ドローンの操縦中に万が一事故を起こしたらどうしよう…
万が一の事故や紛失した場合に備えて、ドローン専用の保険があります。
保険の種類と保証内容について詳しくご紹介します。
ドローンを飛行させる以上、墜落や衝突による事故発生のリスクは避けられないものです。
万が一事故を生じさせてしまうと、多額の損害賠償を請求されてしまう可能性も…。
そんな時に、助けてくれる存在となるのが「ドローン保険」です。
今回はドローン保険の加入は必須なのか、どのような種類があるのかなど解説するとともに、補償内容を比較しながらおすすめのドローン保険をご紹介いたします。
- ドローンの保険加入は必要か
- ドローン保険の種類にはどんなものがあるか
- おすすめのドローン保険はどれか
初めてドローンを購入する方、ドローン保険選びに迷っている方は必見です。
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ドローンの保険加入は義務化されている?
近年、ドローンは個人的な趣味として楽しむことができるホビードローンからビジネスに活用される業務用ドローンまで数多くの機体が出回っています。
それに伴い、ドローンの保険も多数販売されており、「ドローンの保険加入は必要なのか?」という疑問を抱いている方も少なくないと思います。
結論、ドローンの保険加入は必須ではありません。
しかし、どんなドローンであっても、故障や操作ミスによる落下で他人や他人の財物に被害を及ぼしてしまうリスクを抱えています。
上空からドローンが落下すると、場合によっては重大な事故につながり被害者側から損害賠償を請求される可能性も充分に考えられます。
ドローンの操縦者であれば避けられないリスクと言えるため、趣味用・業務用とわずドローンを購入した際は保険に加入することをおすすめします。
ドローン保険のメリット
ドローン保険における最大のメリットは、飛行時の安心感が大幅に高まるという点です。
どれだけ高性能なドローンでも、飛行時にどれだけ周囲に注意を払っても、思わぬトラブルで人・他人の財物に被害を与えたり機体が墜落する可能性をゼロにすることはできません。
ドローン保険なら他人への被害と機体そのものの損害のどちらも補償してくれるため、万が一の事態に不安を覚えながら操縦する必要はないのです。
加入すれば保険料というコストはかかりますが、無保険状態で被害を与えたり機体が故障したりした際の損害と比較すれば大きなデメリットにはなりません。
ドローン保険の種類
一口にドローン保険と言っても、保険の種類や被保険者ごとに適した保険は異なります。
まずはそれぞれの違いについて理解しましょう。
保険の種類は2種類
ドローン保険そのものは、「賠償責任保険」と「機体保険」の2種類に分けられます。
1.賠償責任保険
賠償責任保険とは、ドローンにより他人へ損害を与えてしまったときに支払う損害賠償を補償してくれる保険です。
自動車保険の対人・対物損害賠償保険と同等の認識で捉えても良いでしょう。
具体的には、以下のようなケースで補償してもらえます。
- 対人賠償:飛行させたドローンが他人に接触し、怪我をさせた場合
- 対物賠償:ドローンで他人の所有物や公共物を損傷させた場合
- 人格権侵害:空撮映像により肖像権・プライバシー権を侵害した場合
なお、補償内容や補償金額の上限に関しては保険会社により異なります。
後述する保険選びのポイントについての項目にて詳しく解説しますが、加入前によく確認しておきましょう。
2.機体保険
機体保険とは、所持している機体そのものが被る損害に備える保険です。
補償される範囲の一例としては、以下の通りです。
- 墜落や衝突などによりドローンが破損した際の修理費用
- 飛行中に行方不明となった機体を捜索するために必要な費用
- 火災、落雷、水濡れ、盗難などにより生じた損害
ドローンの墜落により破損したり行方不明となったりするケースは多くみられます。
趣味用のドローンでも10万円以上、業務用ドローンは100万円以上する機体もあり、故障や紛失の度に買い替えることは経済的に大きな負担となります。
