初期費用がある程度かかるとはいえ、農薬散布ドローンを導入する農家が増えています。機械関連の知識がある人であれば、安価な組み立てキットを購入して初期費用を抑えることが可能です。今回は農薬散布用ドローンの組み立てキットのメリットや注意点について解説します
農薬散布ドローンで作業効率アップ!気になる購入価格は?
農業にロボットなどを活用して効率化を図るプロジェクト「スマート農業」がどんどんと進んでいます。その中でも特に注目されているのがドローンを使った作業です。特にドローンを使った農薬散布は、人力で行うよりも1/5の時間短縮ができ、無人ヘリを使用するよりも安価であるとして導入が進んでいます。
ドローンを使った農薬散布にはたくさんのメリットがあります。無人ヘリよりも安価であることに加えて、機体がコンパクトなので持ち運びがしやすいのが特徴です。一度ドローンを購入してしまえば、農薬散布の順番待ちや悪天候による延期などに悩まされることもなく、自分のペースで農薬散布を行うことができます。
高齢化や人手不足に悩まされている農家はたくさんありますが、若い農業者がドローンによる農薬散布をマスターして、周辺の農家のお手伝いをすることによって、初期費用をあっという間に回収することができたという例もあります。
ドローンは小型で操縦がしやすいため、狭い農地や山間部での農薬散布も可能です。作業中の騒音もほとんどないので、これから農薬散布においてドローンがますます活躍することが予想されます。
従来の無人ヘリの場合は機体にかかる費用が最低でも500万円以上はするため、農家が購入して農薬散布をするには初期費用がかかりすぎます。外注する場合でも、散布面積が広ければ広いほど高額になってしまいます。では、農薬散布用ドローンの購入価格はどのくらいなのでしょうか?
ドローンの大手と言えばDJI社ですが、農薬散布用ドローン「AGRAS MG-1S ADVANCEÐ」を約100万円で販売しています。また、最新機能を凝縮させた新製品「AGRAS T20」は約160万円で発売されています。
エンルートといえば「AC1500」が有名ですが、小型化、低燃費を実現した「AC101」が2020年春シーズンから発売予定です。予定価格は約250万円だと言われています。
マゼックスの「飛助DX」は散布性能を産業ヘリと変わらないほどにして特許を取得した農薬散布用ドローンです。機体本体価格は約98万円です。
各メーカーが改良や価格改正を進めていて、農家としても購入しやすいようになってきていることが分かります。
農薬散布ドローンは自作も可能!組み立てキットのメリット
ドローンは自作することも可能です。実際に空撮用ドローンやレース用ドローンを自作して楽しんでいる人もいます。農薬散布用ドローンも「組み立てキット」を購入すれば自分で作ることができます。
農薬散布用ドローンの組み立てキットのメリットは何といってもその価格です。例えば農薬散布用ドローンを扱っている「ウラニア」では「MP-X1000(5Lタイプ)」を223,000円で販売しています。農薬散布ドローンのパイオニア「スカイロード」は5L散布ドローン「弥七5」を218,000円で販売しています。
注意書きとして「経験者以外は作れません」「フライトコントローラー、送受信機が付属しておりません」と記載されていますが、機械に詳しい人や経験者にとっては問題にならないでしょう。100万円以上する農薬散布用ドローンの購入に比べたらかなり安価であることが分かります。
自作することによって、故障したときに自分で修理することができるのもメリットのひとつになります。
組み立てキットにはデメリットもある!心配ならフルセットを購入しよう
農薬散布用ドローンの自作キットは安価であるというメリットがありますが、デメリットもあるので購入の際にはよく考える必要があります。
海外サイトの自作ドローンでありがちなのが、説明書がなくて数枚の写真を見ながら組み立てなければならないというケースです。それに部品の不良や欠品が加わると、自分が悪いのかキットが悪いのかわからなくなって諦めてしまうことがあります。
組み立て中に分からないことがあったらサポートしてくれるのかどうかを確認してから購入することをおすすめします。しかし基本的に組み立てキットの場合は年間保障やサポートが適用されないことが多いようです。
心配だと言う場合は、業者が飛行・散布可能な状態にまで組み立ててくれるフルセットも販売しているのでおすすめです。その場合は年間保障やサポートが付くので安心です。
実際に農薬散布を開始するためには飛行の許可申請をしなければなりませんが、自作ドローンの場合は機体の安全性を保障しなければならず、複雑な手続きが求められる場合があります。また、保険加入の際に保険会社や補償内容が限られてしまうこともあるので注意が必要です。
これらを踏まえて自信がないという場合は、フルセットの商品を購入するか、一般の農薬散布用ドローンを購入するほうが安心でしょう。
この記事と一緒によく読まれている記事
-
ドローンの操縦に無線技士の資格は必要?必要なケースや資格の取得方法を解説!
-
ドローン測量管理士とは?新しく登場したドローン測量の資格を取得する方法を解説!
-
海でドローンを飛ばす際の規制や必要な許可申請は?海で飛ばす時のルールを解説
-
ドローン国家資格の取り方を解説!取るまでの手順や取得期間はどれぐらい?
-
ドローン国家資格の難易度は高い?試験の合格率や勉強時間はどれぐらい?
-
ドローンを使った橋梁点検とは?メリット・デメリットや橋梁点検で使用される新技術を解説!
-
ドローンの目視外飛行は飛行許可が必要?目視外飛行を行う条件や練習方法を解説!
-
100g未満のドローンを飛ばせる場所を解説!チェックすべき法律や飛行ルールは?
-
ドローンの高さ制限を解説!ドローンを飛ばせる高度はどこまで?
-
ドローンサッカーってどんな競技?ルールや始め方を詳しく解説
-
東京ディズニーリゾートがドローンショーを開催!ショーの中身や見た人の反応は?
-
ドローン操縦士の仕事はない?ドローンの求人数や仕事を得るのに必要なこととは?