導入が進むドローンのレーザー測量の特徴とは?写真測量の違いなども交えて解説!

更新日: 2021.11.24 公開日: 2019.01.08
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ドローンは、さまざまな分野の産業に導入されています。その中でも、この記事では建設業界にフォーカスし、ドローンを用いたレーザー測量について、その特徴や、写真測量との違いなどを解説していきます。測量をはじめ、将来的にドローンを用いた仕事に就きたい人は、最新情報を常にチェックしておくことが大切です。

目次

実は導入が進んでいる!ドローンのレーザー測量

物流業界におけるドローンの導入は、消費者にも直接的に関わってくるため、メディアで取り上げられることも多くあり、その存在を知っている人も多いと思います。

しかし実は、建設業界におけるドローンの導入が、今、急速に進んでいるのをご存知でしょうか?

これは、国土交通省が、建設現場における労働環境の改善や、生産性を向上させる目的で、情報通信技術や3Dモデリングなど、最新技術の導入を進めているためです。具体的には「i-Construction」と呼ばれています。

これまで、測量といえば、航空機を用いた写真測量、人が歩いて行う方法などがありました。しかし、現在では効率化の観点から、ドローンにカメラを搭載したり、レーザーを搭載したりして測量を行うケースが増えています。

 

ドローンのレーザー測量の特徴や写真測量との違いは?

ドローンのレーザー測量のメカニズムや、写真測量との違いなどを見ていきましょう。

まず、メカニズムですが、ドローンに搭載したレーザー発振器が、測量対象となる地上に向けてレーザーを照射します。

それによって、地表に当たったレーザーが跳ね返って戻ってくることで得られる距離情報、さらにGPS(GLONASS=人工衛星を活用したロシアの測位システム)から得られる位置情報などから、地表の状態を精密に捉えることができるという訳です。

ドローンのレーザー測量の大きな特徴は、地形の3次元情報を直接的に計測することができる点です。

たとえば、森林や山といった地点を測量する場合、航空測量や写真測量では、樹木が邪魔になり、地表のデータを精密に取得することが困難でした。

人が直接行うにも、そうした場所には容易に入っていけないことが多く、膨大な時間を消費してしまうことから、効率が悪い方法でもありました。

その点、レーザー測量で発射するレーザーは数が多く、葉と葉の隙間から地表にレーザーを当てることができます。そのため、測量にかかる時間はもちろん、航空測量や写真測量と比べて圧倒的に高精度なデータを取得できるというメリットを実現しました。

しかし、同時に課題もあります。

できるだけ地表に近い位置で測量することで、より精密なデータを取得できる訳ですが、起伏が激しい地点などでは、ドローン操縦士の高く正確な技術が問われることになります。この課題は、ドローンの自動航行システムによって解決する方法が練られています。

また、レーザー測量で使用する機器は数百万円~1,000万円近いものまであるため、導入コストが膨らんでしまうこと、保険料といった維持費が高いこと、減価償却の償却率が悪いことなどといった点はデメリットと言えるかもしれません。

 

ドローンのレーザー測量で高いニーズを誇るTerra Droneとは

日本におけるドローン測量分野のパイオニアとも言えるのがTerra Drone株式会社です。

Terra Droneの「レーザードローン」では、ミドルエンドモデルのVelodyne社製、またはハイエンドモデルのRiegl社製という2種類のレーザーを採用し、幅広いニーズに対応しています。

また、「Terra Mapper」と名付けられた、独自のドローン専用画像処理ソフトを開発し、話題にもなりました。

CPU Corei7以上という推奨スペックを満たしたノートパソコンであれば、現場でも処理できるように作られているため、作業効率が大幅に向上するだけでなく、コスト削減にもつながるとして、利用者が増えているサービスです。

日本の測量技術は、世界でもトップレベルであると言われています。ドローンを用いた仕事に就きたいと考えている人は、レーザー測量を始め、ぜひ、こうした日本メーカーの動きにも注目しておいた方が良いでしょう。

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