突然の故障に備え、加入して損はない保険です。
被保険者は2種類
賠償責任保険や機体保険は「個人向け保険」と「法人・事業主向け保険」の2つが存在し、用途によりどちらかを選ぶ必要があります。
1.個人向け
個人向け保険とは、「趣味でドローンを飛行させる場合」に適した保険のことです。
ここで注意するべきポイントは、ドローン保険による趣味の定義は「個人またはその家族程度の範囲内で楽しむもの」とされています。
そのため、趣味目的でもインターネット上に空撮した画像や動画をサイト上にアップすると、趣味の範囲を超えているとみなされ補償が適用されません。
アップした画像や映像で収益を得ていなくても趣味の範囲外として適用されないので、法人・事業主向け保険への加入をおすすめします。
2.法人・事業向け
法人・事業主向け保険とは、法人や事業主が「事業目的でドローンを使用する場合」に適した保険のことです。
保険によっては所有者以外の人がドローンを使った場合にも適用されるプランや、海外で使用した場合に適用される海外プランなども用意されています。
個人向け保険の項目にて述べた定義から「趣味」と該当する場合、保険は適用されないので注意しましょう。
ドローン保険の選び際に押さえておきたいポイント
ここで、ご自身に合ったドローン保険を選ぶためのポイントについて解説いたします。
撮影した画像をネット上に公開する場合は趣味目的でも「法人・事業向け」保険への加入を
先ほども述べた通り、例え個人的な趣味目的であったとしてもドローンで撮影した画像や動画をネット上にアップする方は「法人・事業主向け」保険への加入をおすすめします。
インターネットは不特定多数の人が閲覧できるため、個人の趣味の範囲を超えているとみなされるからです。
広告などから収益を得ていない人でも、個人向け保険の補償は適用されません。撮影した画像や動画をその後どのように利用するかをよく考えて選びましょう。
高額機体の場合には機体保険加入も視野に
機体保険は、10万円以上の高額な機体の損傷に備えて加入しておくべき保険と言えます。
ドローンの損傷や紛失はいつ起きるか予測ができず、買い替えのために急遽多額の出費が必要となる事態を避けるためにも機体保険は加入して損はありません。
保険によっては機体のみが保証されるものと、機体に搭載しているカメラまで補償の適用範囲に含まれるものがあります。
加入する場合は、補償対象の機種、範囲をよくチェックしておきましょう。
ただし、ホビードローンは逆に機体の価格よりも保険料の方が高くなるケースもあり、機体保険への加入は一般的ではありません。
紛失(ロスト)や水没・墜落のリスクが想定される場合は機体保険の加入がおすすめ
屋外でドローンを飛ばす場合、突風による墜落での衝撃や水没による故障、GPSのロスト、バッテリーの消耗など予期せぬタイミングで機体が壊れるケースは珍しくありません。そのため、機体保険への加入がおすすめです。
また、外に持ち出すことは盗難のリスクも伴います。
目を離した一瞬の隙に持ち出されてしまう可能性も考えられるだけでなく、犯人を特定しにくいことから一度盗難に遭った機体は手元に戻りにくいのです。
機体保険であれば、このような事態に陥った場合も補償されます。
ただし、盗難の補償は保険によって異なりますので、事前に確認しておきましょう。
ドローン保険は費用の安さだけが大事ではない
ドローン保険を選ぶにあたって、少しでもコストを抑えるために保険料の安さを重視して選びたいと考える方もいることでしょう。
趣味目的でホビー用の安価かつ軽量なドローンを飛ばすだけなら、墜落や接触時の被害も比較的小さいと予想できるため安いドローン保険でもおおむね問題はありません。
しかし数十万円以上の本格的なドローンは、性能が高いと同時に重量があるため、事故が起こるとそれだけ損害の規模も大きくなる可能性が高いです。
一般的にドローン保険で受けることが可能な補償額は、保険料の高さに比例しています。
つまり高額なドローンを運用する場合は、安価なドローン保険では万が一の際に十分な補償を受けることができません。
