ドローンがどのような原理で飛んでいるのか、不思議に思ったことはないでしょうか。ヘリコプターのようにホバリングしたり、左右前後に動いたりするのはなぜか?ドローンの基本的な仕組みについて解説していきます。
ドローンの種類
近年ドローン文化が急激に普及したことで、ドローンがどういう形をしたものかという認識が多くの人に広まってきました。大半の人がイメージするドローンは、「4枚の回転する翼(プロペラ)がついたラジコンのようなもの」といったものではないでしょうか。
この多くの人がイメージする4枚の回転翼がついたドローンは「クアッドコプター」と呼ばれるもので、ドローンの飛行原理を用いた機体の中でも最も一般的な種類になります。その他、6枚の回転翼がついた「ヘキサコプター」、8枚の回転翼がついた「オクトコプター」などもあります。このように、複数の回転翼がついたドローンの総称を「マルチコプター」と呼びます。
これらのマルチコプターは、プロペラの回転数を調整するだけでホバリングや前進・後退ができるという、ドローンならではの飛行原理を用いたシンプルな構造が特徴です。
マルチコプター以外にも、私たちがよく知っている一般的な飛行機のような固定翼タイプのものもありますし、近年では深海魚のように水中を動く水中ドローンも存在します。
ドローンはどのような原理で飛ぶのか?
では、ドローンはどのような原理で飛行するのでしょうか。ドローンが飛行するには、モーターやバッテリー、フライトコントローラーや送信機・受信機など、多くのパーツが作動しながら飛行の仕組みを作り上げていますが、ここでは一番わかりやすいローター部分をピックアップしてご紹介したいと思います。
先述したように、ドローンで最も一般的なタイプは4枚翼の「クアッドコプター」になります。マルチコプターについている回転翼(プロペラ)の部分をローターと呼ぶのですが、このローターの「回転する方向と速さ」がドローン飛行の原理として重要で、ドローンが安定して飛行するカギとなります。
ドローンは、隣り合っているローターがそれぞれ逆向きに回転することで、安定飛行することができる仕組みになっています。
この隣り合わせのローターがそれぞれ逆回転している状態が安定飛行の基本となるわけですが、さらに前方のローターの回転が遅く、後方のローターの回転が速い状態だと前に進みます。
また、ドローンが右方向に動く時は、右側のローターの回転数が遅く、左側の回転数が速い状態になっています。左方向に動く時は、逆の原理になります。
このように、ドローンはローターの回転する方向と速さでホバリングしたり、前後左右に動いたりすることができるのです。
風が吹いても安定して飛行する理由
とはいえ、ドローンの飛行原理上、上空の高い位置を飛行した場合、風の強さや風向きはどうしても影響してきてしまいます。
そんな時のために、ドローンには「プロセッサ」と「ジャイロセンサー」という2つのセンサーが取り付けられています。これらのセンサーは姿勢防御センサーの役割を果たし、ドローン飛行の安定化を図るために欠かせない重要なセンサーとなります。
ジャイロセンサーは回転を読み取るセンサーのことで、私たちが普段使っているスマートフォンにも搭載されています。このジャイロセンサーが機体の傾きや回転を検知してくれます。
そして、検知されたデータをもとに、プロペラを回転させるモーターの出力数を調整します。このプロペラのモーター出力を調整するのが、プロセッサの役目となります。
ドローンの飛行原理を司る部品として、機体全体の傾きや動きを感知するのがジャイロセンサー、そこからプロペラの強さなどの出力調整をして向きや方向など機体の姿勢を変えるのがプロセッサ、というわけです。
マルチコプターはプロペラが命
先述したように、マルチコプターが飛行する原理は、プロペラの回転が何よりも重要となります。逆に言うと、プロペラがどれか1枚でも壊れて動かなくなると、墜落してしまうということでもあります。
飛行機の場合はエンジンが故障しても、翼がある程度滑空するため、すぐに墜落することはありません。また、ヘリコプターの場合は、降下していくときの力を利用してメインのローターを回転させて揚力を得ることができます。
ドローンが墜落しやすい理由は、この「プロペラが1枚でもダメになったら飛行不可」という点が大きいと言えます。思わぬ事故につながらないためにも、機体に異常がないか事前の確認が重要となります。
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