ドローンを飛ばす際に重要になってくるのが「範囲」です。電波が届く範囲はもちろんですが、それ以外にも重要な範囲があります。この記事では、ドローンと範囲の関係性を解説します。
「ドローンに電波が届く範囲」よりも重視すべき「範囲」とは?
ドローンに電波が届く範囲は、メーカーや機種によって異なります。例えば、DJIのPhantomシリーズでは、2km~4kmまで電波が届くものもあると説明しています。
ただし、これは直線距離で障害物がないといった、最大限電波が届きやすい環境で飛行させた場合の範囲と思っておきましょう。
そもそも、航空法では「目視外による飛行」が認められていません(こちらに抵触する場合は、事前に地方航空局長の承認が必要です)。
そのため「電波が届く範囲」も重要ですが、「目視できる範囲」がより重要になってきます。
その人の視力や、飛ばしている現場の状況などにもよりますが、多くの人は100m~せいぜい300m程度が目視の限界だと考えられます。
たとえ電波は2~4km届いても、実際に目視できる範囲で飛ばすとなると300m程度まで、と捉えておきましょう。
「ドローンを飛ばせる範囲」も重要!
バッテリーを含めた機体重量が200g以上になるドローンを飛ばすには、航空法が関わってきます。航空法では、先ほど紹介した目視の範囲内のほか、次のような範囲を設けています。
・空港等の周辺の上空の空域
・国勢調査に基づく人口集中地区の上空
・地表や水面から150m以上の高さの空域
上記の範囲外で飛ばすときは、事前に地方航空局長の許可が必要になり、次のようなルールも定められています。
・第三者または物件との距離に30m以上の距離を保って飛行させること
30m以内の範囲で飛ばす場合は、地用航空局長の承認が必要になります。そのほかにも、小型無人機等の飛行禁止法という法律があります。
同法では、国会議事堂、内閣総理大臣官邸といった国の重要施設、外国公館等および原子力事業所の周辺の上空(範囲はおおむね300m)でドローンを飛行させることを禁止しています。
このように、ドローンには電波が届く範囲と併せて知っておかなければならないさまざまな「範囲」が存在します。
上記の範囲を事前に把握しておかないと、うっかり人口集中地区の上空に侵入してしまったり、国の重要施設の上空に侵入してしまったり、といったことが起こります。
第三者や物件に危害を与えてしまうと大きな問題になってしまいますので、ドローン操縦者としては最低限、把握しておくことが求められます。
なお、上記の範囲が記載された詳しい内容については、次の各サイトで確認できます。
※航空法および飛行のルールについて
国土交通省「無人航空機(ドローン・ラジコン機等)の飛行ルール」
※国土地理院 「地理院地図」
※警視庁 「小型無人機等の飛行禁止法について」
ドローンと範囲の関係性をしっかり把握しておこう!
ドローンを飛ばすとき、ついバッテリー残量や電波が届く範囲に気がいってしまうかもしれません。
もちろん、バッテリー残量や電波が届くかどうかを把握しておくことはドローン操縦士として必要な要素です。
しかし、それ以外にも航空法や小型無人機等の飛行禁止法などで規定されているさまざまな「範囲」が関わってくることも、併せて覚えておく必要があります。
なお、バッテリー残量や電波が届く範囲が気になる、という人は「自動帰還モード」や「リターン・トゥー・ホーム(RTH)」といった機能が搭載されているドローンの購入も検討すると良いでしょう。
これらは、電波(GPS)の受信状態が悪くなったり、バッテリー残量が一定量を下回ったりした場合に、自動で帰還してくれるモードです。
より安全に、安心してドローンを飛ばすためにも、ドローンと範囲の関係性をしっかり把握しておきましょう。
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