ドローンを使った輸送サービスとは

更新日: 2021.11.22 公開日: 2018.01.05
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ドローンと言うと空撮のイメージが強いですが、今後、建築や農業などさまざまな分野での活躍が期待されています。「物流」もその期待されている分野のひとつです。既に、米GoogleやAmazonなどの大手がドローンを使った輸送サービスに取り組んでおり、中には既に実用化されているものもあります。

そして、ここ日本においてもドローン輸送は検討されています。ここでは、ドローンを使った輸送サービスについて紹介します。

目次

ドローン輸送とは

ドローン輸送とは、無人航空機・ドローンを使用した輸送サービスのことです。ドローンの遠隔自動操縦によって、空を飛行し、目的地まで直接荷物を届けることができます。

従来、近場ではトラックやバイクによる配達、海外や遠方へは航空便での運送がメインで使用されていました。これは日本に限られたことではなく、広大な面積を持つ国でも国内配達は車両がメインです。

近場での配達となると、自転車便なども活用されており、その全てが地上を走行する輸送手段が用いられています。航空機を使用した運送は、海を越える場合や超長距離など非常に限定的だったのですが、そこへ新たにドローンと言う輸送手段が登場したというわけです。

ドローンを使った輸送サービスには、配達時間の短縮や人件費の削除などさまざまなメリットがあるため、ドローン輸送が実現すれば物流に革命が起こるとまで言われています。

すでにオーストラリアでは合法化されており、2013年という早い段階で教科書の販売や貸し出しを行う「Zookal.com」がドローン輸送を開始しました。

 

日本でのドローンを使った輸送サービス

ドローンを利用した輸送サービスは現在世界中で開発・試験運用が行われていますが、日本ではまだ試験段階であり、実際に正式サービスを行っている企業・団体はありません。

しかし、いくつかの計画や事業は進行しています。

■日本郵便
日本郵便は、2018年に郵便局間の輸送にドローンの導入を実現するとの考えを明かしました。配達などにかかる人件費の抑制が狙いで、国の飛行規制緩和などを注視しつつ、将来は一般の宅配に活用することも視野に入れているようです。

すでにドローン輸送に関する実証実験を行っており、今後はドローン輸送を山間部などに展開する予定になっています。

■ KamomeAirプロジェクト
買い物弱者問題や僻地医療問題など、少子高齢化に伴う地域課題を解決するために、ドローンを使った物流実験「KAZAMIDORI(カザミドリ)」が瀬戸内海で行われています。

離島の不便を解消するためのサービスを実現するべく、高松港と男木港(およそ8km)間の海上を2kg程度の荷物を搭載してドローン輸送するという日本初の輸送サービスを実証実験しているようです。

■千葉の幕張新都心でのドローン輸送サービス
千葉の幕張新都心でドローン宅配サービスの事業化が、2015年末に発表されました。東京湾に面した幕張新都心の周辺に集積所を設け、10キロほど離れた物流倉庫から海や川の上を通過して、荷物を運ぶ計画のようです。

提携事業者はまだ正式に決定していませんが、千葉市がネット通販事業者と組み、3年以内の実現を目指しているとのことです。

 

ドローン輸送を実現するために解決すべき問題

ドローン商業が認められるために、法規制については日本でも徐々に実用化に向けて緩和が進もうとしています。一方で、事業者サイドにはドローンによる輸送を実現させるために、解決すべき問題も存在します。

それは以下の通りです。

 

・積載重量

・墜落

・盗難

・飛行禁止区域

 

ドローン輸送が実現するメリットは、配送コストや人件費が大幅に削減され、短時間で荷物が届くということです。しかし、そのような仕組みを実現化させるためには、乗り越える壁も多いのが現状のようです。

 

ドローンを使った輸送サービスについてお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか。日本でのドローン輸送サービス開始はまだ数年先になりそうですし、最初は都心や山間部など限定的なサービスになると考えられます。しかし、ドローン輸送が本格的に実現すれば、今後の物流に革命が起こるかもしれないですね。

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