ドローンの資格に関する民間試験の一つに「ドローン検定」があります。日本ドローン協会(JDA)とドローン検定協会株式会社などが実施している検定なのですが、具体的にどんな検定なのか、受験料やメリットなどと併せて解説します。
日本ドローン協会(JDA)とドローン検定協会について
2015年11月27日、非営利法人である一般社団法人 日本ドローン協会(以下JDA)とドローン検定協会株式会社は、業務提携によってドローン活用推進事業を協働で行うことを発表しました。
ドローン検定協会株式会社は佐賀県鳥栖市に本拠を構える企業で、JDAが後援となってドローン検定(無人航空従事者試験)を主催しています。
一般社団法人と株式会社という非営利・営利の違いこそありますが、日本ドローン協会(JDA)とドローン検定協会は、ドローンに関する正しい知識や正確な操縦技術を広め、健全な普及を目的として活動を行っています。
急速なドローンの普及に対して法整備やユーザーの知識・技術・モラル等が追いついておらず、相次ぐ事故などを背景に、ドローンに対するネガティヴな見方が広まりつつある現状に危惧した日本ドローン協会(JDA)とドローン検定協会が適切な普及を目指し、業務提携の実現にいたったものです。
日本ドローン協会(JDA)とドローン検定協会が実施しているドローン検定とは
ドローン検定株式会社が主催、日本ドローン協会(JDA)が後援となり、ドローン検定を実施しています。2018年1月21日の開催で15回を迎える検定ですが、具体的にどのような内容なのか見ていきましょう。
〈検定方法と内容〉
検定はマークシート方式の筆記試験のみで行われます。1級~4級に分けられており
・機体の構造、用語などの基礎知識
・飛行に関する特性や電気電子工学
・航空力学や気象学、その他関連法案
などを問う内容になっていて、級を増すごとに出題範囲が広がり難易度も高くなります。1問2点で全50問に回答し、80点以上で合格となります。
〈受験料と受験資格〉
4級:3,000円/誰でも受験可能
3級:5,500円/誰でも受験可能
2級:12,000円/ドローン検定3級取得者
1級:18,000円/ドローン検定2級取得者
〈ドローン検定を受験することのメリット〉
ドローン本体や関連法案などの正しい知識を身につけることができるのはもちろん、そのほかにもさまざまなメリットが存在します。
検定に合格すると「ドローンの飛行履歴・知識・能力を有することの証明書」が発行されます。
これにより、国土交通省に許可承認申請をする際の資格についての証明書として添付できるほか、同省が認定している基礎技能講習のうち4時間分の座学が免除されます。
ほかにも、以下のようなメリットがあります。
・ドローンを使った職業に就きたいと考えている方は自己PRにつながる
・オンラインで飛行経歴を管理できる機能を利用できるようになる
・ドローン検定に合格した際に得られるロゴを名刺やホームページに掲載できる
・ドローンに関するさまざまな手続きの際に優待が受けられる
2018年1月現在、ドローンに関する国家資格等はありませんが、今後創設される可能性が高いと言われており、ドローン検定を受けて合格したという証明書があれば国家試験を受験する際にも有利になるでしょう。
ドローン検定の日程や申し込み方法については、ドローン検定協会の公式ページに詳しく掲載されていますので、ぜひチェックしてみてください。
日本ドローン協会(JDA)とドローン検定協会の取り組みに期待
日本ドローン協会(JDA)とドローン検定協会に限らず、首都圏ではすでにドローンに関連するメーカーや団体などが主体となって安全に飛行させるための講習会などが多数開催されています。
しかし、地方においてはまだまだ実施事例が少なく、ドローンに関して不安視する声が多数あがっているというのが現状です。
とはいえ、2020年には600億円規模になるとも言われているドローン市場ですから、今後より急速に普及が拡大することはほぼ間違いないと考えられます。
それに伴ってドローンを取り入れたさまざまなサービスや新たなビジネスが創出されることとなりますので、必然的にドローンパイロットも増加していきます。
その時、ドローンパイロットが正しい知識や正確な技術、そして身につけておくべきモラルなどを十分理解していないと重大な事故などを招きかねません。
国としてはそうした課題に対して航空法を改正するなどの措置を講じていますが、まだまだ十分とは言えず、日本ドローン協会(JDA)とドローン検定協会など民間企業や団体に協力を要請せざるを得ないのが現実です。
日本ドローン協会(JDA)とドローン検定協会によるこうした取り組みは、日本におけるドローンが健全に発展していくために非常に大切なものとなっていくでしょう。
なお、日本ドローン協会(JDA)は筆記のみならず独自に技能講習や技能試験を取り入れたドローン操縦士認定試験を実施していますので、併せてチェックしてみてください。
ドローンが健全・適切に普及し、安全にそして有意義に飛行させることができるようになるためにも、今回ご紹介したドローン検定やドローン操縦士認定試験などの活動が、今後より一層広く認知され、普及していくことに期待したいところです。
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