ドローンの普及により、その魅力や果てしない可能性に触れる機会も増え「ドローンで仕事ができないか?」と考える人が急増しています。ドローンを使った仕事にはどんなものがあるのか、チェックしておきたい法律や取得しておきたい資格などと併せて解説します。
ドローンの操縦に免許や資格は必要?
2021年10月の時点において、ドローンを操縦するために必要な「免許」はありません。
ただし、ドローンの活用が普及する中で、さまざまな法規制が整えられ、2022年にドローンの操縦免許制度が導入される見込みとなっています。
つまり、2021年10月現時点においては、誰でも自由にドローンを飛ばすことができるという訳です。とはいえ、いざドローンを使った仕事に就きたいと考えた時、雇う側からしてみればどの程度の技術力があるのか飛行履歴以外に判断する基準がありませんので、選考が難しくなります。
そこでドローンを仕事にしたい方にお勧めしたいのが、民間の団体が設けている「資格」を取得しておくことです。
法的な資格ではありませんが、認定資格校で講習を受けて試験に合格することでドローンに対する「知識」や「能力」があることを証明してくれるほか、実技試験を実施して「技術」があることも証明してくれる検定もあります。
ドローンで仕事をするならチェックしておきたい法律
ドローン産業はここ数年で普及され大きく話題に取り上げられていますが、まだまだ始まったばかり。
法整備やルール作りなどが急ピッチで行われているのが現状です。
現時点でドローンを使った仕事をするなら押さえておきたい法律には次のようなものがあります。
- 電波法
- 航空法
- 道路交通法
- 個人情報保護法
- 小型無人機等飛行禁止法
免許や資格がなくても飛ばすことができますが、だからと言って「どこでも」「いつでも」「どんなドローンでも」飛ばして良いという訳ではありません。
上記で挙げた5つの法律はその中でもほんの一部に過ぎませんが、主要な部分であるため、ドローンで仕事をする場合は、最低でも把握・理解しておきたいところです。
ドローンを使った仕事にはどんなものがある?
ドローンを操縦する人は一般に「ドローンパイロット」と呼ばれますが、その知識や技術、飛行履歴はどんな仕事に活かせるのでしょうか?
空撮カメラマン(年収例:350万円~640万円)
最もメジャーなドローンの仕事といえば空撮カメラマンではないでしょうか。クライアントが望む空撮映像を撮影するだけでなく「アーティストのMVを作りたい」という発注があれば、映像を制作(編集等)する場合もあります。
測量士(年収例:330万円~520万円)
人力で測量するよりも大幅に時間を削減できるため、建設現場などではドローンによる測量を採用するケースが増えています。ドローンの仕事として、今後需要が高まるのではないかと考えられている分野です。
農薬散布(年収例:320万円~510万円)
従事者の高齢化や後継ぎ不足が叫ばれて久しい農業の分野において大活躍するのが、ドローンによる農薬散布です。正確な操縦技術や高性能のドローンが求められますが、こちらも今後需要が高まるのではないかと言われています。
警備(年収例:300万円~500万円)
農業と同じく人手不足に悩まされているのが警備の仕事なのですが、パイロットが操縦するというよりは自動操縦で飛行する方向に移行するのではないかと考えられています。機体の目視が原則必須の現状においては運用が難しいかもしれません。
ほかにも太陽光発電所の検査業務、ドローンパイロットのアシスタント業務、ドローンの開発やパイロットのインストラクター業務など、ドローンにまつわる仕事は次々と登場しており、今後も法整備や活用が進むことでどんどん増えていくことでしょう。
ドローン業界の成長は今後も急速に発達・拡大していく
矢野経済研究所が2016年8月に発表した「ドローンの世界市場の調査結果」によれば、2015年の世界市場規模は日本円にしておよそ1兆2410億円で、そのうち民間用ドローンは4053億円とのことでした(残りは軍事用)。
2016年時点で2020年には倍近くの2兆2814億円に到達すると予想されていましたが、実際には2兆5,452億円にまで登っています。
それでも勢いは止まることを知らず、2025年にはさらに倍近くとなる約4兆8,416億の市場規模になると予想されています。
今はまだ選べるドローンの仕事もそれほど多くなく、資格や免許なども必須ではありません。
しかし、今後国内においては2022年に免許制度の導入、航空法が適用されるドローンの重量が200g以下から100g以上に変更されるなど、細かく整備されつつあります。
また、ドローン産業においても新しいビジネス活用が模索され、それに伴い、仕事の幅も大きく広がっていくことでしょう。
現状、免許制度前に民間スクールで取得したドローンの資格がどうなるかは明確になっていませんが、免許制度が開始されれば多くの人が資格取得しようと殺到することも予想されます。
ですが、現時点で多くの知識を得ることができれば、免許制度が開始される頃には一歩先の操縦士として活躍することができるかもしれません。
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