ドローン測量のメリットやデメリットは?測量の方法や必要な資格および知識も併せてご紹介

更新日: 2021.11.19 公開日: 2018.08.26
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すでに建設業界ではドローンによる測量が普及し始めています。この記事では、ドローン測量のメリットやデメリット、測量の流れ、必要な資格や知識などを紹介していきます。ドローン測量に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

目次

ドローン測量のメリット、デメリット

ドローン測量のメリット、デメリットについて見ていきましょう。

ドローン測量のメリットはさまざまに挙げられます。

たとえば、

・航空機による測量よりもデータの解像度が高い
・測量中に工事といった作業を中断する必要がない
・人が立ち入れない場所や危険な場所の測量も可能
・人や航空機を使った測量よりも時間やコストを抑えられる
・3Dモデル(画像データから点群データを作成すること)が簡単にできる

このようなことが挙げられます。言い換えれば「コストや時間を抑えながら、クオリティの高い測量が可能」ということです。

一方、ドローン測量のデメリットとしては、

・数十平方メートル程度の敷地や凹凸のない敷地の測量は割高になることが多い
・バッテリー交換のため離着陸を何度も行わなくてはならない
・山の木々といったように障害物がある場合は地面を測量できない
※写真ではなくレーザー測量を実施すれば、障害物がある場合でも対応できますが、装置が1,000万円近くなってしまうといったように、コストが膨らむというデメリットがあります。

といったことが挙げられます。

国土交通省は「ICT(Information and Communication Technology=インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー)」、つまり通信技術を活用したコミュニケーションを建設業界に導入することで、生産性の向上を目指しています。

すでに「i-Construction(アイ・コンストラクション)」という取り組みが進んでおり、建設業界におけるドローン導入が義務化される動きが出ています。

それでは、ドローンで測量を行うメリットに注目して、実際にどのような違いがあるのか、人力や航空機による測量との比較を見てみましょう。

航空機による測量よりもデータの解像度の違い

上空からの測量は航空機でも行うことが可能ですが、ドローンとの違いは、ドローンの方が低空からの撮影ができるため、写真の精度が上がることです。近くで撮影する方がそれだけ解像度が上がります。

高度が高いところから撮影する方が広域を撮影できるので、1/1000や1/2500の地図などを作る際は良いですが、ドローンだと1/250や1/500といった細かい縮図で正確に撮影できます。

時間やコストの違い

ドローン測量の大きなメリットといえるのが時間とコストの削減です。

例えば2.6haを地上での光波測量で測量すると、測定に約3日、データから断面図や横断図を作るのに3日かかります。一方、ドローン測量だと同じ面積を約半日で測定でき、データを作成するのも1日半で行うことが可能です。

時間がかからないことは、それだけ人件費の削減につながります。また、同じ上空からの測量でも航空機を飛ばすには高額なコストがかかります。規模や必要な測量データによって正確な数字は異なりますが、航空機としてセスナを飛ばして100万円くらいかかる場合、ドローンだと十数万で行うことが可能です。

そういった点でも上空、しかもドローンでの測量は大きなコスト削減につながります。

 

ドローン測量はどんな方法で行われる?

続いて、ドローン測量はどのように行われるのか見ていきましょう。測量の手法や過程はさまざまですが、ここでは一般的な流れを紹介します。

まずは「踏査(とうさ)」と呼ばれる現地調査から始まります。高品質で信頼性のあるデータを作成するためにも、人間の足で隅々まで確認する必要があります。

踏査が済むと、専用のソフトウェアを使って、ドローンの高度や、シャッター速度、撮影間隔といったさまざまな要素を加味し、ルートを作成します。

その後、現地にGCP(Ground Control Point)と呼ばれる基準点を設置します。基準点があることで、ドローンに搭載されたカメラの三次元位置が測定できるようになります。

基準点が設置されたら、いよいよドローン測量のメインとなる空撮です。踏査の後に作成したルートをドローンに設定し、あとは自動飛行させるだけとなります。

ドローンが取得したデータは、専用の画像解析ソフトを用いて解析され、点群データ、3Dモデル、鳥瞰図などが作成できます。

ドローン測量の一般的な流れは、上記の通りになります。

 

写真測量とレーザー測量はどう違う?

