200g未満のドローンは規制の対象外!おもちゃのように楽しめるものもある
ドローンは無人航空機なので、必ず航空法を守らないといけません。飛行区域や飛行方法への様々な規制があります。
しかしながら、実はこの航空法に関しては規制対象外のドローンがあるのです。それが「200g未満のドローン」です。総重量が200g未満のものは、「トイドローン」と呼ばれ、おもちゃとして扱われます。
気軽にドローンを楽しみたいのであれば、200g未満のおもちゃドローンを選べば、航空法の規制を気にすることなく扱えます。
おもちゃドローンでも知っておきたいドローンの注意点
おもちゃドローンと言っても、いわゆる子供の安全を配慮して作られているようなおもちゃとは異なります。小型かつ軽量であっても、機能としては通常のドローンとほとんど変わらないものもあるので、危険があることを覚えておきましょう。
まず、カーラジコンと違って、おもちゃドローンは上空を飛び、前後、左右、上下の3次元の動きをします。空中で停止させるにも操縦が必要なため、おもちゃのような見た目以上に高度な操縦技術が必要です。
また、コントロールを誤ればどこかに飛んで行ってしまう、いわゆる「ロスト」がおもちゃドローンでもあり得ます。同時に回転するプロペラがついているので、人にケガをさせたり、物を破損したりするリスクもあるのです。
おもちゃドローンだからといって軽く見ることなく、ドローンの使用に伴う危険もしっかり認識しておきましょう。
おもちゃ以上のクオリティを感じるトイドローンの選び方
室内でも遊びたい、航空法を気にせず手軽にドローンに触れてみたい、という人はまず、トイドローンと呼ばれるおもちゃドローンから入門してみましょう。
しかし、おもちゃドローンと言えど、数多くの機種があり、どれを買えば良いのか迷ってしまうかもしれません。そこで、おもちゃドローンを選ぶときの4つのポイントを紹介します。
1.機能性
初心者の場合、高度なアシスト機能があるものを選ぶ方がドローンを楽しめます。便利な機能には、以下のようなものがあります。
・自動帰還機能
電波が途切れた場合、自動で離陸地点へ戻ってくる機能です。ホームボタンを押せば自動帰還するので、慣れない操縦に疲れてしまった場合でも安全にドローンを回収できます。
・ホバリング機能
高度維持機能ともいわれ、一定の高度で機体の飛行を維持してくれる機能です。上空で停止させるホバリングの操作は難しいですが、この機能があれば高度コントロールができなくなって天井にぶつけたり、地上に墜落させたりしてしまうリスクを減らせます。
・FPV機能
一人称の映像を見ながら操作できる機能です。この機能があると、操縦しているときにまるで機体のコックピットに乗っているかのような臨場感を楽しめます。
2.操作性
ドローンによって操作の難易度は異なります。そのため、付属のコントローラーの使いやすさをチェックしましょう。また、送信機での操作しかできないドローンよりも、アプリを使ってスマートフォンの画面上で操作できるドローンの方が、初心者でも操縦しやすい傾向にあります。
3.安全性
おもちゃドローンであっても、ドローンに危険はつきものです。特に初心者は安全性を重視した機体を選ぶ方が良いでしょう。プロペラガードはもちろんのこと、プロペラが接触した際に自動で回転を止める緊急停止機能など、安全性のための機能が付いているものがおすすめです。
4.技適マークの有無
国内で販売している機体には技適マークがついていますが、海外製品を並行輸入したものにはついていないことがあります。ネット販売されているものや安価なものには注意が必要です。おもちゃドローンであっても技適マークが付いていない機体は、電源を入れただけでも電波法違反になるので注意しましょう。
子供でもおもちゃのように気軽に遊べるおすすめトイドローン
では、これらのポイントをおさえつつ、おすすめのおもちゃドローンを紹介します。
DJI「Tello」
大手ドローンメーカーDJIが出している重量80gの軽量ドローンです。カメラには手ブレ補正機能が付いています。スマートフォンの画面をスワイプするだけで上下、回転、宙返りといったアクロバティックな操作が簡単にできます。
Parrot「Mambo」
デザイン性が高いことで人気の大手ドローンメーカーParrotの機体です。安定した飛行のできるホバリング機能が付いています。最大の特徴は、物をつかむことのできるアームや、ボールを発射できるキャノンパーツなどのアクセサリーを付けて遊べることです。空撮をするだけでなく、遊び心のあるドローンだと言えるでしょう。
