「元天才少年」実業家がAIドローンで米軍とタッグを組む

更新日: 2021.11.22 公開日: 2018.02.16
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2014年にアメリカでヒットしたドラマ「スコーピオン」は天才ハッカーとその仲間が難題を解決していく場面を描いた作品です。このドラマでエリス・ガベルが演じる主人公のウォルター・オブライエンは実在の人物で、彼は現在、米軍へAIドローンに関する技術提供を行っています。

ウォルター・オブライエン氏は1975年生まれの実業家で、生まれはアイルランドです。生まれつきIQが高く、幼少の頃から天才と呼ばれてきました。スコーピオン・コンピューター・サービスという会社を設立し、人工知能を利用したドローン開発に取り組んでいます。

オブライエン氏はIQ197で、標準値の1.97倍です。科学、芸術、教育、事業、スポーツにおいて傑出した才能を持つ者が取得できるアメリカの永住権EB-1-1ビザを所有しており、現在ロサンゼルスに住んでいます。EB-1-1ビザが許可された過去の人物には、アルバート・アインシュタインやウィンストン・チャーチルなどがいます。

今回、スコーピオン・コンピューター・サービスが米軍へ提供する技術は「ScenGen(シナリオ・ジェネレーター)」と呼ばれるものです。ScenGenは、航空機製造企業ロッキード・マーティン、戦闘機等の軍需企業ノースロップ・グルマン、アメリカ海軍の指令システムに利用されます。

スコーピオンのAI技術は、アラバマ州にある米陸軍司令部に提供され、米軍が、MQ-1Cグレー・イーグルやRQ-7Bシャドー、MQ-5Bハンターなどのドローンを操作する際に使用します。グレー・イーグルは、プレデターのアップグレード版として米軍向けに開発されたドローンです。

オブライエン氏は、「ScenGen(シナリオ・ジェネレーター)」が実際にどのように動作するのかについては、詳しく述べられないとした上で、米国のITメディア「シリコン・リパブリック」にその概要を話しました。

「ドローンにHDカメラを搭載し、調査するとしても、最終的にモニターを見て判断するのは、人間の仕事だ。人間の目は慣れてしまうことがあり、特に疲労した状態では、重要な情報を見落とすことがある。人工知能(AI)はその点、全く心配がない」

「ScenGen(シナリオ・ジェネレーター)」は人間の脳よりも判断が速く、あらゆるミッションに対するシナリオを高速で実行できます。その速さは、一人の人が250年かけてやっとこなせる事を90分間で行ってしまうほどです。AIは、人間が見逃しそうな細かな情報も分析し、シナリオ化する事ができます。

「元天才少年」で、実業家でもあるウォルター・オブライエン氏。彼のAIドローン技術が米軍にどのように貢献するのか、期待が高まっています。

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