自分がどのようなドローンを使い、どのように運用したいのかを明確にしたうえで、費用だけでなく「しっかりとリスクをカバーできるかどうか」を念頭に置きながら保険を選びましょう。
比較項目チェックリスト
初めて保険へ加入する場合やドローン保険を複数の中から選ぶ際、どんなところに注目すべきか、何が必要なのかわからないという方も少なくありません。
そこで、ドローン保険を選ぶ際に注目したい項目をまとめました。
以下の項目に注目しながら比較してみると良いでしょう。
補償金額
保険を選ぶうえで最も重要と言える項目が、補償金額の範囲です。
ドローンは高さのある上空で作動する以上、重量にかかわらず墜落して人に当たれば最悪の場合命に関わる事故へと発展する恐れがあります。
死亡事故や深刻な後遺症の残るような事故となった場合、数千万円にも収まらず億単位での損害賠償を請求される可能性もあるのです。
可能であれば無制限とされている保険への加入がベストですが、最低でも1億円以上を上限とする保険を選ぶと良いでしょう。
年間保険料
年間で支払う保険料の確認も大切です。
保険会社や保険の内容により保険料の設定は異なります。所有する機体の価格と保険料のバランスが取れた会社を選ぶと良いでしょう。
免責金額
保険金の支払い対象となる事故が発生した際、自己負担しなければならない分の金額です。
なお、損害額が免責金額を下回る場合は保険料は支払われません。
保険会社にもよりますが、免責金額が設定されている保険の方が事故発生時の負担が多い分、年間保険料は比較的安く設定される傾向にあります。
保険対象者
法人や個人事業主、または個人といった補償対象となる人のことです。
先ほども解説した通り、自分がドローンを飛ばす目的により法人・個人事業主を対象としている保険と個人を対象としている保険のどちらかを選ぶ必要があります。
示談交渉サービス
保険会社によっては、ドローンによる事故が発生した際に加害者に代わり保険会社が被害者と示談交渉をしてくれます。
示談交渉は当人同士では後々トラブルになってしまったり、解決までに時間がかかったりすることもあります。そのため、賠償責任保険加入の際は示談交渉サービスが付いているものを選ぶと安心です。
ドローンを貸与した際の補償
ドローン保険によっては、契約者本人が操作した場合に起きた事故でなければ補償を受けることができない場合があります。
もしも他の人へドローンを貸与した際に事故が起きても、そこで生じた損害は全額自己負担となってしまうのです。
万が一の事態が起きてから慌てないようにするため、ドローン保険選びの段階からドローンを貸与した際の補償の有無について確認しておきましょう。
【年間契約】おすすめドローン保険徹底比較
賠償責任保険と機体保険の中でもおすすめの年間契約保険を、個人向けと法人・個人事業主向けに分けてご紹介いたします。
賠償責任保険:個人向けドローン保険一覧
①パーソナル総合障害保険/グッド保険サービス
グッド保険サービスによる、個人向けのドローン保険です。
怪我による死亡や後遺障害といった損害賠償の補償に加え、以下3つの特約がセットになっています。
- 携行品損害補償:ドローンの機体の損害を補償
- 個人賠償責任危険補償:第三者への賠償を補償
- 受託物賠償責任補償:他人から借りたドローンなどを補償
機体の補償額は1事故につき10万円が上限となっており、所有する機体の価格と補償額に大きな差がなければ賠償責任保険と機体保険に個別で加入するよりもコストを抑えることができます。
②RCKラジコン保険(引受保険会社・あいおいニッセイ同和損保)/一般財団法人 日本ラジコン電波協会
あいおいニッセイ同和損保を引受会社とする、2年更新の個人向け保険です。
加入には一般財団法人日本ラジコン電波協会にて、ラジコン操縦士の登録が必須となります。
保険料が比較的リーズナブルなうえ、操縦士登録の際にもらえる登録証は協議会やショーなどの会場にて身分証明書として使用可能です。
趣味としてドローンを使い続けたい個人の方が、2年目以降に加入する保険としておすすめできます。
