ドローン測量に革新的な技術をもたらすRTKとは?RTK搭載ドローンについても紹介

更新日: 2021.11.22 公開日: 2020.04.29
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高性能で時間の短縮もできるなど様々なメリットがあるとして、土木現場や建設現場においてドローンを活用した測量が普及してきています。普及とともに技術も進歩し、「RTK搭載ドローン」という、これまでのドローン測量より高性能な測量を実現する技術まで登場していることをご存じでしょうか?RTKとは何か、RTK搭載ドローンで測量をおこなうメリットについて解説します。

 

目次

ドローン測量に新しい光を差したRTKとは

これまでドローンを使った測量にはGPSが搭載されていましたが、ドローンの普及や測量をはじめとしたビジネスでの利用拡大に伴い、その技術は日々進歩しています。

そのひとつとして、測量分野におけるドローンへの「RTK」搭載が注目を浴びています。

RTKとは、リアルタイムキネマティックの略で、衛星測位システムから得られる位置情報の精度を上げるために使用されるシステムです。

RTKシステムを搭載したドローンは、これまで一般的に用いられていた衛星測位システム(GPS)に加えて、飛行する場所から一番近い電子基準点の情報の2つを受信できます。

そのため、これまでよりも高い精度のデータを取得できるようになり、GPS搭載のドローンで2mほど生じていた誤差を、数㎝ほどまで縮められます。

また、RTK搭載ドローンでは、ドローン測量においてこれまで必要だった、地上での標定点の計測をする必要もありません。

 

RTK搭載ドローンで測量をおこなうメリット

高精度なデータを取得できるRTKですが、そのほかにRTKを搭載したドローンで測量をおこなうメリットはどのような点が挙げられるのでしょうか。

・位置情報が正確

・電波の妨害を受けづらい

・高度情報が正確

ドローン測量で精度を高めるためには、まずドローン自身が現在の位置を正しく知らなければなりません。

RTKシステムは「衛星測位システム」と「電子基準点」から位置情報を取得していますが、RTKを搭載したドローンで必要となる電子基準点は、日本のさまざまな場所に設置された約1,300カ所から情報を受信することが可能です。

衛星から受信する衛星測位システムと比べ、ドローンを使用して測量をする場所に一番近い地上に設置された電子基準点から電波を受信できるため、より正確な位置情報を取得することができるのです。

ただし、携帯電話に電波が届かず圏外になってしまうように、RTK搭載ドローンでも電波が届かず受信ができなくなってしまう場所も存在します。その場合は、仮想基準点を用いて、あとから処理がおこなえるキネマティック方式を活用します。

また、RTK搭載ドローンは、従来のドローンよりもはるかに機種方位が精密に測定できます。単体のコンパスセンサーで情報を受信してきたこれまでとは違い、RTK搭載ドローンでは2本のアンテナを用いて機種方位が表示します。

2本のアンテナにより、磁気の影響を受けづらく、高電圧線などの近くを飛行しても正確な飛行が可能です。

さらに、高度情報もより正確です。GPS搭載のドローンでは気圧計を用いて計算していた高度ですが、離陸時や飛行時の突風により高度計測が不安定になることがよくありました。

レーダーで高度計算をしているRTK搭載ドローンは、1㎝ほどまで誤差を抑え、精度の高い情報を得ることができます。

 

RTK搭載のドローンで測量をおこなうには

最後に、RTKを用いたドローン測量をおこなうための方法を紹介します。

RTKシステムを活用したドローン測量を行うためには、下記の2通りがあります。

・RTKシステムを搭載したドローンを使用する

RTKを搭載したドローンは、DJIの「Phantom4 RTK」、「Matrice210 RTK」、「Matrice210 V2」が挙げられます。すでにRTKシステムを搭載されているタイプになるので、購入後そのまま飛ばすだけで高精度なデータを取得することが可能です。

・すでにあるドローンにRTKシステムを後付けする

RTKシステムを後付けする場合は、DJIの「D-RTK」というモジュールを搭載します。ただし、「D-RTK」モジュールは「Matrice600」のみ後付けすることができるので注意が必要です。

上記でご紹介したRTK搭載ドローンおよびRTKモジュールはDJIのものですが、今後は他メーカーからの登場も期待できることでしょう。

現在は導入費用も安価とは言えませんが、システムの進化や他メーカーからの登場などで多少は価格を抑えながら導入できるかもしれませんね。

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