日本でも、ドローンがメジャーになってから数年が経ちましたが、安全性の面では進歩しているのでしょうか?ドローン自体の安全性や操縦士が持つべき意識について、ここでは考えてみましょう。
ドローン自体の安全性は向上している?
2015年4月22日に発生した総理官邸へのドローン落下事件以来、ドローン関連の事故が相次いでおり、安全性に不安を抱く国民も増えました。
2017年11月4日、岐阜県大垣市のイベント会場で発生したドローン落下事故は、皆さんの記憶にも新しいところではないでしょうか?この事故では5歳から48歳の男女6人が軽傷を負うことになりました。
ドローン元年と言われている2015~16年から、毎年のようにドローンの安全性に大きな疑問を突きつける事故が多発しているのです。
日本でも、ドローンが広く知れ渡るようになって数年が経過しましたが、ドローン自体の性能という意味で、安全性は向上しているのでしょうか?
たとえば2016年3月にDJIから発売になった「Phantom4」は、
※プロポ(コントローラー)から手を離しても自動でホバリングする
※GPSが受信できない場所でも安定して飛行する
※障害物の手前で停止したり回避したりできる機能を搭載した
など安全性を向上させる技術を盛り込んだことで話題になりました。
操作性も格段に向上し、上記のような安全性を考慮した機能を搭載することで、以前と比較して安全性の面では向上したと言えるでしょう。
ただし、これはあくまで「ドローン自体の安全性」が向上したに過ぎないのです。
ドローンの安全性に“絶対”はない
どんなに時代が進んでも交通事故がなくならないように、どんなにドローンが進化しても安全性に“絶対”はありません。
前出のPhantom4のように、安全性を考慮したさまざまな機能が搭載されたドローンも確かに登場しています。
ですが、操縦不能や制御不能に陥り、紛失してしまったり、墜落してしまったりする事故や事件は一向になくなっていないのです。
・急な雨と風でドローンを見失った
・操縦経験豊富な操縦士が制御不能に陥って墜落させた
・ドローン測量中にプロペラが破損して墜落した
・自動帰還機能が正常に作動せず紛失した
このように、安全性に不安を覚えるような事例が続いているのが現実です。
ドローンの安全性を高めるには操縦者の意識向上が不可欠
ドローンは以前と比べて性能面での安全性は向上したと言えますが、それでも安全性に“絶対”はありません。
特にドローン初心者の方はこんな体験をするかもしれません。
「少し風がある日に、重さ100g未満のトイドローンを外で飛ばしたところ、風に煽られて空高く舞い上がり、そのまま操縦不能となって消えてしまった。説明書には外でも飛ばせると書いてあったはずなのに」
外で飛ばせるとはいえ、ドローンは軽ければ軽いほど風の影響を受けやすいということを知っていたり、あるいは風速5m以上の時は注意または中止した方が良いなど、安全性に関する情報を事前に蓄えたりしていれば、こうした事故は回避できるはずです。
ドローン自体の安全性は増しているものの、同時に操縦士の安全性に対する高い意識や安全知識、そして正しい操縦技術にリスクマネジメントなども求められるようになってきています。
安全性さえ確保されれば、ドローンは私たちのクオリティ・オブ・ライフの向上や、経済の発展に大きく寄与してくれるデバイスとなり得るでしょう。
ドローンの安全性を高め、健全に普及させていくためにも、これからドローンパイロットを目指す方はぜひ、ドローン自体の安全性を理解するとともに、自分自身の安全意識や正しい操縦技術などを身につけていきましょう。
この記事と一緒によく読まれている記事
-
水中ドローンの操縦に免許は必要?水中ドローンに関する資格を解説
-
ドローンの操縦に無線技士の資格は必要?必要なケースや資格の取得方法を解説!
-
ドローン測量管理士とは?新しく登場したドローン測量の資格を取得する方法を解説!
-
海でドローンを飛ばす際の規制や必要な許可申請は?海で飛ばす時のルールを解説
-
ドローン国家資格の取り方を解説!取るまでの手順や取得期間はどれぐらい?
-
ドローン国家資格の難易度は高い?試験の合格率や勉強時間はどれぐらい?
-
ドローンを使った橋梁点検とは?メリット・デメリットや橋梁点検で使用される新技術を解説!
-
ドローンの目視外飛行は飛行許可が必要?目視外飛行を行う条件や練習方法を解説!
-
100g未満のドローンを飛ばせる場所を解説!チェックすべき法律や飛行ルールは?
-
ドローンの高さ制限を解説!ドローンを飛ばせる高度はどこまで?
-
ドローンサッカーってどんな競技?ルールや始め方を詳しく解説
-
東京ディズニーリゾートがドローンショーを開催!ショーの中身や見た人の反応は?