ドローンを購入して誰もがうらやむような空撮映像を撮影したいと考えている人は多いですよね。そこまでドローンに興味があるのであれば、ドローンに関する雑学も知っておくといいでしょう。今回はドローンの語源について、諸説を紹介していきます。
ドローンの定義とは?
テレビや雑誌など様々なメディアで「ドローン」を見聞きすることが増えてきたため、ほとんどの方がドローンという言葉は知っているかもしれません。しかし「ドローン」とは、正確には何を指すのでしょうか?
ドローンを別の言葉で言い換えると「無人航空機」となります。無人航空機は何が含まれるのか、航空法では以下のように定義されています。
「飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの。総重量が200g未満のものを除く」
ポイントとしては、
・構造上人が乗れない
・遠隔操作、または自動で操縦できるもの
これらが無人航空機の定義と言えるでしょう。
これらには、マルチコプター、ラジコン機、農薬散布用ヘリコプターなどが当てはまります。ただし一般的にはもっと多くのものを含むことがあります。例えば200g未満のマルチコプターや水上、地上を動く無人機がドローンと呼ばれることもあるようです。
定義と一般の使われ方が異なるので少しあいまいな部分がありますが、たいてい「ドローン」と言ったら、プロペラで飛行するマルチコプターを指していることが多いでしょう。
ドローンの語源その1:「雄バチの羽音」
「ドローン」という言葉も一般的になりつつありますが、そもそもなぜ、ドローンという名前がついたのか、語源を知る人は少ないのではないでしょうか。
ドローンの語源には大きく分けて2つあり、その1つが「雄バチの羽音」からきているといわれています。
ドローンは複数のプロペラを高速回転させることによって飛行させます。飛行時には大きな音が鳴りますよね。その音をよく聞いてみると、何かの虫の羽音のように聞こえてくるはずです。
ドローンを英語にすると「Drone」となりますが、これは英語では雄バチという意味があります。このことからも、雄バチの「ブーン」という羽音と、ドローンの飛行音がつながったといわれています。
ドローンの語源その2:「第二次世界大戦の訓練機の名前」
もう1つの語源としては第二次世界大戦時のイギリス軍で使われていた射撃訓練用標的飛行機「クイーン・ビー」からきているといわれています。
クイーン・ビーは日本語に直すと女王蜂となりますね。第二次世界大戦期に使われていた無線操縦飛行機と、現在のドローンが似ていることから、英語の「Drone」という名前が付けられてのではないかといわれています。
この2つの語源に関する諸説ですが、どちらも蜂が語源になっていることが分かります。どちらも語源としての根拠がありますし、知っておくと雑学を披露する機会があるかもしれませんので、覚えておくといいでしょう。
「ドローン」以外にも呼び方がある?
ドローンとは何か調べていると「マルチコプター」や「UAV」という言葉もよくでてきます。マルチコプターやUAVはドローンと同意義なのでしょうか。これらが指すものは何なのかも見てみましょう。
マルチコプター
ヘリコプターの一種で、3つ以上のローターで飛行するものを指します。マルチコプターは有人か無人かは関係ないため、マルチコプターと呼ばれるものが全てドローンとは限りません。しかし実際には、マルチコプターと言われている時にはドローンを指していることがほとんどです。4枚翼のものを「クアッドコプター」、6枚翼のものを「ヘキサコプター」と呼ぶこともあります。
UAV
無人航空機のことを指します。無人航空機の定義をすでに見てきた通り、UAVとドローンはほぼ同じものを指していると言えるでしょう。ちなみにUAVは「Unmanned Aerial Vehicle」の頭文字を取ったものです。
一般的に知られるようになるまでのドローンの歴史
ドローンの存在が多くの人に知られて様々な分野で活用されるようになったのはここ数年ですが、ドローン自体はもっと以前より使われていました。
その歴史は20世紀まで遡り、第二次世界大戦中にはドローンに爆弾を搭載して、無人の爆撃機として活用する研究がされています。墜落による操縦者の死傷や捕虜となる危険を回避するものとして注目されたのでしょう。しかし、その時点ではまだ研究段階として、実用化されるほどの性能はなかったようです。
その後も軍事開発は続き、アメリカ軍による「プレデター」という無人航空機が開発されています。プレデターはアフガニスタン戦争やイラク戦争でも使用されました。
このように、ドローンの歴史は軍事利用として始まり、つい最近までドローンは軍事利用するものとして存在していたということになります。
日本では1987年にヤマハが「産業用無人ヘリコプター」というヘリコプターを模した無人機を販売します。この後、本格的な民間利用が進むようになり、現在のように産業分野だけでなく個人の範囲でもドローンが知られ、親しまれるまでに至ったのです。
ドローンが一般的に知られるようになったきっかけとは?