③DJI賠償責任保険 限定利用プラン(購入後1年間無料)/エアロエントリー株式会社
DJI製のドローンを購入すると「限定利用プラン」として無料で付帯される保険で、三井住友海上が引受保険会社となっています。
購入と同時に自動付帯されるわけではないため、保険を有効にするためにご自身で登録手続きを行う必要があります。
限定利用プランは加入期間が1年間と定められているので、製品を購入したら速やかに登録しましょう。
なお、個人向けとして提供されているDJI賠償責任保険はこの「限定利用プラン」のみです。
他の有料プランは個人利用目的で加入することができません。
個人向け賠償責任保険 比較表
上記でご紹介したおすすめ保険について、「比較項目チェックリスト」で挙げた5つのポイントを比較してみましょう。
パーソナル総合障害保険 | RCKラジコン保険 | DJI賠償責任保険 限定利用プラン | |
補償金額 | ・対人、対物:1事故につき合算で1億円 ・機体補償:1事故につき10万円 ・交通死亡、後遺障害保険金:188.6万円 ※弁護士費、受託物補償あり | ・対人、対物:1事故に付き合算で1億円 | ・対人、対物:1事故につき合算で1億円 ・管理財物補償:なし ・交通死亡、後遺障害保険金:100万円 ※Telloの場合 ・対人、対物:1事故につき合算で1,000万円 ・自転車搭乗中死亡、後遺障害保険金100万円 |
年間保険料 | 10,000円 | 5,500円(2年) | なし |
免責金額 | ・対人:なし ・携行品損害保険金:3,000円 ・受託物:5,000円 | なし | なし |
保険対象者 | 個人(満70歳未満) | 個人(ラジコン操縦士登録者) | 個人(DJI製品購入者、初回1年限定) |
示談交渉サービス | あり | なし | あり |
賠償責任保険:法人・事業向けドローン保険一覧
①DJI賠償責任保険 標準プラン(引受保険会社・三井住友海上)/エアロエントリー株式会社
DJI賠償責任保険の無償保険で、「限定利用プラン」とは異なり補償対象者が法人・個人事業主向けとされています。
ただし、DJI製品を購入後は自分で登録手続きをしなければならない点は同じのため注意しましょう。
こちらも加入期間が1年間と定められており、2年目以降も継続する場合は有料のプランに加入する必要があります。
なお、標準プランの加入期間内でも、他の有料プランと併せて加入することで補償範囲や補償額を拡大することも可能です。
②ドローン保険(東京海上日動)
東京海上日動が提供しているドローン向けの賠償責任保険です。
加入手続き・決済・事故報告まですべてWeb上で完結します。
加入可能なプランは個人事業主におすすめな「ライトプラン」、チームで使用する方に適した「スタンダードプラン」、国外へドローンを一時的に持ち出した場合も補償範囲となる「海外プラン」の3種類です。
免責金額や加入期間の制限がないため、コストを抑えながら事故に備えることができます。
ただし、加入にはFLIGHTS無料オンライン講座の受講が必須です。
③DPAドローン総合保険/ドローン操縦士協会
DPA(ドローン操縦士協会)が東京海上日動と連携して提供しており、日本初のライセンス付帯型ドローン保険となっています。
DPAの認定校で資格取得対象となるコースを受講・修了することで、会員専用サイトから「自動付帯保険」の加入手続きが可能となるシステムです。
さらに、より補償が充実した賠償責任保険や装備品への被害に備える「任意付帯保険」も併せて加入することができます。
任意付帯保険の加入については、取扱代理店である(株)インシュアランスサービスにて手続きを受付けています。
④JULC 賠償責任保険/三井住友海上・東京海上日動・損保ジャパン
JULC 賠償責任保険は、ドローン講習事業や各種ドローン保険の販促支援事業を行っているエアロエントリー株式会社が引受代理をしている保険です。
損害保険会社大手である三井住友海上・東京海上日動・損保ジャパンの3社が共同引受をする、業界初であると同時に安心感の高いドローン保険となっています。
