ドローン測量がICTを活用したi-Constructionの推進に貢献!

更新日: 2021.11.22 公開日: 2020.05.05
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現在、国はICTを活用したi-Constructionを推進しています。その中にあって、ドローン測量の重要性が増しています。では、ICTを活用したi-Constructionとは一体何でしょうか、それにドローンはどう関わっているのでしょうか?

 

目次

ICTを活用したi-Constructionとは?

ICTを活用したi-Constructionとは一体何でしょうか?

ICTとは?

まず、ICTとは「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略称で、通信技術を活用したコミュニケーションを指します。日本では「IT(情報技術)」という言葉がよく使われていますが、ICTはITにコミュニケーションの概念を含めたものです。

ただし、意味はほとんど同じで、国際的にはITよりもICTの方が用語としてよく使われています。

i-Constructionとは?

i-Constructionとは、ICTを建設現場に全面的に活用することにより、建設生産システム全体の生産性向上を図り、魅力ある建設現場を目指す取り組みのことです。i-Constructionは国の施策であり、実際に指標や期限が設定されており、民間業者に義務として適用する姿勢を示しています。

ICTを活用したi-Constructionは、以下のような点を目標にしています。

・生産性を向上させて企業の経営環境を改善する。

・建設現場に携わる人の賃金向上や十分な休暇取得。

・建設現場での死亡事故ゼロにする。

・従来の3K「きつい、危険、きたない」から新しい3K「給与、休暇、希望」を目指す。

高齢化社会にあって深刻な人手不足に陥っている建設業界にとって、このi-Constructionの取り組みは重要な意味を持つと考えられています。建設現場の環境が改善されれば、人材確保が今より容易になるからです。

 

ドローン測量とは?

ドローン測量とは、その名の通り、ドローンを利用して行う測量のことで、ICTを活用したi-Constructionとは切っても切り離せない関係にあります。事実、i-Constructionの基準の中では、ドローンによる測量を行うことが定められている箇所があります。

ドローンによる測量の具体的な方法は、ドローンを上空に飛行させて、地表の様子を写真撮影やレーザー測量を通してデータ化し、専用ソフトを使って図面や3Dモデルを作成する、というものです。

i-Constructionの取り組みでは、3次元測量から得られたデータを、施工土量の算出などの設計・施工計画、ICT建設機械の自動制御、現場のIoTに活用したりすることで生産性を向上させようとしています。このような中、ドローンは短時間で広範囲を効率よく測量できるため、3次元測量の主役として注目されているのです。

 

ドローン測量がICTを活用したi-Constructionの推進に貢献!

ドローン測量のメリットをさらに具体的に見てみましょう。

ドローンによる測量では、「測量」と「設計」の段階で、写真測量によって取得した測量データを3Dで生成することができ、施工計画時に必要な施工量を自動算出することができます。今までの測量方法では、数千地点を測量するのに約1週間もの時間がかかっていましたが、ドローン測量なら数百万地点の測量をわずか15分程度で完了することができます。

また、建設後の「検査」の段階でもドローンが役立ちます。ドローンによる3次元測量で検査を実施すれば、出来形の書類が不要となり、検査項目が半減し、今まで必要だった大量の書類提出が必要なくなるのです。

ドローン測量には、コストを抑えられるというメリットもあります。セスナなどの航空機を使った測量よりも費用がはるかに安く済みます。特に、今はドローンの世界的な需要の拡大により、高性能な機体が手頃な値段で購入できるようになっています。3Dデータが簡単に手に入るドローン測量は、モバイル端末とクラウドを利用すれば場所に関係なくICTによるデータ共有が可能なため、今後も世界的な規模で需要が伸び、それがドローンの価格に反映されていくかもしれません。

このように、ドローン測量には大きなメリットがあるため、ICTを活用したi-Constructionの推進にドローンは今後も大きく関わっていくことでしょう。

別の言い方をすれば、ドローン測量がこれからもさらに普及していく、ということになります。DID(人口密集地区)におけるドローンの目視外飛行の規制緩和も検討されていますから、ドローン測量の可能性はますます広がっていくでしょう。今後の動向に注目です。

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