ドローンを使った測量方法!そのメリットや方法とは?

更新日: 2021.11.23 公開日: 2017.09.28
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ドローンは安価であり、比較的所有が容易な航空機であるため、ビジネスの中でも様々な分野で活用されています。特に農業や建設、測量、点検といったビジネスで重宝されており、今回はその中でもドローンを活用した測量に関してお話をご紹介していきます。

目次

ドローンが測量に活用された経緯とは

測量とは、地図を作成する場合や家を建てる場合に必要となるもので、地球表面上の点の関係位置を決定するための技術、または作業のことをいいます。

従来の測量は、

・人間が地上から測量するため、莫大なコストがかかる
・地上からだと人間が入れない場所は測量が難しい

という長年の大きな2つの課題がありました。

そこでドローンを測量に取り入れ、ドローンで空撮した写真データを取得するという方法に転換し、撮影日数約1日、データ加工日数約1日の計2日間で納品が可能となり、従来の測量方法に対して費用コストを約5分の1まで削減、作業時間を約10分の1まで削減することに成功しました。
さらにドローンは飛行できる機械であるため、場所を選ばず自由にどこでも測量が可能です。

ドローンを使用した測量では、誤差が±5cmという精密な計測値の測定を実現しており、人間よりも確実に正確であることがうかがえます。
こういった点で現在、ドローンを測量に活用する企業が増えてきているのです。

ドローンを測量に活用するメリット

それではドローンを測量に活用すると、どんなメリットがあるのでしょうか。

・手軽に撮影が可能

ドローン本体は航空機の中でも比較的安価であり、すぐに手に入れることができます。また、今まで測量は専門業者のみ可能でしたが、一般の企業でもドローンを使用することで測量ができるようになりました。
加えて、ドローンはコントローラーで手軽に操縦ができ、操縦者の意思で方向転換、撮影、離着陸が可能な点で、測量する際は人手がほとんど要らず、手間もかからないという大きなメリットがあります。

・高解像度写真が取得できる

ドローンは航空機ながら低空飛行ができるため、解像度の高い写真データを撮影することができ、より精密な3次元データを作成することが可能です。

・場所を選ばない

従来、人間が測量を行っていたときは、入れない場所や危険な場所での測量に対する準備や対策が非常に大変でしたが、ドローンを使って測量を行う方法へ転換したことで、これらの問題は一気に解決され、人件費や対策コストも大幅に削減することが可能となりました。
こうした点で、災害現場などでのドローンを活用した測量も期待されています。

ドローンを測量に活用するデメリット

では反対に、ドローンを測量に活用するデメリットはあるのでしょうか。
こちらも併せて見ていきましょう。

・測量精度が画質や解析方法に依存する

ドローンで測量を行った場合、測量精度は撮影、取得した写真データの画質によって変化します。高画質カメラが搭載されたドローンで測量を行った場合、ほとんど誤差はないですが、中画質になると多少の誤差が生じる可能性があります。また、解析する際のソフトウェアによる取り込みの質などによっても変化します。

・障害物密集地での測量が困難

ドローンでの測量は、樹木や建物の高さを取り除いてデータを取得することが難しく、3次元データは数値表層モデルとなります。そのため、ドローンで行う測量方法は、航空機での測量と航空レーザーでの測量の中間程度の精度であるともいえるでしょう。

ドローンを使った測量方法の流れ

ドローンで測量を行う際の基本的な流れを解説します。

1.撮影計画を立てる

地図上で測量におけるドローンの飛行ルートを計画、確認し、ドローンのフライトコントロールに対応した専用ソフトウェアを用意します。
撮影高度や写真撮影の間隔、写真ラップ率などを考えて飛行ルートを設定します。

2.GCPを観測、設置する

3次元モデル作成において位置情報が必要になるため、認識用の地表基準点であるGCPを現地に設置します。GCPはトータルステーションやGNSS測量器を使用して基準点測量を行い、座標を観測します。GCPは、複数からの撮影写真データに入るような位置に設置します。

3.ドローンを飛行させ、撮影する

1で設定した飛行ルートを飛行させ、実際に写真を撮影します。

4.写真データ解析の準備

撮影したカメラを撮影時の設定のままカメラ標定させ、カメラレンズの歪みに対する補正値を測り、写真に写ったGCPと基準点座標値を紐付けします。

5.モデリング

専用の解析ソフトウェアで写真データの解析を行い、ポイントクラウド、3次元モデルの作成、3次元モデルに同じ場所の写真を重ねた図などの作成を行います。

6.出力

写真データの解析が完了したあとは、全体の写真を繋いで補正した画像や点群データ、標高値データ、3次元モデルのCADデータなどを出力データとして取得でき、3次元CADソフトなどに取り込んで活用することができます。

以上、ドローンを活用した測量方法に関する記事でした。
ドローンは最新機器で実用性も高いため、これからさらに社会へ普及していくと考えられています。
また、災害地や足場の悪い場所でもドローンを活用する案が出ており、測量以外の分野でも、ドローンは私たちの暮らしをより良いものにしてくれると大変期待が高まっています。

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