ドローン業界の発展につれて、この数年、多くのドローンスクールが開設されています。中でも有名なDPA(一般社団法人ドローン操縦士協会)の認定資格は、どのようなものなのでしょうか?気になるDPA認定資格取得のメリットや申請条件などをご紹介します。
ドローンパイロットの資格認定制度はどんなものがある?
ドローンは、趣味程度で操縦する分には免許や資格などは特に必要なく楽しむことができます。
しかし、FPVなど高度な機能が搭載されたドローンを操縦する場合や、航空法に定められた範囲を超えての操縦、電波法が改正された後の周波数帯を使う機器を使用する際には、「第4級アマチュア無線技士」や「第3級陸上特殊無線技士」の国家資格が必要となります。
そして、これらの国家資格以外に、ドローンの正しい知識を身につけたり、安全な操縦を訓練したりするための民間のドローンパイロット養成スクールが現在いくつか存在しています。
これらのスクールで取得できる認定資格は国家資格と比べると大きな効力を持つものではありませんが、今後のドローン市場の発展や需要が著しいと想定されることから、多くのドローン愛好者から注目を集めています。
現在日本で開校されているドローンスクールでの認定資格は、下記のような協会が認定しており、数々のドローンスクールのおおもとになっています。
・DPA(一般社団法人ドローン操縦士協会)
ドローンの先なる時代の航空安全保全のための教育事業活動を目的として2016年6月に設立された協会です。都心に広大なドローン練習場を持ち、独自の操縦士とインストラクターの認定制度を持っています。
・JUIDA(一般社団法人日本UAS産業振興協議会)
日本で初めてドローンの操縦者・安全運航管理者養成スクールの認定制度を設立した団体です。JUIDAの認定校は100校以上と規模・知名度ともに大きいのが特徴です。
・DJI CAMP
マルチコプター市場の7割のシェアを誇るドローン最大手メーカーが主催している認定資格制度です。DJIスペシャリスト、DJIインストラクター、DJIマスターと3つのレベルに分かれている資格を取ることが可能です。
・MDA(一般社団法人三重県ドローン協会)
伊勢志摩サミット開催をきっかけに設立された三重県に拠点を置くドローン操縦スクールです。講座は初級講座・中級講座・認定講座とレベル分けされており、地域再生・地域発展を目標とした活動をしている協会です。
DPA認定資格はどんな資格?申請条件や資格取得することのメリットなど
さまざまなドローン協会の中でも規模が大きく、認定スクールの開校数も右肩上がりと言われているDPA。このDPAの認定資格は、どのようなものなのでしょうか?
まず、DPA認定資格は、操縦士資格とインストラクター資格の2種類があります。
操縦士資格は回転翼航空機の飛行に必要な基礎知識と、操縦する基本技術を認定するものになります。
一方、インストラクター資格は、回転翼航空機の実地を講習するための技能と、座学・実地を講習する際に必要な基礎知識を認定するものを指します。
申請条件は、ドローン操縦士とインストラクターとでそれぞれ異なります。
その内容は下記の通りです。
<操縦士回転翼3級認定資格申請条件>
・15歳以上
・視力が両目0.7以上、且つ片目で0.3以上であること(眼鏡やコンタクト可)
・赤色、青色及び黄色の識別ができること
・10時間以上の飛行経験を有すること
・学科と実技の試験に合格していること
・指定のオンライン講座を受講・修了していること
<ドローン操縦士回転翼3級インストラクター申請条件>
・18歳以上
・視力が両目0.7以上、且つ片目で0.3以上であること(眼鏡やコンタクト可)
・赤色、青色及び黄色の識別ができること
・ドローン操縦士回転翼3級を有すること
・50時間以上の飛行経験を有すること
・ドローン操縦士回転翼3級の学科・実技を講習する際に必要な基礎知識を有すること
・ドローン操縦士回転翼3級の技能を講習するための技能を有すること
2015年に航空法が改正され、ドローンの飛行に関しては国土交通省への許可・申請手続きが必要となった経緯から、今後のドローン業界はますます変化や進化がもたらされると予測されています。DPAでは、そういった時代背景に即した技術や知識を学ぶことができるため、DPA認定資格を持つことでより適格なドローン操縦者になれるという点で大きなメリットがあると言えるでしょう。
DPAが定めるドローン操縦のレベルとは
DPAは、ドローンの操縦レベルを1~4と段階分けしています。
レベル1は使用者の手動航行による目視内の飛行、2は使用者の自動航行による目視内の飛行、レベル3は目視外で無人地帯の飛行、レベル4が目視外で有人地帯を飛行というように、操縦の難易度によってレベルが上がっていくという内容で、DPA認定資格の認定級は「3級=レベル1相当」「2級=レベル2相当」「1級=レベル3相当」としています。
現状では実質3級(レベル1)までの運用がメインですが、今後の著しいドローン業界の発展に向けて2級(レベル2)、1級(レベル3)の運用も見据えているようです。
DPA認定資格を取得するための費用はどれくらい?
