近年、土木、建築分野でのドローンの活用が進んでいます。中でもドローンを使った測量は、価格面のコストや時間を大幅に削減できることから、急速に研究が進められ、期待が高まっています。今回は、そのドローンを使用した測量について、ドローン測量の方法や価格面の必要なコストなどについて紹介していきます。
ドローンを使った測量のシステムとメリット
ドローンを使った測量は、低空飛行させたドローンで地表の様子を撮影し、3Dモデルを作成するという新しい技術が使用されています。
これまで、上空からの測量を行う場合、航空機や人工衛星で地表を撮影する写真測量や、航空機で上空から地表にレーザーを当てて計測する方法が用いられてきました。これらの方法は、多くの費用や時間を必要とします。
ドローンを使った測量では、低空飛行での撮影を行うことにより、航空写真よりも高解像度な写真を撮ることができます。また、ドローン測量は価格面のコストが抑えられ、手軽で時間がかからないなどさまざまなメリットがあります。
ドローン測量の流れ
1 地形状況の把握
実際に現場に行き、離着陸のポイントや計測対象となる建物や周辺の障害物を確認します。
2 フライトプランの作成
現地調査でのデータ、地図などをもとに飛行経路を決定します。専用ソフトを使用し、撮影間隔、飛行高度、ルートなどのプランを詳しく作成します。実際の測量の際には、このときに作成したプランの通りにフライトが行われるため、ミスや漏れが無いか入念にチェックします。
3 既知点の設置
既知点とは、撮影する際にカメラの三次元位置を特定するためのポイントのことです。既知点は、工事の状況によって設置し直さなければならないため、注意が必要です。
4 撮影
作成したフライトプランに従ってドローンを飛行させ、地表の写真を撮影します。
5 画像データの処理
画像データを解析し、3Dデータを作るための準備を行います。既知点と実際の写真の対応付けや、レンズの歪み矯正もここで行います。
6 画像の解析、3Dモデルの作成
処理の済んだデータを専用の解析ソフトで解析し、3Dモデルを作成します。
ドローン測量を始めるための必要コスト
ドローンによる測量は、価格面のコストや時間が削減できるとお話ししました。確かに、一度導入してしまえばコストは非常に少なく抑えることができますが、自社ですべてを一から揃えるとなると、逆にかなりのコストがかかってしまいます。
撮影した画像から3Dモデルを作成するためのソフト、3Dモデルから断面図などを作成するソフトなどの各種ソフトウェア、それにドローン本体の価格を合わせると、総額300万円以上の初期投資が必要になります。
そこで、ドローン製作やシステム開発を手がける大手ドローンメーカーの「テラドローン」は、より低価格でドローン測量を導入できる製品を発表しました。
「テラドローン」が開発した「Terra Mapper」は、これまで画像処理、3Dモデルの生成など複数本のソフトが必要だったものを、たった一本で補ってくれる画期的なソフトウェアです。
今回の記事では「Terra Mapper」について深く言及はしませんが、各種ソフトウェアやドローンを含め、80万円程度の初期投資価格でドローン測量が始められるようになっています。
まとめ
ドローンによる測量は、手軽で価格面のコストも削減できる画期的な測量方法です。しかし、ドローンによる測量は実用化されたばかりで、研究も十分に進んでおらず、まだ精度では従来の航空撮影に劣ると言われています。
今後、さらに研究が進み、高精度で価格もお手軽なドローン測量が可能になることを心待ちにしましょう。
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