ドローンを活用した測量を含む航空測量では、正確な計測をおこなうために地上に「対空標識」を設置して測量をおこなわなければなりません。その対空標識はどのような役割があるために設置が必要となるのでしょうか?詳しく解説していきます。
ドローン測量で必要な対空標識とは
対空標識とは、ドローンで空中から撮影した画像を解析するときに、標定点や検証点の目印となるものを差します。ドローンのように空中から測量を行う場合、精度をあげるためにも対空標識が必要となります。
対空標識は、ドローンを飛行させる前に地上で標定点や検証点を計測したうえで、設置を行います。
目印になれば何でも良いというわけではなく、ドローンで撮影した画像をソフトで解析する際に、認識できるものでなければ意味がありません。
国土交通省国土地理院が作成した「UAVを用いた公共測量マニュアル」では、対空標識の模様や大きさ、色など、標準としているものが記載されています。
対空標識の模様は「X型・十型・丸型・星型」の4種類があり、大きさは、撮影した画像に15画素以上で写るものです。
色に関しては、基本的に白黒の対空標識を使用することとなっていますが、周囲の状況により認識しにくい場合は、黄色や黒色を使用します。
また、ドローンを飛行させたときに対空標識がはっきりと撮影できるよう、上空視界が保てる場所や、良好な状態の設置場所を選ぶことが記載されています。
より効率的にドローン測量が行える「対空標識AEROBOマーカー」
前述した通り、一般的に対空標識を設置しなければならず、まず標定点や検証点の緯度経度を測る必要があります。
それでも地上測量と比べると短時間での測量が可能ですが、最近では、撮影と同時に計測ができるGPS受信機搭載の「AEROBOマーカー」という対空標識も登場しています。
AEROBOマーカーを地面に置くだけで、自身がGPS機能を使い標定点などの計測を行ってくれる、非常に画期的なアイテムです。
「AEROBOマーカー」は、空中撮影する範囲を囲むように設置し、電源のボタンを押すだけで位置情報を取得と記録をおこない、
測量が終わった後は、USBケーブルでパソコンにつなげば取得したデータを取り出すことができます。
そのため、二人以上でおこなってきた標定点や検証点の計測が、GPS受信機搭載の対空標識「AEROBOマーカー」であれば一人でも測量できるので、より効率的な測量が可能です。
RTK搭載ドローンなら対空標識がなくてもドローン測量ができる!
ここまで、対空標識について解説してきましたが、現在、ドローン測量に新しい光を差した「RTK」というシステムが注目されています。
RTKは、衛星測位システムと地上に設置された電子基準点の2カ所から位置情報を取得できる画期的なシステムです。
このRTKシステムを搭載したドローンであれば、対空標識を設置する必要もありません。そのうえ、これまでのGPSのみ搭載されたドローン測量よりも高精度な測量が可能となっています。
RTKを搭載したドローンも、ドローン業界トップクラスのDJIから発売されていたり、同メーカーの「Matrice 600」に後付けできるRTKモジュールも登場しています。
RTK搭載ドローンもしくは、RTKモジュールを搭載することで、対空標識を設置する必要もなく、より短時間で高い精度を誇る測量を行うことができるでしょう。
このように、地上測量から航空測量、そしてドローン測量と新しい測量技術が登場するとともに、ドローンにおける性能も進化しています。
そのため、より測量分野をはじめとするドローンの需要が高まることと思います。
ですが、どんなに性能や測量技術が進歩していても、ドローン自体を操縦するのは私たちです。特に、測量においては山やがけなどと言った高い操縦技術を必要とします。
対空標識を必要とするGPS搭載ドローンであっても、対空標識を必要としないRTK搭載ドローンを使用するにも、安全な測量を行うためにドローン測量の高い技術と正しい知識の習得が大切です。
高い技術や正しい知識は、ドローンスクールに通うことで習得することができるでしょう。他にも短期間でドローンによる測量技術を学べるなどのメリットもあります。
また、スクールによっては修了時に認定証がもらえるので、ドローンの操縦技術や知識を習得した証明になり、測量現場でドローンを使用する際にも役立つものとなるでしょう。
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