メディアなどにドローンが取り上げられ始めたのはわずか数年前ですが、日本はもちろん、世界中でドローンはすでに様々な分野に活用され始め、今後急激に市場規模が拡大し、数々のドローンビジネスが誕生することが予想されています。
様々な分野に活用され、急成長が期待されているドローン市場
映像、測量、インフラ点検、物流、災害対策、農業、スポーツ……ここ数年で急速に認知度が上がり始めたドローンですが、すでにこういった様々な分野への活用が始まっています。
中にはまだ試験的な段階のものもありますが、ビジネスとして実用化されているケースも少なくありません。
アメリカのダラスに本社を構える世界的な調査会社MarketsandMarkets(マーケッツアンドマーケッツ)によると、世界のドローン市場規模は2020年までに56億ドルにまで成長すると予測されています。
日本においても例外ではなく、インプレス総合研究所による「ドローンビジネス調査報告書2017」では2016年までは154億円だったドローン市場規模が、わずか6年後の2022年には9倍の1,406億円に達すると予測されています。
つまり、私たちが思っているよりもはるかに速いスピードで一気にドローンビジネスの市場規模が拡大していくことが予測されているのです。
現在、ドローンは、
・構成部品の標準化、生産規模の拡大による価格低下
・フライトコントローラーやセンサー類による自動制御
・スマホやタブレットとの連携による操作性の向上
・ユーザーの拡大によるコミュニティの発達
など手軽に取り組める要素が揃い始めています。
さらに、各分野の産業面においてドローンを活用した様々な実証実験が日々行われています。
今まではドローンと無関係と思われていた分野についても実証実験によって具体的な成果が出始めたことで、さらなるドローンビジネスのイノベーションが巻き起こることが予想されます。
ほんの数年後のごく近い将来、ドローンは私たちの生活に非常に身近なものとなり、また私たちの生活を大きく変化させることになるでしょう。
ドローンはなぜこんなに急速に産業活用が進むのか?
ドローンが産業にこんなにもインパクトを与えている理由はどこにあるのでしょうか?答えはその「特性」とドローンがもたらす「メリット」にあります。
ドローンの代表的な特性
ドローンはその飛行特性によって、
・目的地まで最短距離で飛行する
・障害物を避けながら飛行する
・ホバリングして空中で静止する
など様々な飛行ができます。
これらは技術革新により年々安定性を増してきていると同時に、ロボットアームを搭載したドローンの開発が進んでいることで危険地域での直接作業が可能になると予想されます。
また、ドローンにカメラやセンサーを搭載することで上空からの空撮や、人が立ち入れない場所のデータを取得することも可能です。
併せて膨大な量のデータ、複雑なデータなどの解析技術も飛躍的に向上しており、産業に活用可能な様々な情報を入手することができるようになりました。
さらにもう一つ、ドローンを自動運航モードにすることで飛行を自動化することができ、これによってルートをあらかじめ設定しておけば細かい操縦を行うことなく作業を自動化することができます。
ドローンを活用するメリット
たとえば測量においては、人の手や航空機を手配して行ってきた測量業務を、ドローンを活用した測量にすることで大幅に効率化・低コスト化できるようになりました。
また、ドローンの特性を活かすことで、アイデア次第でこれまでになかった新しいドローンビジネスやサービスを生み出すことができる可能性が大きく広がりました。
その生み出した新しいサービスに対応できる機体やシステムの開発等、課題はありますが、それが実現すれば社会的に大きなインパクトを与えることができる可能性があるのです。
このように、ドローンが持つその特性や、得られる様々なメリットが認知されるにつれ、産業活用が急速に進んだのです。
地方で活発化するドローンビジネス
人口密集地で飛行させるには地方航空局長の許可が必要だったり、墜落事故などが起きてしまえば、人、物、交通機関などへの多方面の影響が懸念されたりするなど、都市部におけるドローンの飛行には様々な制限が存在します。
その一方、ドローンビジネスは都市部に比べると比較的自由に飛ばすことのできる地方で活性化しているようです。
徳島県那賀町
ドローン推進室を設けて空撮に最適なお勧め飛行スポットをまとめたロードマップを公開したり、ドローンの林業活用の実証実験を行ったりするなど、ドローンを活用した町おこしが進められています。
秋田県仙北市
2016年に国内初となる国際ドローンレースを開催して話題になった仙北市では、それ以外にもドローンによる図書配送システムの実証実験などが行われています。
福岡県北九州市
ドローンを活用した点検技術の研究開発と実用化を目指す地元企業に対し、実験場所の提供、行政機関への申請手続きの補助、地元自治体との仲介、広報PRなど様々な支援を行っています。
国が行うドローンへの取り組み
アベノミクス第三の矢「民間投資を喚起する成長戦略」の要となる国家戦略特区(上記仙北市や北九州市など)において、このように将来に繋がる実験的な取り組みが行われていますが、この動きをさらに柔軟にしようという「レギュラトリー・サンドボックス」制度が考えられています。
これは、最先端技術の実証を行おうとする、いわば「挑戦者」向けに、その自由度を向上させる制度とされています。
本制度が国会で成立すれば、ドローンを用いたビジネスの実証実験を行うにあたって必要な「関係機関との事前調整の簡略化」や、承認を得ることが大変難しいとされる「第三者上空飛行」の承認基準の緩和などが期待されています。
経済産業省公式サイトのドローンのページでは「空の産業革命に向けたロードマップ」を公開しています。
この中で政府は、
“2020年代頃以降に有人地帯(第三者上空)での目視外飛行による小型無人機の利活用を本格化させる。それらの目標を達成するために必要となる技術開発と環境整備を、国際的にも連携しながら、官民が一体となって進めていく。”
と明記しています。
わずか3年後以降の話です。もしこれが実現すれば、都市部を始め、日本国内のいたるところでドローンが上空を飛び、私たちに様々なサービスを提供してくれるという時代がやってくることになります。
ドローンビジネスへの参入は今がチャンス
ドローンを活用した取り組みは、各分野の各企業が研究を始めたばかりの段階です。ここには大手企業、ベンチャー企業などの格差はありませんし、個人事業主にもそのチャンスは同じように与えられています。
アイデア次第で社会にイノベーションを巻き起こすことも可能なドローンビジネスへの参入は、今が最適なタイミングと言えるのではないでしょうか。
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