ドローンの急速な普及が進み、日本ではここ数年間に、急ピッチで法整備が進んできました。しかし、世界規模で見れば、ドローンの急速な普及にまだ法整備が追いついていないというふうに感じます。
日本は先進国の中でも比較的ドローン規制が厳しく定められていると言われますが、首相官邸でのドローン落下事件など、社会問題になりつつあるという一面があるからでしょう。
この記事では、海外でのドローンの免許・資格などについての法整備や、規制の最新情報についてまとめてみました。
アメリカのドローン規制
海外ではドローンの免許・資格など、法規制の動きはどうなっているのでしょうか。
New York Timesによれば、トランプ政権は2017年5月19日にドローンに関する新たな提案書を提出したとあります。これは、一部例外を除き、国内のドローンを監視、追跡し、酷い場合には破壊までできるようにするといった内容です。
この法案が採択された場合、連邦政府に米国内のドローンをハッキングし、状況によってはそれを回収したり破壊されたりする権限が与えられることになります。
米国では、すでにドローンの飛行禁止区域などがアメリカ連邦航空局(※通称FAA)によって厳しく設定されています。また、飛行する際のルールについても、時速161km以下、高度約122m以下と定められています。目視が必要である点など、基本的なルール設定は日本と大きな違いはないようです。
また、米国ではドローンを飛行する際にパイロットは2年おきに免許を取得することが義務づけられています。その反面、一度免許を取得してしまえば事前に飛行許可を得ることなく自由に飛行させることができるようです。
アメリカではすでにドローンの商業利用について期待が高まっています。そのため、すでにドローンの免許制度があり、海外の法整備は機能的で、日本よりも進んでいる印象があります。
特に厳しいと評判!カナダのドローン規制
海外のドローンの免許・資格などの法規制で、ぜひとも知っておきたいのがカナダの例です。
カナダ運輸局は、2017年3月16日にドローンの娯楽目的の利用について厳しい制限を設けると発表しました。カナダ国内での航空機への接触事故などの増加や、それに伴う不安の拡大が背景にあるようです。
使用するドローンには連絡先情報の記載が義務付けられ、夜間の利用禁止はもちろんのこと、曇天時にも飛行不可になっています。さらには、建物、第三者などから75m以内、空港から9km以内の飛行が禁止されているほか、高度は90m以内と、かなり厳しい制限が設けられています。
今回の規制について、娯楽利用以外の目的の利用については免除されています。ただし、カナダ航空規則及びその他の法律を遵守しなければかなり厳しい罰則を受けてしまうようです。
このように、海外ではドローンの免許・資格・利用などの観点で、日本以上に厳しい規制が敷かれる流れもあります。
ヨーロッパでのドローン規制
海外でのドローンの免許・資格などに関する規制の流れは、ヨーロッパ・EUも例外ではありません。
2017年6月16日、EU航空管制機関はドローンの規制についてEU全体で統一するという提案を発表しました。
現在、ヨーロッパ各国でそれぞれ異なった規制があります。それが、今回の提案によって、標高150m以下の空域について、EU全体でルールが決められることになります。
実際に施行されるのは2019年ごろとのことです。また、今回の提案について、EUの声明によれば、商業利用のための可能性を広げるための法整備というコンセプトのようです。
ヨーロッパでも、イギリスやドイツを筆頭に、機体の登録義務や、免許の取得の義務化、連絡先情報の記載されたステッカーの貼り付けの義務化など、ドローンに関する規制は強化されつつあります。
中国のドローン規制
海外のドローンの免許・資格などに関して、あまり進んでいないのが中国です。
中国では、他の国に比べ、ドローンの普及に対して法整備が順調でないように思われます。中国ではドローンメーカーも多く、他の国に比べてもドローンの普及はかなり進んでいます。それに対して、法整備が順調でないため、ドローンが原因となった事故が多発しているようです。
中国では、実名でのドローン登録が義務付けられました。実は、このシステムは以前から存在していたものの、情報を適当に入力しても登録できてしまったそうで、登録のシステム構造に問題があったと言わざるを得ません。
とはいえ、中国もドローン先進国のひとつであり、最も普及の進んでいる国とも言えるため、今後はドローンについての法整備が急ピッチで進められていくでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、海外でドローンの免許・資格などについての規制状況について詳しく紹介してきました。
ドローンについての規制はどんどん厳しくなっているため、日本国内でも知らなかったでは済まされません。
海外に出てドローンを飛ばす機会はなかなかないかもしれませんが、飛行させる場合は事前にその国のルールについてきちんと把握しておきましょう。
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