ドローンで撮影するというと屋外をイメージしがちですが、室内で撮影練習を重ねてスキルアップすることも大切です。基本的な操作を覚えておくと、いざ屋外で空撮をするときに役立ちます。この記事では、室内で撮影可能なおすすめのドローンを紹介していきます。
ドローン撮影で室内練習をおすすめする理由
ドローン撮影を始めたいと思っている人、すでにドローンを購入したという人でも、いざドローンを飛ばそうとしても、飛ばす場所を探すのが困難だと感じることは少なくありません。
なぜなら、都心を中心にDID(人口集中地域)地域が多くあり、ドローンの使用が航空法によって規制されているからです。気軽に毎日練習したいと思っていた人にとって、ドローンを飛ばすことは、思っていた以上にハードルが高い行為だと言えるでしょう。
200グラム未満のドローンは航空法規制対象外になりますが、それでも各市町村の条例などにより、禁止されている場合がほとんどです。せっかくドローンを購入したのに、自由に練習する場所がないのは非常に残念なことです。
そこで、おすすめしたいのが室内での練習です。室内であれば規制はないので、自由にドローンを飛ばすことができます。自宅にある程度の広さの空間を確保することができれば、毎日好きな時に練習をすることができます。
室内練習を積み重ねておけば、いざ屋外でドローンの飛行許可を取ったときに、失敗や事故を最小限に抑え、思う存分楽しむことができるでしょう。
ドローンによる室内撮影、実は難しい?ポイントはここ!
一般的に、ドローンによる室内撮影は難しいとされています。その理由はいくつかありますが、主に次のようなポイントが考えられます。
天井が低い
一般的な室内は2.5~3m程度のため、ドローンを高く飛ばすのが難しいです。
影が映り込みやすい
床との距離が近く、室内灯の位置によっては、カメラに影が映り込みやすくなります。
十分なスペースの確保が難しい
家具や家電、その他生活用品があると、ドローンを飛ばすための十分なスペースの確保が難しくなります。
モノにぶつかる、モノが飛んでしまう
壁や照明、その他家具、家電などにぶつかったり、ドローンのプロペラの風によって飛んでしまったりすることがあります。
操縦者の立ち位置や電波も重要
操縦者の立ち位置によって、電波が十分に届かなかったり、同じ室内でも障害物があることで、ドローンが受信できる電波が弱くなったりしてしまうことも考えられます。
このような理由から、ドローンによる室内撮影は難しいと言われています。
しかし、上記のポイントを踏まえたうえで、室内で飛ばすことにより、基礎的な撮影技術や操縦技術を身につけることは十分に可能です。
室内撮影には室内撮影の魅力があります。ドローンによる撮影=屋外と思ってしまいがちですが、こうした室内撮影の魅力もぜひ、味わってみてはいかがでしょうか?
初心者もできる!室内での練習法とは
室内練習でドローンの操縦に慣れておけば、いざ屋外でドローンを飛ばすときに十分に楽しむことができます。まずは、基本的なドローンの操作を覚えましょう。
離陸とホバリング
ワンタッチで自動離陸し、一定の高さでホバリング(ドローンを空中で静止させること)してくれるドローンがあります。最初はドローンの動作を確かめて、慣れてきたら自力で離陸とホバリングができるように練習しましょう。
プロポ(コントローラー)の操作は基本的にゆっくりと行うようにしますが、離陸の際には、ある程度の思いきりの良さも必要です。操作の感覚がつかめるまで何度も練習するようにしましょう。
左右移動と前後移動
ホバリングができるようになったら、ドローンを左右前後に移動させる練習をしましょう。一定の高さを保ちながら移動することは、意外に難しい操作です。レバーをゆっくりと傾けながら、操作感覚を身に付けましょう。
着陸
着陸はゆっくりとドローンを地面に近づけてから、そっと行います。着陸が上手にできるようになったら、いくつかの着陸地点を作って、狙った地点に着陸できるように練習しましょう。
着陸、離陸、前後左右の移動のコンビネーションで、思い通りにドローンが動いてくれるように練習を繰りかえすことも重要です。最初は思い通りにコントロールできずに壁にぶつけてしまうかもしれませんが、何度も練習することによって感覚をつかむことができるようになるでしょう。
室内練習用のドローンを選ぶ時のポイント
室内でドローンを飛ばすわけですから、できる限り小型のものがいいですが、その他にも、ドローンを選ぶ時のポイントがあるので解説します。
予備バッテリーがあるかどうか
自由にドローンの飛行練習ができる室内ですが、ドローンそのものの連続飛行可能時間は限られています。小型のトイドローンであれば、連続飛行可能時間は10分以内がほとんどなので、あっという間に終わってしまいます。
一回の練習でたくさん飛ばしたいという場合は、できるだけ連続飛行可能時間が長いもの、予備バッテリーが付いているものを選びましょう。バッテリーの充電時間は1時間から2時間なので、集中して練習したい方は、予備バッテリーを準備しておくことをおすすめします。
