ドローンで事業を展開する企業が加盟している団体はいくつかありますが、今回はその中でも国土交通省認定機関のひとつ一般社団法人日本ドローン協会(JDA)について、概要や主な活動、入会方法などをご紹介していきます。
日本ドローン協会(JDA)とは?まずは概要をチェック
日本ドローン協会(JDA)とは、福岡県福岡市、東京都港区にオフィスを構え、ドローンを安全かつ地域社会との調和を保って楽しむための情報発信や環境整備を行うことで、積極的な活用を推進している団体です。
2015年に改正航空法が施行されるなど、ドローンを取り巻く状況は大きく変化し始めていますが、操縦士のモラルや関連法制の正確な理解などが進んでいないのが現状です。
日本ドローン協会(JDA)では、こうした状況を踏まえてモラルを伴った安全飛行の啓蒙活動の一環としてドローン操縦体験ワークショップ、技術講習会、安全講習会、各種検定などを実施しています。
日本ドローン協会(JDA)が提供するサービスには「安全」「研究・開発」「教育・コンサル」「エンタメ」の4つの柱がありますので、一つずつ見ていきましょう。
「安全」
日本ドローン協会(JDA)はドローンによる事故を未然に防ぎ、安全を保って飛行させるために安全講習会、技術講習会、各種検定やセミナーなどを開催しています。
実践的な操縦訓練を積み重ねることで高い技術や知識を習得することができます。
目的別の試験に合格することで、
JDA自家用ドローン操縦士
JDA事業用ドローン操縦士
JDAドローンインストラクター
の認定証明書を取得することができます。
「研究・開発」
日本ドローン協会(JDA)は、農薬散布ドローン、鳥獣撃退ドローン、煙道・配管ドローン、災害時向け業務用レスキュードローン、女性用自撮りドローン、屋外ドローンプラネタリウムなど、ドローンに関するさまざまな研究や開発を行っています。
「教育・コンサル」
日本ドローン協会(JDA)は、企業におけるドローン導入についてのコンサルティングをはじめ、企業PRのための空撮サービスやPV制作を行うほか、国土交通省への許可や承認申請の代行なども請け負っています。
「エンタメ」
エンタメは日本ドローン協会(JDA)が最も力を入れている分野で、ドローンを使ったユニークな遊びや画期的なドローンレース、新たなカルチャーやアートの創造、トレンドの発信など、実験や研究が進められている段階です。
日本ドローン協会(JDA)の活動とは?ドローン検定協会との提携やオートバックスとの協働について
日本ドローン協会(JDA)は、2015年11月からドローン検定協会株式会社と業務提携し、会員制度を設けました。
ドローンに関する最新の法令情報を発信したり、講習会などを積極的に開催したりすることで、操縦士や安全運行管理者が安全かつ適切にドローンを活用できるようになるための環境整備を進めています。
また、カー用品店オートバックスなどを運営する、株式会社オートバックスセブンが2017年11月に配布したプレスリーリスでは、ドローンの健全な普及のため、日本ドローン協会(JDA)と協働で活動を行っていくことが発表されました。
実はオートバックスは、DJI JAPANと正規代理店契約を締結しており、すでに一部店舗でドローンの販売を開始しています。
2015年に改正航空法が施行されたことなどから、操縦技術や関連法制の正しい理解がより強く求められるようになりました。
そこで、オートバックスは日本ドローン協会(JDA)と協働することで、そうした技術や知識を学ぶ場、操縦技術を身につける場の提供を行っていくとしています。
このように日本ドローン協会(JDA)は、操縦士・安全運行管理者の育成に加え、操縦技術や安全に対する意識の向上などを目的とした活動を行っています。
日本ドローン協会(JDA)に入会する方法とは?操縦士募集情報も掲載されている
日本ドローン協会(JDA)では、趣味でドローンを楽しみたい方向けの一般会員と、事業でドローンを活用する方向けの事業用会員を募集しています。
日本ドローン協会(JDA)入会者全員にドローン保険が自動で付帯するほか、技能検査審査料の割引が受けられたり、全国にあるスカイグランド(ドローン飛行場)利用料の割引が受けられたりと、さまざまな特典が用意されています。
特にドローン保険は、操作ミスによって第三者を負傷させてしまった、強風に煽られて落下し第三者の建物を破損してしまった、農作物にダメージを与えてしまったなどの不測の事態はいつ起こるか分かりませんので、加入していると安心感が違います。
日本ドローン協会(JDA)の会員について詳しくは会員募集ページで確認することができます。
また、日本ドローン協会(JDA)会員ではなくドローン操縦士の募集情報も掲載されています。
安定した空撮ができる方であれば、他の団体に所属していても応募可能、空撮の仕事やドローン講習会の講師などが主な仕事になります。
スキルアップを目指したい方は、ぜひ日本ドローン協会(JDA)の操縦士募集情報も併せてチェックしてみてはいかがでしょうか。
国交省登録JDA認定ドローン資格を目指そう!
