拡大を続けるドローンビジネス、今後の可能性や課題とは?

更新日: 2021.11.19 公開日: 2019.02.05
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多くのメディアに取り上げられるようになり、今後も拡大を続けると見込まれるドローンビジネスですが、その一方で指摘される課題があるのも事実です。
この記事ではドローンビジネスの課題を解消し、さらなる成長を目指すうえで必要なことをまとめていきますので、ぜひ参考になさってください。

目次

ドローンビジネスの市場規模や成長予測は?

(株)インプレス総合研究所が2018年3月に発表した調査結果によれば、機体、サービスおよび周辺サービスの総額は、2016年度が実績で353億円、2017年度が503億円と予測しており、ドローンビジネスは今後も大きく拡大することが見込まれています。

同調査の予測では、2020年度は1,753億円、2024年度には3,711億円まで伸びると予想しています。これは2017年度に対して2020年度が約3.5倍、2024年度は約7.4倍の市場規模となります。

この調査で“機体”とは業務用の完成品の販売金額であり、“サービス”とはドローンを利用した業務を提供している企業の売上金額、“周辺サービス”とは電池などの消耗品の販売およびメンテナンス費用や人材育成などの金額です。

ドローンビジネスのうち、特にサービスの伸びが著しく、2017年度比で2020年度は約5.9倍、2024年度は約16.3倍と予測しています。これは機体の伸びより2倍ほど高い伸びとなります。

 

ドローンビジネスで注目されている分野の展望と課題

ドローンビジネスというとまず思い浮かべるのは写真や映像の分野だと思いますが、主なサービス市場としては、物流、土木および測量、インフラ設備点検などを挙げることができます。

インプレスでは、サービス市場について分野別の市場規模も発表しています。

物流

2017年度は0円でしたが、2020年度には30億円、2024年度に100億円まで成長すると予測しています。物流では遠距離を飛行することが通常と考えられ、高度な自動飛行と荷物の受け渡しの簡易化の実現が課題となりそうです。

土木・測量

インプレスの調査では測量に土木も含まれていると考えられます。2017年度は23億円でしたが、2020年度は188億円と大きく伸びることが予想されています。ただし、2024年度は186億円と頭打ちとなっています。この結果は2020年までのオリンピック特需の終焉が、ドローンビジネスにも反映されているためと考えられます。

インフラ・設備点検

インプレスの調査では検査にインフラも含まれていると考えられます。2017年度は5億円でしたが、2020年度は219億円と大きく伸び、2024年度は970億円とこれも大きく伸びるとされています。課題としては、変化する風の中で安定して飛行できるかが挙げられます。

その他に、農業分野への利用も進み、2017年度の108億円から2024年度には760億円まで急拡大すると見込まれています。

 

ドローンビジネス業界全体の課題とは?

市場別の課題とは違った観点で、ドローンビジネス業界全体で解決すべき課題もあります。それが安全性の確保と法整備の問題です。

ドローンが様々な場面で使われるようにつれてドローンが関係する事故も多くなり、国土交通省の発表では2017年度だけで61件に達しています。このうち58件が墜落事故です。

物流では住宅地を長時間飛行する場合が考えられ、高度な安全性が要求されます。そうした安全性の確保が証明されない限り、物流で広くドローンが活躍することはできないでしょう。ドローンの安全性の確保は、ドローンビジネス上の重要な課題といえます。

行の法律ではドローンの産業利用に関して課題があります。例えば、私有地の上空を飛行するには土地所有者の許可が必要です。飛行範囲を特定しない包括申請という手段もありますが、鉄道や高速道路の近く、催し物会場の上空などは原則として対象外です。

ドローンで事故が起きた際の責任の所在が現行法では曖昧であることも課題といえます。製造を行ったメーカーに責任があるのか、ドローンの運航を管理していた企業にあるのかといった問題です。

ドローンを様々な場面で利用するうえで、まだ解決しなければならない課題があります。しかし、こうした課題もメーカーの努力や国の制度改正の努力によって解決に向かうことで、ドローンビジネスが広がっていくことが期待できます。

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