ドローンを使った測量とは?測量の原理や流れ、メリットやデメリットを知ろう

更新日: 2021.11.19 公開日: 2018.12.27
img

個人で楽しむだけでなく、ドローンの業務活用は増えてきています。そんなドローンが活躍する分野の1つが測量です。測量こそ、ドローンを活用することで革新的な変化が期待できる領域だと言えます。

ドローンを使った測量は、どのような原理で測量データを測定しているのでしょうか。ドローンを使った測量のメリット、デメリットを知ることで、ドローン測量をうまく活用できるようになりましょう。

目次

ドローン測量の方法や原理とは?

ドローン測量の原理は、ドローンに掲載したカメラで空中から撮影をすることです。低空飛行で撮影するので、従来の方法より近距離で写真を撮ることができます。そのため、高画質な画像を使って測量データを出すことが可能となります。

ドローン測量で得られるデータの1つが、3次元点群データです。位置情報やレーザー測距装置の情報、ドローン光学カメラで撮った画像を元に、専用ソフトを使って作り上げます。このデータで体積を算出したり、3Dモデルや図面を作成したりできます。

他にも複数の写真を組み合わせて、傾きやゆがみを整えたオルソ画像を作ります。このオルソ画像は、面積や距離などを正確に計測するために必要な画像です。これらの測量結果によって、現場の状態を把握し、スムーズな工程を助けます。

 

ドローン測量と従来の測量はどう異なる?原理に違いはある?

ドローンを使わない従来の測量方法には「航空レーザー測量」と「航空写真測量」があります。これらの測量の原理と、ドローンでの測量原理を比べてきましょう。

航空レーザー測量は、セスナのような航空機にレーザー測距装置を載せて測量する土地の上空を飛びます。上空からレーザー光を当てて、地上に反射したレーザー光の時間差を測定します。このデータと位置情報による航空機の高さで計算し、測量した場所の標高や地形を知るという原理です。

航空レーザー測量のメリットは測量の精度です。測量方法の中では最も精度が高いとされています。一方、デメリットは航空機を飛ばすために、高価になり、気軽に行なえないことです。コストは、航空写真測量の約2倍かかります。

航空写真測量は、航空機や人工衛星のカメラで撮影した画像で、地形図を作成する方法です。広範囲を効率よく測定でき、広域地図を作るときのような広範囲の測量に向いているというメリットがあります。デメリットは、同じく気軽に行なえず、コストが高いことです。

これら、従来の測量とドローンの測量は、それぞれ測量方法の原理からメリットやデメリットが異なります。ドローン測量のメリットは、費用が比較的安いことです。手軽さもあるので、コストだけでなく時間の短縮にもつながります。また、近距離からの撮影なので、画像の解像度が良く、詳細な地形データがわかります。

植物がある場所での正確な測定が難しいというデメリットもあります。しかし、この時間と費用を削減できることは、多くの企業がドローン測量を取り入れている理由と言えるでしょう。

 

ドローン測量の流れをご紹介!

それでは、ドローン測量を実際に取り入れた際の全体の流れを簡単に把握してみましょう。

1 飛行ルート計画

位置情報の受信状況や障害物も調査します。専用のソフトウェアを用いて、測量に最適なルートを設定します。

2 GCPの設置

これは3次元位置を測定するためのポイントです。測量範囲が変わるごとに設置と撤収を繰り返さなければいけません。

3 撮影

計画したルート通りにドローンを飛ばして写真を撮ります。

4 解析準備

カメラ標定を行ない、レンズの歪みの補正値を測定します。また、GCPと基準点座標の対応付けをします。

5 モデリング

専用ソフトで解析し、3Dモデルなどを作ります。

6 データ出力

ドローン測量で得た様々なデータを出力することで、CADやGISに取り込んでデータを使うことができます。

大まかには、このような流れで行います。ドローン測量にはメリットも多く、測量場所や欲しいデータに合わせて、大いに活用していくことができるのではないでしょうか。

メリットを知ることで、ドローン測量をうまく活用できるようになりましょう。

この記事と一緒によく読まれている記事