プランは対人補償・対物補償・管理財物補償・管理財物使用不能損害補償・人格権侵害補償・初期対応費用補償・訴訟対応費用補償などが付帯されたプランA、ドローン貸与中の補償も加わったプランB、海外での事故の補償も加わったプランCから選択可能です。
サイバー攻撃による墜落事故や情報漏洩などの補償も受けることができるオプション、有償でドローンを貸与する場合のプランなども用意されており、ドローン事業に注力する事業者に嬉しい充実の補償内容となっています。
法人・事業向け賠償責任保険 比較表
DJI賠償責任保険 標準プラン | ドローン保険 | DPAドローン総合保険 | JULC 賠償責任保険 | |
補償金額 | ・対人:1事故に付き1億円 ・対物:1事故に付き5千万円 | ・対人、対物:共通で1億、5億、10億円まで限度額の設定が可能(1事故1名) ・人格権侵害:1人につき100万円、1事故/期間中あたり1千万円 ・初期対応費用:1事故につき1千万円 ・訴訟対応費用:1事故につき1千万円 | ※自動付帯保険 ・対人、対物:共通で1事故につき1千万円※任意付帯保険 ・対人、対物:共通で1事故につき5億円または10億円 | ・身体障害、財物損壊、管理財物補償 :1事故につき1億円〜10億円 ・管理財物使用不能損害補償特約 : 1事故/保険期間中3,000万円 ・人格権侵害補償 : 1名につき100万円、1事故につき1,000万円 ・初期対応費用補償 : 1事故/保険期間中1,000万円 ・訴訟対応費用補償 : 1事故/保険期間中1,000万円 ・追加被保険者特約 : 身体障害、財物損壊と共通 ・国外危険補償特約 : 身体障害、財物損壊と共通 |
年間保険料 | なし | ・限度額1億円:7,350円~ ・限度額5億円:11,850円~ ・限度額10億円:12,750円~ | ・自動付帯保険:要問い合わせ ・任意付帯保険:5,570円~ | ・限度額1億円:8,900円~ 14,300円 ・限度額5億円:14,400円~23,200円 ・限度額10億円:15,500円~28,000円※加入プランによって異なる |
免責金額 | 1事故につき5万円 | なし | なし | なし |
保険対象者 | ・法人、個人事業主(DJI製品購入者、初回1年限定) ・空撮映像や写真を家族以外に公開する方 | ・法人、個人事業主(FLIGHTS無料オンライン講座受講者) | ・法人、個人事業主(DPA認定スクールで所定の課程を修了後、オンライン講座の受講を完了した方) | ・法人、個人事業主 |
示談交渉サービス | あり | なし(代理店による助言あり) | なし(代理店による助言あり) | なし(代理店による助言あり) |
機体保険:個人向けドローン保険一覧機体保険:個人向け
①DJI機体保険(引受保険会社・三井住友海上)/エアロエントリー株式会社ー株式会社
DJI製ドローンの購入時に加入可能な機体保険です。
「プランA」「プランB」「プランC」と3種類のプランが用意されており、以下の通り補償内容が異なります。
- プランA:基本補償(操作ミスによる破損/火災・落雷など/水漏れ・水没/盗難/機体の回収・捜索/臨時費用)
- プランB:基本補償+損害賠償請求権不行使特約
- プランC:基本補償+第三者へのドローン貸出時補償+国外での破損
加入者以外の使用における損害にも備えたい場合はプランB、海外でもドローンを使用する場合はプランCへの加入がおすすめです。
保険料は機体により異なるのでホームページ上で見積もりをしてみましょう。
②パーソナル総合障害保険(グッド保険サービス)
先ほどご紹介したパーソナル総合保険において、損害賠償に機体保険サービスの特約を付けたプランです。
10万円前後の高額な機体が破損した場合は全額をまかなうことは難しいですが、お得な保険料で機体の損害も賠償責任に関わる事故にも備えることができます。
個人向け機体保険 比較表
DJI機体保険 | パーソナル総合障害保険 | |
