ドローン飛行における「安全基準」はどうなっている?現行制度や取り組みを紹介!

更新日: 2021.11.24 公開日: 2019.04.24
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ドローンの活躍の場が広がっているのと同時に、注目されているのがドローンの安全基準です。ドローンの墜落事故は実際に起きており、ドローンを安全に運用するための対策は欠かせません。現時点のドローンにおける安全基準と、今度の動きについて把握しておきましょう。

目次

現時点でドローン飛行における安全基準とは?

広く知られている安全基準は国土交通省が発行した「無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の安全な飛行のためのガイドライン」です。この中では平成27年に改正された航空法による安全基準を元に、無人航空機のリスクを把握して事前に安全対策を整えることが求められています。

航空法では飛行ルールが定められており、以下の空域と飛行方法での飛行を規制しています。

規制されている空域

・空港周辺
・高度150m以上
・人口集中地区の上空

規制されている飛行方法

・夜間飛行
・目視外飛行
・人や物との距離が30m未満での飛行
・危険物輸送
・物の投下
・イベント上空

航空法における無人航空機とはドローンを含めラジコン、マルチコプターなどが当てはまりますが、総重量が200g未満のものは「模型航空機」に分類されます。この模型航空機には航空法の飛行ルールが適用されませんが、「空港周辺での飛行」と「高度150m以上での飛行」は規制されているので注意しましょう。

また、ガイドラインでは安全のために飛行マナーや航空法以外の関連する法令、条例も厳守するように求められています。

 

近年のドローン安全基準に関する動き

今後のドローンの産業発展を推し進めることが期待されている、安全基準に関する動きを見てみましょう。

JUAVと損保ジャパンによる認定制度の創設

JUAV(日本産業用無人航空機工業会)と損保ジャパンは安全なドローンの産業運用のために、国内初の「ドローン型式認定保険制度」を設けました。これは、JUAVの自主基準としての安全基準である「JUAV型式認定制度」のユーザーが対人、対物の事故を起こして賠償責任を負った場合の保険制度です。

「JUAV型式認定制度」では、対象となる産業用ドローンに対し、設計、保守点検、操縦者資格、運用、顧客管理の5つの分野での安全基準を設け、それを満たした型式を認定しています。この認定されたドローンの購入や点検に連動して、ユーザーは自動的に「ドローン型式認定保険制度」が付与されるのです。

ドローンメーカーから保険会社までが連携したJUAVの取り組みは、機体の安全性の向上や保守点検の促進、万が一の際の被害者救済システムが整備され、ドローンの安全運用につながることが期待されています。

目視外・第三者上空飛行における安全基準の開発

ドローンを設備点検や宅配サービスで産業活用する際、物の投下や目視外飛行など、航空法の飛行ルールにふれてしまう場合があります。この分野でドローンの活躍を実現化したいのであれば、飛行が承認されるような安全基準を制定し、それを満たさなければいけません。

この流れを受けて、NEDOは目視外飛行、第三者上空飛行における危険を抑制するための安全基準の研究開発に着手しました。地図情報や気象情報を元にした、安全な飛行計画の管理システムや障害物を検知、回避するためのシステムの開発などにより、安全性を高める試みが行われています。

国土交通省と経済産業省も「無人航空機の目視外及び第三者上空等での飛行に関する検討会」を設けて、目視外飛行、第三者上空飛行の実現に向けて動き始めています。これらの安全基準が確立されれば、インフラ点検、ドローンによる宅配だけでなく、災害時に人が入りこめない場所への災害対応など、ドローンの活躍の場は大きく広がるでしょう。

 

安全基準を知るだけではない!ドローン操縦者ができる対策は?

これらのドローンの安全基準を把握するだけでは、操縦者の安全対策として不十分です。少しの不注意で事故は起き得るということを、常に頭に入れておきましょう。

ドローンの事故原因として多いのは、操縦者のスキル不足です。ちょっとしたトラブルが起きた時にパニックを起こし、操縦を誤って墜落させてしまったという事例が発生しています。

トラブルには急激な天候の変化や突風など、気象上予想できないものもあります。そういったケースに冷静に対応できるよう、訓練を重ね操縦スキルを磨くようにしましょう。

また、フライト前の整備、点検を徹底することで、バッテリー切れや通信トラブルなどを防ぐことができます。こうして、日頃の安全への意識を高めることはドローン操縦者にとって欠かせないことです。

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