ドローンでの測量にも「写真測量」と「レーザー測量」の2つの方法があります。それぞれどのような測量なのでしょうか。

写真測量

光学カメラを使った測量です。ドローンで測量するエリアの上空を飛行して、撮影範囲を重複させながら測量エリアの写真を撮影します。それをつなぎ合わせることで地表の状態のデータを得られます。レーザー測量よりも機材が安価というメリットがあります。

レーザー測量

レーザー測距装置を使った測量です。ドローンに小型レーザー発振器を搭載して行ないます。地上にレーザーを放射して反射したレーザーの距離情報とドローンの位置情報のデータから、地表の様子を記録します。地表データは精密なものを記録できるため、写真測量と比べるとその精度は圧倒的に高いものです。

また、凹凸のある場所での測量もレーザー測量であれば精度の高いデータを得られます。ドローンでの測量のデメリットとして、地表の見えない山林部の測量ができないというものがありますが、レーザーの数を多くすれば草木があっても地表までレーザーが届くので、多少の草木があっても測量が可能です。

ただし、レーザー測距装置は高価な物で1,000万円近いものもあります。本来コストの削減がメリットとなるドローン測量が割高になってしまうというデメリットがあることは留意すべき点でしょう。

 

測量に必要なのはどんなドローン?

測量にどのようなドローンを使うか決める際には、写真測量だけでいいのか、それともレーザー測量も行うのか考えておかなければいけません。レーザー測量の場合、レーザー測距装置を搭載していなければいけないので、専用のドローンが必要です。

趣味の空撮用ドローンメーカーとは異なり、「エンルート」、「Tera Drone」といった測量用ドローンの開発を行なっているメーカーがあります。こういったメーカーのレーザー測量に対応している機種を選びましょう。

一方、写真測量の場合、カメラとGPS、高度計が付いているドローンであれば測量が行えます。しかし、測量には精度が必要なので、簡易的なドローンではなく、高解像度のカメラを搭載したものや、バッテリー時間が長いものなどを選ぶことをおすすめします。

よく写真測量で使われる機種には、以下のようなものがあります。

Inspire2

バッテリーの自己保湿機能やバッテリー2個同時搭載などトラブルが起きやすいバッテリーへの安全対策が取れています。搭載するカメラを選択でき2,000万画素のX4Sや2080万画素のX5Sが選ばれることが多いです。比べるとX4Sの方が安価ですが、レンズのクオリティはX5Sの方が勝っています。

Phantom4 Pro

2,000万画素のカメラを搭載しつつ、Inspireのような本格的なドローン中では比較的安価なためコストパフォーマンスの良い機体です。

IMUとコンパスモジュールという制御ユニットを2基ずつ搭載しており、万が一、機器にトラブルが起こっても片方の機器が働くので墜落リスクを下げています。全方向に障害物回避センサーがついているので安全性が高く、業務用として使用するのに安心感があります。

 

ドローン測量に必要な資格や知識は?

ここまで、ドローン測量のメリットやデメリット、ドローン測量の流れを紹介してきました。

最後に、ドローン測量にチャレンジしたいという方のために、必要な資格や知識は何かを紹介します。

2018年7月現在、ドローンを操縦するのに特定の資格や免許は不要です。しかし、測量を実施するにあたっては「測量士」「測量士補」といった資格は求められる可能性が高いでしょう。

また、たとえドローンを操縦するにあたっての資格や免許が不要でも、自身がドローンに関する一定以上の知識や操縦技術を持っていることを客観的に証明できた方が、信頼性も高くなります。

そのため、JUIDAの「操縦技能証明」や、DPAの「ドローン操縦士回転翼3級」、あるいはDJIの「DJIスペシャリスト」といった民間資格の取得を目指すことをおすすめします。

その他、必要な知識としては、ドローンに関する基礎知識、測量に最適なカメラを選ぶ知識、ソフトウェアの使い方、飛行禁止区域等の把握、関連する法律に対する知識などが挙げられます。

ドローン測量は、ドローンのみならず幅広い知識が求められます。

しかし今後、建設業界ではドローンの導入が一気に進んでいくことが考えられますので、ドローン測量に興味がある方は、今のうちに必要な知識や技術を身につけておくと良いでしょう。

また、場所や飛行方法によっては許可申請が必要になります。改正航空法では人口集中地区や高度150m以上の高さ、空港周辺上空での許可のない飛行を規制しています。測量の場合、承認が必要な飛行方法である「目視外飛行」をすることもあるかもしれません。

ドローンについての知識には、こういったドローンに関連する法令の知識も含まれるので、ドローン規制の内容もしっかり把握しておきましょう。

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