土地家屋調査士に朗報!ドローン測量で作業効率アップ

更新日: 2021.11.22 公開日: 2020.02.11
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目次

土地家屋調査士の業務とは?

土地家屋調査士は、土地や建物を法務局に登記申請することを主な業務とします。

登記申請するための書類を作成しますが、そのための現場調査や測量も行うことになります。

土地の境界がはっきりしていないと、隣接した土地の所有者とのトラブルの原因になることがあります。

土地の境界は自分だけが知っていればいいというわけではなく、第三者にもはっきりとわかるように土地の境界の確定をする必要があるのです。

土地家屋調査士は調査や測量を行い、境界標を発見したり、新たに永続的な境界標を埋めたりすることをします。

境界標の設置は、土地の売買や建物の増設、相続などをする際に土地の範囲を明確にするために必要になります。

土地の地積の測定や形状、面積を明確にする地積測量図を作成するのも土地家屋調査士の仕事です。

この「境界確定業務」は土地家屋調査士の独占業務になります。

 

土地家屋調査士業務にドローン測量を導入することのメリット

一般の測量会社などはすでに業務にドローン測量を導入しているところも多く、測量に関しては競合相手が多いように思われます。

しかし土地家屋調査士の独占業務である「境界確定業務」とうまく組み合わせてドローン測定を行うと、様々なメリットを得ることになります。

ドローン測量は安価で高精度であることが証明されている!

従来の写真測量には、小型飛行機を借りて写真撮影をするというものがあります。

しかしこの航空写真測量は費用が高額になるだけでなく、土地家屋調査士業務で必要とする測量精度には届きませんでした。

ドローンを使うことにより、地上測量では難しい個所の測量が可能になり、さらに低い高度で低速度の作業ができるので測量精度を上げることが可能になりました。

例えば、栁土地家屋調査士法人は2016年6月に埼玉県でドローン測量の実証実験を行いましたが、測量誤差がわずか2cmで十分な精度であることが分かっています。

さらに最近では、新機種であるDJI社のPhantom4RTKを導入し、測量誤差が1cm以下にまでなりました。

ドローン測量で現場作業工数が大幅削減できる!

栁土地家屋調査士法人による実証実験は4,000平方メートルの分譲地で行われました。

通常であれば1日かけて行う作業ですが、ドローンを使った測量は約1時間で終了しています。

2人1組で行う地上測量は土地が広大になればそれだけ作業時間が長くなるので、ドローン測量は現場作業工数の大幅削減を可能にします。

ヘクタール単位の広い土地を従来の地上測量で作業すると、測量だけで3週間近くかかり、業務全体は約1か月におよびます。

ドローン測量を導入すると、測量作業にかかる時間は1日または2日、解析や図面作成の時間も含めると4日で納品することが可能になるでしょう。

人件費や稼働時間を削減できるドローン測量を導入することによって、50%という高い利益率を達成できるとも考えられています。

一般的には利益率が10%~15%で高いほうだと言われていることから、50%は驚くべき数字だということが分かります。

ドローン測量の画像解析ソフトを使って分かりやすいデータを作成できる!

ドローン測量によって得られたデータは、専用の画像解析ソフトを使ってオルソ画像や3Dモデルを作ることができます。

上空から撮影した写真は高い建物の傾きやズレが生じますが、これらを修正して真上から見た地図のような見やすいオルソ画像にすることができます。

専用画像解析ソフトには「Terra Mapper」「Pix4Dmapper」「PhotoScan」などがあり、クラウド版を利用すれば初期費用を抑えることができます。

作業のスピードアップや低価格だけなく、分かりやすいデータを提供できるという点でも、ドローン測量を導入することにはメリットがあります。

 

まとめ

人手不足の時代に、ドローンを使って人員削減をすることは多くの企業にとってひとつの解決策になります。

土地家屋調査士にとっても、調査する土地が広大になればそれだけの時間、人員をつぎ込むことになるので、ドローン測量の進歩はうれしいニュースになるでしょう。

測量誤差は1cm未満であること、作業現場工数を大幅に削減できること、見やすくてわかりやすいデータを作成し提供できることなどメリットはたくさんあります。

作業を効率アップさせることができるドローン測量は、土地家屋調査士にとってまさに朗報と言えるでしょう。

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