さまざまな分野の産業に取り入れられ始めているドローンですが、これからの時代に求められるのは「より安全に飛行させるための知識や技術」と、技能の基準を満たしている証明となる「資格」です。
今回は複数ある民間試験の中でも日本ドローン協会(JDA)が行っている「ドローン操縦士認定試験」について概要をご紹介します。
日本ドローン協会(JDA)が行っているドローン操縦士認定試験について
日本でも年々ドローンユーザーが増えています。個人のみならず、農業、物流、建設、空撮など、さまざまな分野の産業において積極的にドローンを導入する動きが出ており、今後数年の間に市場は一気に拡大するものと言われています。
そんな中、2015年12月10日に改正航空法が施行されてからは「より安全に飛行させる」ことが最重要事項となりました。
そこで、一般社団法人 日本ドローン協会(以下、JDA)は、ドローンの民生分野での積極的な活用および、ドローン技術に関する安全教育、人材育成などを通じて健全な発展と普及を目指すべく、いち早く「ドローン操縦士認定試験」を開始しました。
まずは、日本ドローン協会(JDA)の「ドローン操縦士認定試験」の概要について、一般的なコースの内容をご紹介します。
〈1日目〉
日本ドローン協会(JDA)の「ドローン操縦士認定試験」では、学科の講習および試験、翌日に行われる技能試験の内容説明と練習が行われます。講習内容は次の9科目です。
・基礎知識
・航空法
・電波法
・プロポ
・気象
・バッテリー
・安全飛行について
・ドローン制御
・その他実践で役立つTips
〈2日目〉
日本ドローン協会(JDA)「ドローン操縦士認定試験」の2日目は試験科目のデモフライト、技能講習、自主練習、技能試験が行われます。
なお、日本ドローン協会(JDA)「ドローン操縦士認定試験」の講習や試験は次のような認定の目的別に分かれて行われます。
・自家用操縦士技能証明書(初級クラス)
趣味でドローンを飛ばしたい方、これから事業用パイロットを目指そうとする方向けで、最低限の基礎知識と技術を身につけたかどうかをJDAが認定するものです。離陸、前進後進、左右移動、着陸などを検定します。
・事業用操縦士技能証明書(中級クラス)
すでにドローンの飛行時間50時間を超えており、空撮スキルがあると認めた方に対して個人面接を実施後、日本ドローン協会(JDA)が認定するものです。ホリゾンタルトライアングル、ピルエット、水平飛行20m、360度旋回飛行などを検定します。
・インストラクター技能証明書(上級クラス)
ドローンの飛行時間50時間を超えており、事業用操縦士よりもさらに高度かつ人に教えることができる知識や技能があると認めた方に対し、個人面接を実施後に日本ドローン協会(JDA)が認定するものです。720度ピルエット、8の字飛行2種類、バーチカルトライアングルwithピルエットの2種類を検定します。
*ドローンを飛ばしたことがない方、飛行経験が少ない方は初級クラスから受講することになります。また、当日に初級クラスと中級クラスを並行して受けることはできません。
*学科については日本ドローン協会(JDA)の学科講習および学科試験に合格する必要があります。
日本ドローン協会(JDA)による「ドローン操縦士認定試験」の費用など
〈学科講習と学科試験、実技講習と実技試験のすべてを受ける場合〉
自家用操縦士技能証明:70,000円(JDA会員は60,000円)
事業用操縦士技能証明:80,000円(JDA会員は70,000円)
インストラクター技能証明:90.000円(JDA会員は80,000円)
となります。
そのほか、実技講習と実技試験のみ、あるいは学科講習と学科試験のみといったコースを選択することも可能です。
日本ドローン協会(JDA)の「ドローン操縦士認定試験」を受ける方法
日本ドローン協会(JDA)の「ドローン操縦士認定試験」を受けるには、次の3通りの方法があります。
・日本ドローン協会(JDA)主催の全国一斉試験を受験
開催する時期については、随時ホームページ上で案内しています。
・日本ドローン協会(JDA)公認団体の技能検定講習試験を受験
日本ドローン協会(JDA)が主催する全国一斉試験は当面のところ関東と九州での開催になる見込みですが、公認団体は随時募集されており、今後全国的に広がっていくものと思われます。
そのため、希望者にとっては公認団体の技能検定講習試験の方が“受けやすい”と言われています。
・日本ドローン協会(JDA)主催の臨時試験を受験
希望者が多い場合はホームページ上やFacebookページで告知して開催するとしていますが、不定期のため随時チェックしておく必要があります。
日本ドローン協会(JDA)による「ドローン操縦士認定試験」は受けるべき?
日本ドローン協会(JDA)は民間団体ではありますが、国土交通省が指定するレベルの基準を満たす試験内容を実施しています。
そのため、「ドローン操縦士認定試験」に合格したのちに得られる各種証明書の効力という意味においては今のところ非常に高いと言えます。
今後さらに法整備などがなされ、ドローン操縦士の国家資格が創設される可能性が取りざたされていますが、その時になって日本ドローン協会(JDA)の各種証明書を取得していることは大きなアドバンテージになるかもしれません。
また、それ以前に、やはり安全に飛行させるための正しい知識と確かな技術は身につけておくべきです。
そうした観点からも、日本ドローン協会(JDA)が行っている「ドローン操縦士認定試験」はぜひ、受けておきたい試験と言えるでしょう。
この記事と一緒によく読まれている記事
-
ドローンショーの仕組みを解説!演出や操縦はどうやっている?
-
ドローンを使ったスマート農業を解説!農業用ドローンの主な用途とは?
-
ドローンの免許(国家資格)の取得には年齢制限がある?何歳から取得できる
-
水中ドローンの操縦に免許は必要?水中ドローンに関する資格を解説
-
ドローンの操縦に無線技士の資格は必要?必要なケースや資格の取得方法を解説!
-
ドローン測量管理士とは?新しく登場したドローン測量の資格を取得する方法を解説!
-
海でドローンを飛ばす際の規制や必要な許可申請は?海で飛ばす時のルールを解説
-
ドローン国家資格の取り方を解説!取るまでの手順や取得期間はどれぐらい?
-
ドローン国家資格の難易度は高い?試験の合格率や勉強時間はどれぐらい?
-
ドローンを使った橋梁点検とは?メリット・デメリットや橋梁点検で使用される新技術を解説!
-
ドローンの目視外飛行は飛行許可が必要?目視外飛行を行う条件や練習方法を解説!
-
100g未満のドローンを飛ばせる場所を解説!チェックすべき法律や飛行ルールは?