ドローンの語源の他に、ドローンが現在のように浸透していった流れについても知っておきましょう。
国内では、2015年に発生した「首相官邸ドローン墜落事件」までは、「マルチコプター」や「UAV(無人航空機)」と呼ばれていました。
一方、世界的に「ドローン」という言葉が一般的になったのには、2010年にParrot社が発売した「Parrot AR Drone」がきっかけといわれています。
スマホによって簡単に操作できる小型のドローンとして販売され、当時はラジコンに代わる新しいおもちゃとして位置付けられていました。
それまでは、農薬散布などの用途で使われていたドローンですが、ホビー向け商品として広く知れ渡ったのは、この「Parrot AR Drone」の影響が強いといわれています。
その後、2013年には、現在ドローン市場のシェアの大半を占める「DJI社」の人気商品「ファントムシリーズ」が発売されます。
これまでの無人航空機に小型のカメラを搭載することによって、ドローンを飛行させながら空撮映像を撮影するという使い方が浸透していきました。
このカメラを搭載するという斬新さと、空撮映像を大幅に簡易化したことがきっかけとなり、ホビーユース向けに一般化されていくこととなりました。ドローンが一般的になっていく中には、この「Parrot社」と「DJI社」の影響が強いことがわかりますね。
これからドローンを始めようと思っている方は、ぜひともこのような知識も併せて知っておくと、ドローンの奥深い世界をより堪能することができます。
すでにドローンを持っている人も、こういった語源などの雑学を初めて聞いたという人もいるはずなので、知らない人に話してあげてみてはいかがでしょうか。
ドローンの種類とこれからの活躍分野
軍事利用のために開発されたドローンも、今では私たちの生活をより便利にするために活用されています。今やドローンは民間活用されることで、活躍分野を広げています。
民間用のドローンの中でも、ドローンの種類は大きく3つに分けられます。
産業用
農業で用いる「Agras MG-1」、整備点検用の「MATRICE200」などが産業利用を目的としたドローンです。産業用ドローンは様々な分野で活躍しており、今後の発展が期待されています。
レース用
スピードを競うドローンレースが開催されています。レース用ドローンは、スピードはもちろんのこと、精密な操縦と一人称視点操縦であるFPV操縦で臨場感のあるレースを楽しめます。
ホビー用
趣味として写真や動画の空撮目的での利用です。多くの人にとってはこのホビー用が最も身近なドローンかもしれません。どれくらい本格的に行うかは機体によって左右され、性能の良いカメラを搭載していればかなりクオリティの高い空撮が行えます。
手軽に空撮をしたい人は改正航空法による規制適用外の200g未満のドローンがおすすめです。価格も1万円以下で手に入るものが多く、簡単に始められます。一方、カメラにもこだわって本格的に行なうなら機体価格は高価になりがちで、十数万円するものも多くあります。
近年では産業分野でのドローン操縦を請け負う「ドローンオペレーター」としての仕事も注目されており、新たな職業技術としても期待されています。ドローンの産業活用されている分野には、このようなものがあります。
・農業の農薬散布
・災害、救援時の状況確認
・配送
・空撮によるメディア媒体の撮影
・警備、点検
どれもドローンを活用することで効率化され、コストと時間の削減、安全性の向上というメリットがあります。今後ドローンの活躍の場はますます広がっていくでしょう。
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