DPAで操縦士の認定資格を取得した場合、初回に12,000円、更新(2年毎)に6,000円の費用が認定料としてかかります。
インストラクターの認定資格でも同様の費用となります。
これはあくまでDPA認定資格を取得した際の申請費用であって、講座の受講料は、DPAの認定スクールによって異なります。
認定校は日本全国に複数ありますが、受講料は20万円~30万円くらいが相場のようです。
決して安い金額ではありませんが、今後の日本におけるドローン業界の発展や需要を鑑みた場合、正しい知識を身につけたり、認定資格を取得したりということは、大きなメリットとなり得るかもしれません。
全国各地のDPA認定校を紹介
DPAが定めるドローン操縦士の技術認定基準をクリアした認定校は全国各地にあります。ここではDPA認定校を地域ごとにご紹介していきます。
【北海道・東北地方】
「南進測量ドローンスクール」
福島県耶麻郡猪苗代町の自然豊かな場所にあるドローンスクールです。測量会社が運営しており、実践的で細やかなレッスンを受講することができます。GPS機能をOFFにした基本練習で、とっさのトラブルにも対応できる操縦技術を身に付けることが可能です。
「ドローンスクール仙台」
宮城県仙台市にある株式会社DroneWorkSystemが運営するドローンスクールです。DPA認定資格の取得だけでなく、ドローンを業務で活用するために必要なサポートも行っています。年中無休、十分な広さの屋内飛行場、練習機無料貸し出し、充実した教材なども特徴です。
【関東地方】
「ドローンスクールジャパン東京中目黒校」
東京都江戸川区にあるドローンスクールで、現役の現地調査員がインストラクターを務めています。全員が2,000時間以上の飛行を経験しており、業務を通して身に付けた対応力や技術力を受講生に伝えます。即戦力になるドローン操縦士を育てることを目指しているドローンスクールです。
「ドローンスクールジャパン千葉佐倉校」
千葉県佐倉市にある2017年8月開講のドローンスクールです。女性インストラクターが在籍しているので、女性一人でも気軽に受講することができます。食堂や託児所が併設されているのもうれしい特徴です。
「ドローンスクール水戸校」
茨城県水戸市にある現場経験者がマンツーマンで教えてくれるドローンスクールです。土日祝日も受講可能で、完全屋内型のため、雨の日も問題なく受講できます。アフターサポートにも力を入れており、卒業後も交流会などを通して学び続けることができます。
【中部地方】
「ドローンスクールジャパン愛知豊田校」
愛知県豊田市にある全天候対応の屋内飛行施設にあるドローンスクールです。インストラクターには現役の産業用ドローン操縦士や国際大会出場経験のあるドローンレーサーも在籍しています。趣味から業務に至るまで、安全に楽しく飛行ができるように操縦技術を学ぶことができます。
「ドローンスクールジャパン静岡静岡市校」
静岡県静岡市にあるドローンスクールです。動画の撮影や趣味だけでなく、ドローンを活用したビジネスを考えている人をサポートしています。建設現場や農業の分野でもドローン操縦士が必要とされてきている今、様々な資格を取得することを推奨しています。
【関西地方】
「ドローンスクールジャパン兵庫姫路校」
世界遺産である姫路城のある、兵庫県姫路市に位置しているドローンスクールです。西日本最大級のドローンスクールで、完全屋内施設を完備し、全天候に対応しています。現役のドローン操縦士によるレッスンを受講することができます。
「ドローンスクールジャパン滋賀草津校」
滋賀県草津市にあるドローンスクールです。ドローン操縦士協会が定めたカリキュラムを提供しています。練習専用機を用意しており、講師が持つコントローラーにもつながれているので、初心者でも安心して受講することができます。滋賀県の新たなアクティビティスポットとして、地域貢献を目指しています。
【中国・四国地方】
「ドローンスクールジャパン岡山北校」
岡山県岡山市にあるDPA認定スクールとしては山陰地方初のドローンスクールです。屋内施設完備で、全天候に対応しています。空撮などの趣味だけでなく、ドローンを使ったビジネスのサポートも行っています。実際に太陽光発電施設での仕事の体験ができることや、受講後のドローンを使った仕事のマッチングサイトにも登録できるのが特徴です。
「ドローンスクールジャパン島根松江校」
島根県松江市に位置するドローンスクールです。山陰・中国地方のドローンの需要にこたえるために、ドローン活用の拠点として、様々なコースを受講することができます。現役のインストラクターがマンツーマンで実践に即したノウハウを伝えてくれます。
【九州・沖縄地方】
「ドローンスクールJET」
佐賀県佐賀市にある九州最大級の屋内型ドローンスクールです。エアコン完備の操縦室で快適に練習することができます。女性インストラクターも在籍しているので、女性でも気軽に受講することが可能です。
「ドローンスクール明光社」
宮崎県宮崎市にあるドローンスクールです。明光社は電気工事業として70年の歴史を持ちますが、各業務にドローンを活用しています。また、新事業としてドローンスクールを開講し、地元の産業に即した農薬散布コースなども用意しています。
まとめ
ドローンの需要はこれからも様々な分野で増え続けていくことが予想されます。しかしながら、それに伴って、優秀なドローン操縦士が求められます。ドローンを趣味で始めたという人や、これからドローンを飛ばしてみたいと思っている人も、DPA認定資格の取得を視野に入れてみるのは良い選択だといえるでしょう。
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