補償金額 | 対象機体の新価(再調達価額) | 1事故につき10万円 ※その他賠償責任保険の補償あり |
年間保険料 | ・プランA:保険金額の8% ・プランB:保険金額の11% ・プランC:保険金額の14% | 7,000円 ※賠償責任保険料含む |
免責金額 | なし | 3,000円 ※賠償責任保険はなし |
保険対象者 | 個人、法人、個人事業主 | 個人 |
示談交渉サービス | – | – |
機体保険:法人・事業向けドローン保険一覧
①DJI機体保険(引受保険会社・三井住友海上)/エアロエントリー株式会社
先ほどご紹介した「DJI機体保険」で、個人だけでなく法人や個人事業主も同様のプランに加入することができます。
「プランA」「プランB」「プランC」の中で、他者へドローンをレンタルするビジネスも行っている企業はプランB、海外でも事業におけるドローン使用の可能性がある企業はプランCに加入すると良いでしょう。
②ドローン保険/東京海上日動
東京海上日動が提供している、ドローン向け機体保険です。
こちらも加入手続き・決済・事故報告をすべてWeb上で完結させることができます。
賠償責任保険と同様、個人事業主におすすめな「ライトプラン」、チームでの使用におすすめな「スタンダードプラン」一時的に国外で使用する場合におすすめな「海外プラン」の3種類が用意されています。
また、加入にはFLIGHTS無料オンライン講座の受講が必須です。
③JULC機体保険/三井住友海上・東京海上日動・損保ジャパン
エアロエントリー株式会社が引受代理をしているJULC機体保険は、JULC賠償責任保険と同じく三井住友海上・東京海上日動・損保ジャパンが引受をしている機体保険です。
操作ミスによる破損・火災や落雷・水漏れや水没・盗難・機体の改修や捜索・臨時費用・講習費用が補償されるプランA、そこに貸与中の損害や代替機レンタル費補償も加わったプランB、さらに国外での破損も補償されるプランCという3つのプランがあります。
また、有償でドローンを貸与する場合専用のレンタルプランも用意されています。
法人・事業向け機体保険 比較表
DJI機体保険 | ドローン保険 | JULC機体保険 | |
補償金額 | 対象機体の新価(再調達価額) | ・ライトプラン:保険金額の7.5% ・スタンダードプラン:保険金額の10.5% ・海外プラン:保険金額の21.3% | 機体によって異なる |
年間保険料 | ・プランA:保険金額の8% ・プランB:保険金額の11% ・プランC:保険金額の14% | 保険加入時のドローンの協定保険価額※(例)Mavic 2 Proの場合 ・ライトプラン:13,070円 ・スタンダードプラン:16,510円 ・海外プラン:41,270円 | ・プランA:保険金額の9% ・プランB:保険金額の12% ・プランC:保険金額の18% ・レンタルプランB:18% ・レンタルプランC:24% |
免責金額 | なし | なし | 保険金額全体の1% |
保険対象者 | 個人、法人、個人事業主 | 法人、個人事業主 | 法人、個人事業主 |
示談交渉サービス | – | – |
賠償責任保険と機体保険がセットになったドローン保険一覧
①個人/法人:ドローン保険(グッド保険サービス)
個人向け機体保険のご紹介の際に述べた通り、グッド保険サービスのドローン保険は賠償責任保険と機体保険をセットにすることができます。
保険期間中に生じた「不測かつ突発的な事故」による損害、第三者への損害賠償に関わる補償のどちらもカバーしてくれるプランです。
②個人/法人:SORAPASS care
ドローンマップをはじめとする飛行支援サービスと一体化したドローン保険です。
スマートフォンに専用アプリをダウンロードし、登録手続きを完了することで保険に加入することができます。
手続きが簡単なうえに年間保険料は5,000円とリーズナブル、免責金額も無いことが嬉しいポイントです。
個人向け賠償責任保険・業務利用向け賠償責任保険がセットになっているので、どの用途でも同じ保険料で補償を受けることができます。
