ドローンレーザー測量のメリット
レーザー測量は1秒間に何万もの点群を取得し、広い範囲を短時間で測量することができるというメリットがあります。
人が測量機材を運びながら作業することに比べると、大幅に時間を短縮することができます。
航空機を使った航空レーザー測量は、専門会社に依頼し高額な費用が必要でしたが、ドローンを利用することにより低コストで航空測量ができるようになりました。
ドローンによるレーザー測量には他にも様々なメリットがあります。
航空機に比べて低高度、低速で飛行するため、高密度のデータ収集ができること、谷間や急斜面など航空機では不可能は場所の測量ができることを挙げることができます。
さらに人が入ることができない険しい場所や災害地でも、ドローンを使えば容易に作業することができます。
小型で軽量のドローンを使用するので、車で現場まで運搬し、すぐに作業開始ができるなど、作業時間の短縮にもつながります。
草木が多い場所でも、レーザーは地面まで届くので問題なくデータ収集ができます。
草木を刈ったり、切り倒したりすることなく作業ができるので、自然にも優しい測量方法だということができます。
RTKの活用でドローン測量の精度を高める
地上測量よりも広範囲を短時間で、航空測量よりも低コストで作業することができるドローンによるレーザー測量ですが、精度が低くなってしまうと意味がありません。
ドローンの位置を測定するのに、衛星から電波を受信するGPSが用いられます。
GPSはカーナビにも使われているので身近なものですが、2mほどの誤差が生じることがあります。
測量において2mもの誤差があると精度がいいとは言えません。
しかし、「RTK(リアルタイムキネマティック)」を活用すると衛星からだけでなく地上に設置した基準局からも電波を送受信できるようになるので、誤差が数㎝まで改善されます。
GPSに加えてRTKを活用することによって、1㎝ほどの誤差という精度の高い位置情報を得ることができるので、より正確な測量をすることが可能になります。
「レーザー測量ドローン LS1500R」の測量精度
実際に使用されているレーザー測量ドローンに「エンルートLS1500R」を挙げることができます。
エンルートは産業用大型ドローン「エンルートAC1500」で高い評価を得ており、高い操作性と安全性を誇っています。
「エンルートLS1500R」は2本のバッテリー搭載で約20分の飛行が可能、バッテリーの残量が低下すると自動帰還するので安全面でも安心です。
アームを折りたたみすることができるコンパクト設計なので、小型のバンで運搬することができます。
「エンルートLS1500R」が搭載するのはRiegl社製の「VUX-1UAV」。
世界最高レベルの性能で航空測量の分野で信頼されているRiegl社の最新のレーザースキャナを搭載し、高い精度の測量が可能になりました。
最大測定距離は920m、測定レートは約500,000点/秒、150m地点での精度/確度は10mm/5mmです。
国土地理院の「UAVを用いた公共測量マニュアル」にも対応した測量精度で、建物や森林を含めた表面反射データ、地面だけの地表面データ、オルソ写真などあらゆるデータを作成することができます。
まとめ
測量現場で活用されることが多くなっているドローンですが、今後もさらなる研究・開発が進んで最新のテクノロジーが導入されていくことでしょう。
従来の方法である地上測量に比べて作業時間が大幅に短縮できること、広範囲における測量を高い精度で行えること、人が侵入するのが難しい、または危険なところでも測定できるなど、ドローンによるレーザー測量はメリットが多いと言えるでしょう。
また、航空レーザー測量に比べて低コストで作業ができること、低高度・低速度の丁寧で高密度のデータ収集ができること、小型のバンでの持ち運びができて素早く作業に入れることもドローンによるレーザー測量の魅力です。
心配されていた測量精度も、GPSとRTKの活用で高い精度の正確な測量が可能になっていることが分かりました。
高い精度を保ちながら作業時間の短縮、低コスト、安全性の向上を可能にできるドローンによるレーザー測量。
建設現場をはじめ、防災や災害時の調査など、これからも様々な分野でドローンの運用が進められていくことでしょう。
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