農薬散布のためにドローンを導入する農家が年々増えています。では、ドローンによる農薬散布にはどんなメリットがあるのでしょうか、機体はどれくらいの価格で購入できるのでしょうか?
ドローンで農薬散布を行うメリットとは?
高温多湿で生態系が豊かな日本では、多くの虫や菌が発生します。このため、農家は農薬散布を実施して防虫・防除・殺菌をしなければなりません。以前は人がタンクを担いで地道に農薬散布するしかありませんでしたが、それは非常に時間と労力のかかる作業で、農家にとって大きな負担になっていました。
そこで、今注目を集めているのがドローンによる農薬散布です。ドローンを使用すれば手作業の最大60倍の速さで散布が行えます。例えば、DJI社の「AGRAS MG-1P RTK」というドローンは、スペック上、1ヘクタールあたり15分で農薬散布を完了できます。
このように、ドローンによる農薬散布には作業効率の大幅な向上というメリットがあり、これからも導入の動きが広がっていくことが予想されています。事実、昨年に規制が緩和され、自動飛行などの先進的な機能を備えたドローンの開発や、実情に合ったルールの整備が進められています。
ドローンの農薬散布は外注可能?
今までは、農薬散布の外注といえば、無人のラジコンヘリを使ったものでした。これは、農協や民間企業が毎年時期を決めて散布を行うものです。散布の時期になったら目印の旗を農地に立てておくだけで農薬を撒いてもらえます。
日付やタイミングを農家の側で指定することができないというデメリットはありますが、面積が少なければ価格もそれほどかかりません。
ただし、今ではドローンで農薬散布をするという方法が登場し、外注することも可能となっています。外注する場合の価格は、一反(約0.1ヘクタール)あたり3,000円+農薬代が相場となっているようです。でも、これは無人ヘリと比べて価格が特別安いわけではなく、特に大きなメリットはありません。
このため、ドローンによる農薬散布は外注するのではなく、自分で機体を購入して実施するのがおすすめです。機体の価格はそれなりにしますが、長期的に見れば、毎回業者に外注して積み上がっていくコストと比べて安く済む可能性が高いですし、いつでも自分の好きな時に農薬散布ができます。
農薬散布用ドローンの価格はどれくらい?
農薬散布用ドローンの機体の価格は、100万円〜300万円くらいが一般的となっています。
価格が100万円を下回る機体も登場しており、低価格というのを最重視するのであれば購入を検討できると思います。でも、性能や安全性もしっかり確保したいのであれば100万円以上の製品がおすすめです。
価格が100万円以上となると購入を躊躇してしまう方もいるかもしれませんが、無人ヘリの価格が1,000万円以上することを考えると、かなり低価格と言えます。前述の通り、長期的に使用していくことを考えると、決して高い買い物ではありません。
おすすめの農薬散布用ドローン
最後に、おすすめの農薬散布用ドローンをご紹介します。
AGRAS MG-1P RTK(DJI)
1回の飛行で最大1ヘクタールに効率的に農薬散布ができる機種です。DJIによれば、地上での手作業の40〜60倍の速度で農薬散布を実施できます。
・価格:約130万円
・タンク容量:10L
・最大飛行可能時間:10~15分くらい
・最大飛行速度:秒速12m
・自動飛行:対応
・寸法:1471×1471×482mm (アーム展開時)/780×780×482mm (アーム折りたたみ時)※プロペラを含まない
・総重量:9.5kg(バッテリーなし)
AGRAS T20(DJI)
大容量のタンクを備え、散布幅が最大7メートルとなっていることから、上記の「MG-1P RTK」で2往復していた範囲を1往復で終えられるようになりました。つまり、噴霧効率が2倍となっています。
・価格:約160万円
・タンク容量:16L
・最大飛行可能時間:10~15分くらい
・最大飛行速度:秒速10m
・自動飛行:対応
・寸法:1795×1510×732mm(アーム展開時)/1100×570×732mm(アーム折りたたみ時)※プロペラを含まない
・総重量:23.1 kg(バッテリーなし)
AC1500(enRoute)
飛行効率を最大限に引き出す設計と高性能のバッテリーにより、1フライトで広範囲に農薬を散布できます。突然の雨にも対応できる防滴仕様となっています。自動飛行には対応していません。
・価格:220~250万円くらい
・タンク容量:9L
・最大飛行可能時間:15~20分くらい
・最大飛行速度:秒速5.6m
・自動飛行:なし
・寸法:1530×1340×650mm (アーム展開時)/783×715×650mm (アーム折りたたみ時)※プロペラを含まない
・総重量:11.9 kg(バッテリーなし)
今回は、農薬散布にドローンを活用するメリットや機体の価格について見てきました。ぜひ、農薬散布用ドローンの導入を検討してみてください。
この記事と一緒によく読まれている記事
-
ドローンの操縦に無線技士の資格は必要?必要なケースや資格の取得方法を解説!
-
ドローン測量管理士とは?新しく登場したドローン測量の資格を取得する方法を解説!
-
海でドローンを飛ばす際の規制や必要な許可申請は?海で飛ばす時のルールを解説
-
ドローン国家資格の取り方を解説!取るまでの手順や取得期間はどれぐらい?
-
ドローン国家資格の難易度は高い?試験の合格率や勉強時間はどれぐらい?
-
ドローンを使った橋梁点検とは?メリット・デメリットや橋梁点検で使用される新技術を解説!
-
ドローンの目視外飛行は飛行許可が必要?目視外飛行を行う条件や練習方法を解説!
-
100g未満のドローンを飛ばせる場所を解説!チェックすべき法律や飛行ルールは?
-
ドローンの高さ制限を解説!ドローンを飛ばせる高度はどこまで?
-
ドローンサッカーってどんな競技?ルールや始め方を詳しく解説
-
東京ディズニーリゾートがドローンショーを開催!ショーの中身や見た人の反応は?
-
ドローン操縦士の仕事はない?ドローンの求人数や仕事を得るのに必要なこととは?