③ドローン専用保険/損保ジャパン
損保ジャパン日本興亜が提供しているドローン向け保険です。
基本補償として、機体補償と第三者への賠償責任補償がセットになっています。
さらに、オプションとして操縦訓練費用補償や機体の捜索・回収費用補償、プライバシー権侵害補償を付けることも可能です。
保険料金は計27,000円~となっており、法人や個人事業者が補償対象とされています。
賠償責任補償について免責金額はありませんが、機体補償の場合1事故につき2,000円と設定されています。
【1日のみ契約】ドローン保険
【賠償責任保険】1日保険シリーズ ドローン保険/楽天損保
楽天損保が提供している1日単位の保険サービス、「1日保険シリーズ」ではドローン専用保険も用意されています。
1日につき200円で加入可能となっており、国内における第三者への損害賠償が補償範囲です。
スマートフォンに専用アプリをダウンロードしたうえで、利用登録と申込手続きを済ませれば簡単に加入することができます。
【会員限定】ドローン保険一覧
JDA団体保険
JDA(日本ドローン協会)に入会した会員限定の保険で、協会が契約している団体保険に加入することになります。
一般会員(個人)と事業会員(事業者)それぞれに向けたプランが用意されており、一般会員の保険は賠償責任保険のみ、事業会員は賠償責任保険と機体保険がセットになってることが特徴です。
年間保険料はそれぞれの会費に応じた金額が設定されており、会費とまとめて支払う形になります。
補償期間はJDA団体保険に申し込んだ日に適用され、会員であり続ける限り途切れることがありません。
JUIDA団体保険
JUIDA(一般社団法人日本UAS産業振興協議会)にも会員向け保険があり、東京海上日動と三井住友海上が引受をしている2種類の保険が用意されています。
どちらも損害賠償保険と機体保険の加入を選ぶことができますが、保険料や補償内容は異なります。
いずれにしても保険の加入はJUIDAの「正会員」となることが条件のため、JUIDAに入会予定の場合はその点も踏まえて会員区別を選びましょう。
会員限定ドローン保険 比較表
JDA団体保険 | JUIDA団体保険 | |
補償金額 | 【一般会員】 最大1億円 【事業会員】 賠償責任保険:1人/1事故あたり最大1億円 機体保険:機体により異なる | 【東京海上日動】 ・賠償責任保険:1人/1事故あたり最大10億円 ・機体保険:機体により異なる 【三井住友海上】 ・賠償責任保険:1人/1事故あたり最大5億円 ・機体保険:機体により異なる |
年間保険料 | 【一般会員】 23,760円(1,980円/月) 【事業会員】 83,760円(7,940円/月) ※会費込み | 【東京海上日動】 ・賠償責任保険:5,740円~ ・機体保険::11,200円~ ※DJI Phantom4を保険金額20万円で契約した場合 【三井住友海上】 ・賠償責任保険:17,780円~ ・機体保険:10,720円 ※DJI Phantom4を保険金額20万円で契約した場合 |
免責金額 | なし | 【東京海上日動】 なし 【三井住友海上】 保険金額の2% ※機体保険の一部プラン |
保険対象者 | 個人、法人、個人事業主 | 法人、個人事業主 |
示談交渉サービス | あり | なし |
ドローンで農薬散布を行う場合は、専門の保険加入がおすすめ
近年はドローンで農薬散布を行うなど、農業におけるドローン活用例が増えてきています。
特に農薬散布に使用するドローンは機体価格が高く、農薬を散布することで考えられる被害は通常使用よりそのリスクは大きくなります。
ドローン保険の中には農業活用に特化したプランもあるため、是非加入を検討してみてください。
専門の保険加入が必須の理由とは
航空法では、農薬散布を含め飛行中のドローンによる物件投下を行う場合は国土交通省への許可申請が必須と定められています。
航空法が適用されるドローンは200g以上の機体とされていますが、農業用ドローンの多くは200g以上重量があるので許可申請は避けられないでしょう。
