近年では、手持ちのスマートフォンに専用アプリをインストールすれば、スマートフォンのみで操縦ができるドローンが当たり前になってきました。国内では、この際の接続方式として、日常でよく利用されるWi-Fiが使われています。
本記事では、スマートフォンによるWi-Fi接続でドローンがどれくらい飛ぶのか?という点、2.4GHz帯という電波帯域の危険性について解説していきます。
スマートフォンでWi-Fi接続したドローンはどのくらい飛ぶ?
現在、日本国内におけるWi-Fiの電波規格には、5GHz帯と2.4GHz帯が使われています。ですが、このうち5GHz帯は空中での利用が規制されているため、スマホとドローンをWi-Fi接続する際は、2.4GHzの電波を利用します。
特にホビー向けドローンは、一般的にWi-Fi接続でスマホやプロポ(送信機)とドローンをつないで飛ばせるように設計されています。Wi-Fi接続ですと、ドローンがあまり遠距離までは飛んでくれない印象がありますが、実際のところはどうなのでしょうか?
国内で販売されている、有名なホビー向けドローンの飛行距離は以下のとおりです。
・【DJI】Phantom 4:2,000m
・【DJI】Mavic Pro:4,000m(送信機)、80m(Wi-Fi)
・【DJI】Spark:500m(送信機)、距離100m,高度50m(Wi-Fi)
・【ZEROTECH】DOBBY:100m(Wi-Fi)
・【Parrot】Bebop2:300 m(Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac)
スマートフォンへのWi-Fi接続でドローンを飛ばそうとするなら、やはり80~100m程度が限界のようです。スマートフォン自体が、効率よくドローンに電波を送受信するためのデバイスではないため、多少致し方ないところではあります。
ただし、送信機を使えば2km~4km程度は飛行できます。国内で使われるホビー向けドローンの送信機には、Wi-Fiと同じ2.4GHzの電波が使われていますが、伝送距離でいえば5.7~5.8GHz帯よりも2.4GHz帯のほうが勝っているためです。
それから、ドローンへのWi-Fi接続にはもうひとつ注意しなくてはならない点があります。以下でご紹介していきます。
2.4GHz帯(Wi-Fi)は電波干渉を受けやすいため電波途絶に注意
2.4GHz帯の電波は、ご存じのとおり電話や無線LANなど、さまざまな通信機器に利用されている周波数帯です。そのため、イベントや人の通りがある場所、あるいは電波塔の近くなどでは、非常に干渉されやすいということを覚えておかなくてはなりません。
たとえば、電子レンジや無線LANの干渉を受けやすいことは有名です。他にも、スマートフォンの4G/LTE回線に使われている2.1GHz帯は、混雑すれば2.4GHz帯の電波とかみ合ってしまいます。
ですが、現在は5GHz帯の無許可での空中利用が許されておらず、ホビー用ドローンは2.4GHz帯を使うしかありません。ドローンを取り巻くこのような状況は、日本国内でも議論の対象となっているのが現状です。
飛行の際は電波状況を必ず測定しよう
ドローンを飛行させる際は、周囲に電波塔やWi-Fi接続したパソコンなど、2.4GHz帯の電波干渉を受ける場所でないかを必ずチェックしてください。高価ですが、2.4GHz帯の電波チェッカーなども販売されています。
1kgを超えるドローンは墜落した場合の人的被害も懸念されますので、電波途絶による墜落に十分注意し、飛行しましょう。
2018年内には5.7GHz帯が開放予定?
ちなみに、2018年内には国内での5.7GHz帯の開放が予定されているそうです。この周波数帯が開放されれば、ドローンも電波途絶などの危険性が格段に減り、今まで無線局の解説や無線技士免許の取得が義務付けられていたFPV(目視外)飛行も、許可を取れば可能になります。
まとめ
スマートフォンでのWi-Fi接続は、手軽にドローンを飛ばすのに最適ですが、本格的に楽しむのであればプロポも持って出かけたい所です。ただし、ドローンを飛ばす際には、Wi-Fiでも送信機でも、国内では2.4GHz帯の電波を利用していることは認識しておく必要があります。
2.4GHz帯は、電子レンジや無線LANなどに干渉されやすい帯域のため、墜落の危険性を認識し、周囲の状況をよく見てフライトを楽しんでください。
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