機能
・インテリジェントフライトモード
・自動帰還機能

【建物点検】Blue innovation「ELIOS2」

原子力発電所の施設内点検に特化した、屋内点検用球体ドローンです。

放射線センサーを搭載しており、飛行しながら放射線の検知や計測ができるほか、飛行経路を3D点群マップで可視化して放射線の漏洩箇所を正確に把握することができます。

原子力発電所だけでなく、ボイラーや煙突、橋梁、下水道など様々な設備や施設における点検に対応したドローンです。

●基本情報

メーカーFlyability
価格
重量1,450g
飛行時間約10分
最大飛行距離
動画解像度4K:3840×2160
機能・高度維持機能
・姿勢制御機能
・自動位置固定機能

【農薬散布】DJI「AGRAS MG-1P RTK」

【農薬散布】DJI「AGRAS MG-1P RTK」
Photo by sekido

DJI製の農業用ドローンシリーズ「MG-1」のアップグレード版となっており、衝突防止センサーやバッテリー保護機能などの安全機能が充実している機体です。

1つのプロポで最大5機まで同時に操作することが可能で、高効率で農薬散布を行うことができます。

中でもMG-1Pは軽量かつコストも低いため、小中規模農家や初期導入コストを抑えたい農家におすすめです。

●基本情報

メーカーDJI
価格¥750,000~
重量23.9 kg
ホバリング時間約20分(最大)
最大飛行距離2,000m
噴霧システムタンク容量10L
機能・FPV対応
・高度維持機能
・GPS、RTK
・障害物検知
・回避機能
・粒剤散布装置

【セキュリティ・警備】DJI「MARVIC2 ENTERPRISE DUAL」

【セキュリティ・警備】DJI「MARVIC2 ENTERPRISE DUAL」
Photo by SkyLink Japan

MAVIC2をベースとしており、スピーカーやライト、ビーコンの搭載が可能となった産業用ドローンシリーズです。

 DUALは赤外線と通常可視カメラを合体させた機体となっており、夜間の不審者発見や不審な車両のナンバープレートの確認に役立ちます。

他にも建物外観調査や調獣害対策、太陽光パネル点検にも適している機体です。

●基本情報

メーカーDJI
価格
重量899g
飛行時間約31分
最大飛行距離6,000 m
動画解像度3840×2160@30fps
1920×1080@30fps
機能・FPV対応
・高度維持機能
・GPS
・障害物検知
・回避機能
・デュアルカメラ搭載(可視光・赤外線)

【ドローンレーサー】自作ドローンを使用していることが多い

ドローンレースの勝敗は、機体の軽さ・速さによって左右されるものです。

現在のドローンレースはルールが統一されておらず、大会やレースによって必要となる機体が異なります。

レース用として販売されているドローンもありますが、より強力なモーターを使用し、軽量かつ空気抵抗が少ない機体を自作するレーサーも多いです。

本格的なレース用ドローンを作りたいけれど、機体の自作には慣れていないという方は組み立てキットから初めてみると良いでしょう。

ドローン操縦士のプロとしての需要は?

ドローンはあらゆる分野の仕事におけるコスト・人手不足・作業の効率性といった問題解決に繋がると期待されている存在です。

2022年には改正航空法も施行され、ドローンの普及はより拡大することが見込まれることからドローン操縦士の求人数は増えていくでしょう。

今回ご紹介した空撮や測量、点検、農業といった分野だけでなく、ドローンの活用シーンがさらに増えればそれだけ操縦士の需要も高まります。

「楽天」など既に将来のドローン配送サービスを見越した業務も含む操縦士を募集している企業もありますので、今からでも求人情報を随時リサーチしておくことをおすすめします。

ドローン操縦士のプロの将来性

ドローン操縦士は、職業としてはまだまだ発展途上なため今後の可能性は無限に広がっています。

上記でも述べた通り、改正航空法によりドローンの社会実装がしやすい環境となれば様々な業界においてドローン操縦士は重宝される存在になるでしょう。

とはいえ、ドローン操縦士の需要が高まればそれを目指す人も同様に増えていき、就職やクライアント確保の競争率も上がることでしょう。

将来も安定して活躍できる操縦士となるために、高度な飛行技術はもちろん「特定の分野における専門性の高いスキル」や「クライアントの期待以上の成果物を提供するセンス」といったプラスアルファの要素を身に付けておくことが大切です。

まとめ

ドローンは今後の社会においてあらゆる分野での活躍が期待されている存在です。

そのため、優れた飛行技術・十分な知識をもつプロの操縦士に対するニーズは高まり続けることでしょう。

ドローンの操縦について未経験な方は、まずはドローンスクールに受講して資格を取得しておくことをおすすめします。

自身のスキルを分かりやすく証明できる資格の存在は、今後の仕事で大いに役立つからです。

  • ドローン操縦士は特にどういった分野で求められているのか
  • 収入はどれくらいになるのか

といったポイントのリサーチも含め、今からでも随時ドローン操縦士の求人情報をチェックしてみてはいかがでしょうか。

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