申請の際、対人・対物保険に未加入の状態だとほとんどの場合許可を得ることができないのが実情です。
未加入で申請したからと言って罰則を受ける訳ではありませんが、農薬散布における保険加入はほぼ義務付けられていると考えて良いでしょう。
農薬散布用ドローンのおすすめ保険一覧
①農薬散布用ドローン総合保険(引受保険会社・共栄火災)/独立行政法人 日本貿易保険
JA共済連と共栄火災が提供する、農薬散布用ドローン向け保険です。
操作ミスによる本体の損害だけでなく、農薬飛散や第三者の損害賠償責任を補償してくれる保険となっています。
加入後は事故の有無により保険料が割引・割増されるシステムで、事故が少なければ保険料がリーズナブルになるという点が特徴です。
②農業用ドローン保険/東京海上日動
東京海上日動がドローンベンチャーのナイルワークスと共に開発した、農業用ドローン向け保険です。
ドローンの運用中に発生した事故だけでなく、農薬散布後1か月以内の農作物に病気が発生した場合に再度散布を行うための費用も30万円まで補償してもらえます。
各種補償に加え、ドローンの保守やメンテナンス等も含めたセットも用意されています。
ドローン保険利用時の注意点
ドローン保険を利用するうえで、注意するべきポイントがいくつか存在します。
十分な補償を受けるためにも、以下の注意点を理解してドローン保険を利用しましょう。
機体保険の補償を受けるには機体の回収が必要
ドローンの機体保険で保険金が支払われる条件として、「機体の回収」を条件としているケースは多いです。
樹木や建物の上などの高所、河川や海などの水中でドローンを見失った場合でも、補償を受けるためには自力で回収する必要があります。
機体保険によっては機体の捜索や回収に伴う費用も補償されるプランがあるため、可能な限り諦めずに機体の回収に努めましょう。
特典としてのドローン保険の利用は別途登録が必要
DJIの無償付帯賠償責任保険やJDAの会員限定保険などは、機体の購入や入会手続きを済ませれば自動的に保険が適用される訳ではありません。
加入条件を満たしたうえで、別途保険の登録手続きも必要となります。
万が一の事態が起きてから未登録の事実に気が付き後悔する前に、保険の登録手続きを忘れずに済ませましょう。
DJIのドローン保険(無償)は対象外の機体もある
DJIの無償付帯賠償責任保険は、すべてのDJI機が対象ではありません。
以下の機種を購入しても無償付帯賠償責任保険に加入することができないため、あらかじめ把握しておきましょう。
- Inspire 1
- Matrice 600
- Matrice 600 Pro
- Matrice 200
- Matrice 210
- Matrice 210 RTK
- Phantom 1
- Phantom 2
- 海外版DJI製品
- DJI製FCを搭載した機体
- 中古品
- 譲渡された機体
- デモ機 など
ドローン保険についてよくある質問
ドローン保険に関してよくある質問を、回答と一緒にまとめました。
まとめ
個人的な趣味目的や業務目的、レンタルなどどんなシチュエーションにおいてもドローンを飛行させる以上は様々なリスクを伴います。
万が一の事態に備え、第三者への賠償責任や機体の損害を補償してくれるドローン保険へ加入することは大切です。
まとめると、ドローン保険には
- 賠償責任保険…ドローンにより他人へ損害を与えてしまったときに支払う損害賠償を補償してくれる保険
- 機体保険…所持している機体そのものが被る損害に備える保険
上記2種類の保険があり、さらに保険の対象となる被保険者は
- 個人向け…個人が「趣味でドローンを飛行させる場合」に適した保険のこと
- 法人・個人事業主向け…法人や事業主が「事業目的でドローンを使用する場合」に適した保険のこと
に分けられます。
どういった用途でドローンを飛ばすのかをよく考え、自分にはどんな保険が適しているのかを明確にしたうえで保険を選びましょう。
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