昨今、ドローンは様々な方面で注目されており、誰でも気軽に飛行させることから、購入を検討していることも多いでしょう。しかしながら、ドローンを飛行させるためには、規制や法律を十分に把握しておかなければ、重大な事故につながりかねません。ここでは、ドローンに関する規制や法律、免許の有無などをご紹介します。
ドローン飛行は誰でもできる?法律による規制は?
ドローンを日本国内で飛行させるために、守らなくてはならない法律は次の通りです。
・航空法
・小型無人機等飛行禁止法
・道路交通法
・民法
・電波法
・自治体の条例
まずは航空法から、順番にチェックしていきましょう。
航空法
対象になる機体: 200グラム以上のドローン
バッテリーを搭載した状態で200グラム以上、というのがポイントです。本体のみで199グラム以下であっても、合計で200グラムを超える場合は航空法の規制対象になります。合計で200グラム未満のドローンは、規制の対象外です。
飛行禁止区域: 空港周辺、150メートル以上の上空、人家の集中地域
空港周辺、人家の集中地域に該当するかどうかは、国土地理院が提供する地図(http://maps.gsi.go.jp/#8/35.563512/140.339355/&base=std&ls=std%7Cdid2010&blend=0&disp=11&lcd=kokuarea&vs=c1j0l0u0t0z0r0f0&d=vl)から確認することができます。
飛行の方法:
時間は日中(日没後・深夜は禁止)
操縦者の目視の範囲内で飛行させる
距離を確保する(人や建物から30メートル以上離れる)
禁止されていること:
イベント(祭礼や縁日)の上空を飛行
危険物の輸送(凶器、毒物、引火性液体、火薬など)
物件の投下
夜間や目視範囲外で飛ばしたいときは?
国土交通省へ手続きを経て承認を受けなくてはなりません。
違反したらどうなる?
上記の事柄に違反したとみなされた場合、50万円以下の罰金が科される可能性があります。過去にはドローンに関する規制違反で逮捕された事例もあるので、ドローンを飛行させる際には細心の注意を払いましょう。
小型無人機逃避行禁止法
この法律によって、いくつかの場所が飛行禁止空域と定められています。たとえば、国会議事堂、内閣総理大臣官邸、外国公館、原子力事業所の周辺などが該当します。
なお、「アメリカ大統領の来日」等の特定のイベントの際は、宿泊施設の周辺などが飛行禁止空域になる場合があるので、逐一確認が必要です。
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/heion/drone.html
道路交通法
道路交通法第七十七条によって、道路上や路肩でドローンを離着陸させる場合には、申請が必要です。
http://www.houko.com/00/01/S35/105.HTM
民法
民法では、土地の所有権はその上の「空」にも及ぶことが示されています。ただし、上空何メートルまでと明記されているわけではありません。
ドローンを飛ばすことで、土地の所有者の権利を侵害したとみなされることはあまり無いかもしれませんが、トラブルを避けるため、私有地の上空でドローンを飛ばす場合は、所有者に許可を求めることが望ましいでしょう。
電波法
ドローンの操縦には電波を使います。そのため、電波法にもとづいて「特定無線設備の技術基準適合証明(通称:技適)」の取得が義務付けられています。
国内で大手メーカーのドローンを購入した場合は、ほとんどが技適通過済みのため、問題ありません。海外からの通販でドローンを購入した場合は、技適を通過しているか必ずチェックしましょう。
http://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/monitoring/summary/qa/giteki_mark/
自治体の条例
各自治体によって規制の内容が違います。例えば東京都では、都立公園ではドローンの飛行が禁止されています。飛行予定の自治体の条例を事前に確認しましょう。
規制のクリアには何が必要?ドローンに免許制度はある?
「ドローン免許」は存在しない
実は、ドローンの操縦に必要な免許や資格はありません。航空法など、上記の法律をしっかり守った上で、誰でもドローンを操縦することができます。
民間資格はあるが、法的な効力はない
公的な資格はありませんが、民間企業や協会が実施している「認定資格」が存在します。これらの資格がなくても、ドローンの操縦は可能です。
ドローンに免許はいらないけれど資格は持っていた方が良い?規制との関係は?
飛ばすだけなら資格は必要ない
上でも述べたように、ドローンを飛ばすために必要な免許、資格等は存在しません。
資格の取得は知識、技術の習得につながる
かといって、認定資格を取る意味がまったくないのかというと、そうではありません。資格を取得するためには、スクールや講習に参加する必要があります。
ドローンを飛ばすためには、法律や安全運用についての知識、技術を身に着けることが必須です、ドローンの講習等を受けることで、より効率よく学習できるかもしれません。
10時間飛行実績の証明として活用
深夜や、目視範囲外の飛行など、国土交通省への申請が必要な場合があることは「航空法」の項目で述べました。申請の際、操縦者は「ドローン訓練の指導者のもとで最低10時間以上実際にドローンを操縦した実績」が求められます。
実際にそれを証明することはできないので自己申告になりますが、認定資格を持っていることで、より説得力が高まります。
規制クリアに役立つかも?ドローンの認定資格と関連する資格について
認定資格がとれる主な団体
JUIDA
ドローンの認定資格団体の中で一番歴史が長く、知名度のある団体です。
DPA
認定ドローン教習所を複数開校している他、都内に大規模ドローン飛行場を持っています。比較的価格が高いものの、習得できる知識と技術の水準が高いという強みがあります。
DJI CAMP
世界最大のドローンメーカーDJIが管理する認定資格です。受講者はDJIの機体を所持していることが条件で、他社の機体を持ち込んで受講はできません。
まだある!ドローン操縦の際に持っていた方がいい資格
無線航空従事者検定(ドローン検定3級)
マークシート方式で比較的受かりやすい資格です。強い認定資格ではありませんが、腕試しのために受けてみてはいかがでしょうか。
アマチュア無線4級
通常の遊びや趣味で使う範囲のドローンと、ドローンレースで使用されるドローンの電波帯は違います。ドローンレースに出場する場合は、このアマチュア無線4級の資格が必要です。
第三陸上特殊無線技士
業務用ドローンを使う場合は、必要になるケースがある資格です。
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