高度維持機能があるかどうか
トイドローンの中にも高度維持機能の付いた、高性能ドローンが登場するようになりました。高度維持機能とは、天井が低い室内でドローンの飛行練習をする場合に、非常に役に立つ機能です。
高度維持機能とは、ドローンを一定の高さでキープさせることのできる機能です。ワンボタンで設定した高さまで自動的に離陸してくれるドローンもあります。また、ボールを投げるようにしてドローンを空中に放ると勝手に設定した高さにとどまってくれるものもあります。
ドローンの離陸や一定の高さに保つホバリングは、初心者にとって難しい操縦テクニックです。さらに天井が低い室内での練習なので、コントロールミスによって天井にぶつけてしまうリスクが高くなります。
ドローンの安定した飛行をサポートしてくれる高度維持機能は、室内練習用ドローンを選ぶ際の重要なポイントのひとつです。
プロペラガードがあるかどうか
初心者がドローンを狭い室内で飛ばすわけですから、ぶつけることも少なからずあるでしょう。プロペラガードがあれば、ドローンが壁などにぶつかって壊れてしまう事態を防ぎ、破損から守り、安心して練習に専念することができます。
また、ドローンの破損だけではなく、プロペラガードを付けることによって、壁や物を傷つけないように守ることもできます。さらに万が一、コントロールを失って人にぶつかったとしても、プロペラガードがあれば大怪我を負わせずに済むということもあるでしょう。
室内で撮影の練習に適したドローンとは?
撮影をはじめ、ドローンの基本的な操作を覚えるのは、風や天気などに影響を受けない室内が良いでしょう。
近年ではドローンの室内練習場も増えてきていますので、自宅で練習するのが難しい人は探してみることをおすすめします。
Holy Stone RTF F180C
参考価格5,621円
室内での撮影練習に最適なドローンです。6軸ジャイロによる安定した飛行に加えてヘッドレスモード搭載のため、初心者でも安心して飛ばせます。また、プロペラガードが付いているので、壁や障害物に衝突してもダメージが少なくて済みます。
DJI Tello
参考価格12,700円
室内、屋外どちらでも使えるドローンです。超小型ながら充実した機能を搭載しているのがTelloです。手のひらからトスすると自動で起動し、その場でホバリングしてくれます。操作が簡単なことと、多彩な機能が魅力の一台です。720pの高画質の映像を撮影できます。
Parrot Bebop2
参考価格44,414円
基本的な撮影や操縦技術を身につけたら、屋外での空撮に向けて購入したい一台です。離着陸やホバリングは自動、機体の傾き、揺れに影響を受けない水平な画像を撮影できる3軸ジンバルなど、高いパフォーマンスが魅力です。ただし、機体重量が500gと重いため、航空法の規制対象になることだけは覚えておきましょう。
室内練習で得たドローンの撮影や操縦技術を屋外で活かそう!
ドローンによる室内撮影は、スペースの確保が最も大きな課題になってくることでしょう。十分に確保できるスペースがない場合、室内練習場を借りることも検討してください。
また、ドローンは風や雨といった影響を受けやすいほか、万が一、墜落や衝突といった事故を起こしたとき、第三者やその財産に危害を与えてしまう恐れもあります。機体重量によっては、航空法をはじめとするさまざまな法律や条例なども関わってきます。
ドローンでの撮影が初めての人は、そうした基礎知識(風速何メートル以上は危険なのか等)を身につけてから、屋外での空撮にチャレンジすることをおすすめします。
そのときに、スムーズに空撮ができるよう、室内で撮影の練習を重ね、操縦技術、撮影技術、ドローン操縦者としてのマナーを向上させておきましょう。
この記事と一緒によく読まれている記事
-
ドローンショーの仕組みを解説!演出や操縦はどうやっている?
-
ドローンを使ったスマート農業を解説!農業用ドローンの主な用途とは?
-
ドローンの免許(国家資格)の取得には年齢制限がある?何歳から取得できる
-
水中ドローンの操縦に免許は必要?水中ドローンに関する資格を解説
-
ドローンの操縦に無線技士の資格は必要?必要なケースや資格の取得方法を解説!
-
ドローン測量管理士とは?新しく登場したドローン測量の資格を取得する方法を解説!
-
海でドローンを飛ばす際の規制や必要な許可申請は?海で飛ばす時のルールを解説
-
ドローン国家資格の取り方を解説!取るまでの手順や取得期間はどれぐらい?
-
ドローン国家資格の難易度は高い?試験の合格率や勉強時間はどれぐらい?
-
ドローンを使った橋梁点検とは?メリット・デメリットや橋梁点検で使用される新技術を解説!
-
ドローンの目視外飛行は飛行許可が必要?目視外飛行を行う条件や練習方法を解説!
-
100g未満のドローンを飛ばせる場所を解説!チェックすべき法律や飛行ルールは?