日本ドローン協会(JDA)では、国交省登録JDA認定ドローン資格の案内を行っています。これは、ドローンパイロットとしての技術を客観的に評価・認定する民間の試験です。用意されているクラスは、インストラクター技能証明書(1級)、事業用技能証明書(2級)、自家用技能証明書(3級)の3つです。
3つのクラスに共通した学科試験があり、各クラスに対応した実技試験があります。この両方に合格すると、証明書が発行されます。講習会も行っていて、フライト技術に関するアドバイスを受けることもできるので安心です。
また、国籍や性別は関係なく、小学生以上の人が受講・受験することができます。外国籍の人は英語でのコミュニケーションができること、受験までに10時間以上の飛行経験が必要などの注意点があるので、事前に確認しておく必要があります。
学科&技能の演習と試験の費用は1級が一般90,000円(JDA会員80,000円)、2級が一般80,000円(JDA会員70,000円)、3級が一般70,000円(JDA会員60,000円)です。すでに学科試験に合格している場合は技能演習と試験のみ、または技能試験のみを受けることも可能です。
JDA会員になっていると会員価格で試験を受けることができます。すべての受講者はドローン保険に加入していることを証明しなければなりませんが、JDA会員はすでにドローン保険に加入しているため、JDA会員証を提示するだけで良いのでお得です。
他にもある!ドローン関連団体を紹介
日本ドローン協会(JDA)の他にも、ドローン関連団体はたくさんあります。それぞれの団体は、ドローンの普及や安全のために様々な活動を展開しています。
全日本ドローン協会
全日本ドローン協会(AJDA)は「ドローンの安全な運用、技術の向上、産業の発展」を目的として活動している団体です。ドローンの基本的な知識や技術を習得できるように、スクールや講習を全国に展開し、子どもから年配の人までがドローンを楽しく利用できるようにしています。
さらに、ドローンを通じた建設業界の発展を目指したり、ドローンを使って災害時の支援を行ったりすることにも力を入れています。
日本建築ドローン協会
日本建築ドローン協会(JADA)は、建築分野の各業務においてドローン技術を活用することを目的として2017年9月1日に設立された団体です。ドローン技術活用のための人材育成、技術支援、標準化などを行っています。
ドローンを建築分野で活用することによって、2次元空間から3次元空間の場に移動できるようになりました。これまでの建築技術にドローン技術を融合させることによって、安全で効率的な作業を行なうことができるようになることが期待されています。
日本水中ドローン協会
ドローンが活躍するのは空だけではありません。日本水中ドローン協会は、水中事業に水中ドローンを活用するために活動している団体です。海洋国家である日本において、水中ドローンの活用は海洋産業の発展の鍵になると期待されています。
水中事業には、水産業、水中土木工事、調査、点検などが挙げられます。日本水中ドローン協会は、水中ドローンを活用するためのエキスパートを育てる人材育成や、水中ドローンの最適な運用のための研究活動を行っています。
国際ドローン協会
国際ドローン協会(IDA)は「ドローンを通じて関わる人の人生を豊かにする」ために存在している団体です。ドローンを楽しみながら世界を広げるためには、飛行と撮影の許可を得ること、飛行操縦技術、映像や写真の撮影技術、編集技術を身に付ける必要があります。
国際ドローン協会は「楽しめるようになること」「仕事を受注できるレベルまで上達すること」「世界で活躍できるようになること」の3つのステージに分けて、講習会や実技演習を行っています。
日本ドローンビジネスサポート協会
日本ドローンビジネスサポート協会(DBA)はドローンをビジネスに活かしたい人をサポートする活動をしている団体です。ドローン関連のビジネスはこれからどんどんと発展することが考えられます。
ドローン関連のビジネスに参入したい、または新技術やサービスを拡大したい場合に、会員間で情報交換を行い、様々なトラブルに対応できるように備えることができます。無限の可能性を秘めるドローンに関する正しい理解と活用、安全な運用を目指して活動しています。
まとめ
日本ドローン協会(JDA)の概要や、主な活動についてご紹介してきました。趣味として個人で楽しむだけでなく、ドローンを活用した事業を行うことができるなど、ドローンには大きな可能性が秘められています。
その一方で、ドローンに関する正しい理解や安全面での教育が必要であることは確かです。日本ドローン協会(JDA)をはじめとし、多くのドローン関連団体がドローンの普及や発展のために活動しているのです。
これからドローンを始めようと思っている人や、スキルアップを目指している人は、自分に合ったドローン関連団体の会員になることを考えてみてはいかがでしょうか。
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