G-Force「INGRESS」
GPS搭載、フルHD撮影ができるカメラを搭載したハイスペックなおもちゃドローンです。小型ですが、広角カメラでダイナミックな映像を撮影できます。ドローンの操縦に慣れてきた人のステップアップのための練習機としてもおすすめです。
200g以上のドローンは航空法の規制により飛ばせる場所が決められている
おもちゃドローンではない、200g以上のドローンだと航空法の規制として空域によって飛行許可が必要です。以下の3つの空域でドローンを飛ばす場合は、安全性を確保したうえで該当する地方航空局長の許可を受けなければいけません。
空港周辺
ドローンが航空機と衝突してしまうのを避けるため、ドローンの飛行が規制されています。すべての空港や滑走路から6km、もしくは24kmのエリアが含まれます。付近でドローンを使用するなら、規制範囲に該当するかどうかを各空港の管理者等に確認するようにしましょう。
人口集中地区の上空
万が一、落下した場合を考え、人口の多い区域の上空の飛行には許可が必要です。この地区は国勢調査の結果に基づいて設定されます。国土地理院のホームページにて、該当するかどうか確認できます。
150m以上の高さ
地表もしくは水面から150mの高さの飛行も規制されています。他の飛行機との接触のリスクがあることや、ドローンがコントロール不可能になった際の落下による被害のリスクが大きいことが理由です。
空域以外にもドローンの飛行方法によっては承認が必要
もう1つの航空法による規制はドローンの飛行方法です。6つのルールに基づいて飛行しなければいけません。
・日の出から日没までの日中に飛行させる
・本体を目視できる範囲内で常時監視しておく
・人や物との間に30m以上の距離を保つ
・祭礼や縁日などの人が集まるイベントの上空で飛行させない
・爆発物などの危険物を輸送しない
・物を投下しない
夜間に飛行させたい、イベントの空撮をしたいなど、この規制に当てはまる飛行方法をしたいのであれば、地方航空局の承認を申請が必要です。
200g未満のおもちゃドローンでも規制対象となる法律もある!
おもちゃドローンだったら、どんな飛ばし方をしてもいいわけではありません。200g未満のおもちゃでも、ドローンに関係する法律の規制対象になります。
電波法の規制
おもちゃと言っても、電波を発して無線操作をするため、無線局の免許が必要です。ただし「技適マーク」が付いていれば免許は不要です。
小型無人機等飛行禁止法の規制
おもちゃドローンでも、飛行してはいけない空域があります。国会議事堂や皇居、官邸などの国の重要施設の上空と周辺地域は200g未満のおもちゃであっても飛行させてはいけません。
文化財保護法の規制
国の重要文化財周辺はドローンの飛行を禁止している場合があります。おもちゃドローンであっても、衝突などで重要文化財を傷つけると文化財保護法違反に当てはまります。
道路交通法
道路交通法では、公道での通行の妨げになる行為を禁止しており、認可申請が定められています。上空を飛行すること自体はこれに当たりませんが、低空飛行や公道での離着陸は「通行の妨げ」になると見なされる可能性があります。
道路交通法の中で明確にドローンについて触れているわけではありませんが、十分注意しましょう。
他にも各自治体の条例によって公立公園での飛行を禁止していたり、他人の敷地内を飛行、撮影することで土地所有権や肖像権を侵害してしまったりすることがあります。
各自治体による条例の規制
都道府県ごとに定めている条例の中でドローンが規制されていることがあります。例えば公園条例で、禁止されている公園内での危険行為としてドローンの飛行が含まれていると、自治体が管理している公園でのドローン飛行はできません。
民法
空撮映像をインターネットなどにアップロードした際に、他人の顔や敷地内の映像が含まれていると、肖像権や個人情報保護法に違反してしまう可能性があります。また、敷地内上空を無許可で飛行することは所有権の侵害に当たります。
こういった飛行場所に関する条例や法律は、おもちゃドローンであっても適用されます。おもちゃだからと言って油断するのではなく、飛行させる場所には充分注意を払いましょう。
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