これまでの測量では、地上測量や飛行機などを使った航空測量などが一般的でした。従来の航空測量においても、ドローン測量においてもやはり重要になるのは、データの正確性です。今回は、それぞれの測量で生じる誤差と、ドローン測量の中でも、さらに誤差が少ないと注目されるRTK搭載ドローンについて解説します。

ドローン測量や従来の測量方法で生じる誤差とは

測量において重要なポイントと言えば、収集したデータの正確性です。

これまで一般的に行われてきた地上測量では、測量を行う範囲すべてを直接的に測量していくため、高い精度を誇っていました。そのため、誤差も少なく、正確なデータを取得することができます。

その一方で、重い測量機器を持ち運びながら行ううえ、広範囲の測量は時間もかかり重労働であったと言えます。

その後、ヘリコプターなどによる航空測量が行われるようになりましたが、地上測量に比べると、労働に対する負担は減ったものの、誤差は大きくなり地上測量に比べると精度が落ちる実情があります。

現在は、ドローンなどのICT（情報通信技術）の活用を推進していることから、ドローン測量が普及しつつあります。

ドローン測量では、空中からすばやく測量ができ、ヘリコプターなどよりも低空飛行ができるため、地上測量の正確性には怠るものの、航空測量に比べて誤差は小さいと言えます。

ただし、ドローン測量のなかでも測位方式がGPSかRTKなのかによっても誤差にちがいが生じます。

「GPS」と「RTK」それぞれのドローン測量における誤差とは

現在、一口にドローン測量と言っても、「GPS」を活用したドローン測量か、「RTK」を活用したドローン測量かに分かれます。

「RTK」を活用したドローン測量は、ここ数年で登場した新しい技術です。

これまで活用されてきたGPS搭載ドローンの「GPS」は、スマートフォンのGPS機能同様に、、GPS機能をオンにすると自分の現在地がわかるように、ドローン自身が常に自分の位置情報を得ているため、測量においても大きく役立ってきました。

ですが、やはり多少の誤差が生じるのが実情です。

そのデメリットを解消してくれるとして期待が高まるのが、ドローン測量の新しい技術「RTK」です。

RTKを搭載したドローンでは、衛星測位システムと地上にある基準局の２つから位置情報を受け取ることができます。

衛星測位システムからの情報のみのGPS搭載ドローンの誤差が約２mに対し、RTK搭載ドローンなら数㎝とわずかな誤差です。

このように、ドローン測量といってもGPSを搭載したドローンか、RTKを搭載したドローンかでも誤差は変動します

より高い精度のデータを求めるのであれば、RTK搭載のドローンを活用して測量することが良いでしょう。

ドローン測量には誤差が少ないRTK搭載ドローンがおすすめ！

ここでは、新しい技術「RTK」を搭載したドローンを紹介します。

・DJI Phantom4 RTK

「Phantom４ Pro」をベースにRTKが搭載されたドローン「Phantom4 RTK

」は、コンパクトで扱いやすく、さらに低高度の飛行を得意としているので、誤差の少ない計測ができるドローンです。

また、１インチCMOSセンサーを搭載しており、高画質データの取得が可能です。「GS RTK」というDJIのアプリを使えば効率的に測量ができます。

「Phantom4 RTK」は、測量に必要なさまざまな技術が搭載されているので、精度や効率面ともに期待ができます。

・DJI Matrice210 RTKV2

「Matrice210 RTKV2」は、FPVカメラや衝突防止ビーコンなど「Matrice200 V2」のすべての機能が搭載されています。下方と上方にはカメラジンバルの設置ができるので、より精度の高いRTK測位を利用できます。

「D-RTK2 モバイルステーション」も対応しているので、活用すれば衛星測位システムからの受信する精度を上げ、建物や山など障害物があっても良好に受信することが可能です。

なお、DJIが発売している「Matrice 600」であれば、RTKシステムの「D-RTK」を搭載することができます。

RTKを搭載したドローンでは、２つの電波から位置情報を取得し正確な計測ができます。そのため、GPS搭載ドローン測量でおこなってきた、地上基準点設置の必要がないので、測量にかかる時間の短縮も期待できるでしょう

このように、測量分野においても日々技術が進化しています。今後、ドローンの活用が拡大されるとともに、測量分野でもさらなる技術の進歩、そして地上測量同等の精度の高さにも期待できそうですね。