ドローンの導入が積極的に進んでいるのが測量分野です。国土交通省がi-Constructionを推奨していることもあり、ドローンを使った測量技術はめざましく向上しています。今回はドローン測量の費用の目安につて、自社で導入した場合と外注した場合の比較などを交えて解説します。
ドローン測量の費用、外注するとしたら、いくらくらいが目安?
ドローンに関するさまざまなサービスが登場していますが、空撮業者が測量も実施するケースや、ドローン測量を専門として請け負う業者も出てきています。まずは、ドローンによる測量を外注した場合の費用の目安について見ていきましょう。
A社
DJI Matrice210を使用した場合の費用は1日30万円、同じくDJIのPhantom4およびInspire2を使用した場合の費用は1日15万円となっています。
B社
ドローンによる3D測量を提供しているB社は、平坦な土地などの半日測量の費用が40万円〜、広域な土地の1日測量の費用が70万円〜となっています。
A社やB社のように、半日や1日などパッケージにして測量を請け負ってくれる業者もあれば、ホームページ等では費用を公開せず、すべて見積もり依頼とする業者も多数あります。
いずれにしても、実際に現場を見た上で、最適な機種や赤外線カメラの有無、レーザー、静止画、カメラの選択などに加えて、画像解析方法など、さまざまな条件を加味してはじめて正確な費用が分かるというケースがほとんどです。
ドローン測量を外注した場合の費用相場としては、写真測量が100万円程度、レーザー測量が300万円程度と言われています(画像解析も含む)。
上記の他にかかる費用としては、ロケハン、交通費などのほか、目視外飛行、夜間飛行などが必要なら、その申請および手数料といった費用、安全運航管理者、監視員、補助員などが必要であれば、人件費などが加算されることが多いようです。
自社でドローン測量可能な機材を揃えると費用はいくら?
一方、自社でドローン測量が可能な機材を揃えた場合、費用はいくらくらいになるのでしょうか?
ドローン本体のほか、カメラ、レーザー(必要に応じて)、画像から3Dモデルを生成するためのソフト、断面図を作成するためのソフトなどが必要になります。また、技術者を育成する必要もあります。
こうした費用をすべて含めると、300万円〜1,000万円(特にレーザーを導入した場合)など、多額の初期費用が必要になってきます。
なお、ドローンで撮影した情報を一元的に、かつ素早く処理、解析が進められる「Terra Mapper」のような便利なウェブサービスも登場しています。
使った分だけ支払うクラウド版(15,000円/月〜)や、正規版(450,000円/ライセンス〜)など費用も抑えることができるうえ、無料お試し版を利用することもできるため、自社でドローン測量ができるシステムの導入を考えている企業などは試してみる価値があるかもしれません。
ドローン測量の費用はまだまだ落ち着いていない
今回は、ドローン測量にかかる費用の目安について解説してきました。
ある程度の目安こそあるものの、ドローン測量にかかる「費用」という点においては、まだまだ落ち着いておらず、今回、紹介した費用の目安についても適正な相場かどうかというのは判断がつきにくくなっています。
測量分野へのドローンの導入が始まったばかりである点や、ドローン、ソフト、システム、機材などの費用が高い点、そもそもそうした機材を揃えている業者自体が多くない(競争原理が働かない)といった点が、その理由として挙げられます。
しかし、冒頭でもお伝えしたように、国土交通省が推奨するi-Constructionによって、今後数年でドローン測量が広く普及し、機材をはじめとする費用が低下してくることが予想されています。
現時点で、自社でドローン測量を実施できる機材一式を揃えるのは、コスト面から考えると慎重に検討した方が良いと言えますが、相場の推移は常にチェックしておきたいところです。
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