ドローンで農薬散布するには講習の受講やライセンス取得が必要?

更新日: 2021.11.22 公開日: 2020.01.04
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ドローンを使えば手作業よりもはるかに早く効率的に農薬を散布できます。では、ドローンを使って農薬散布するにはどんな手続きが必要なのでしょうか。ここでは、ドローンを使用した農薬散布の手続きをはじめ、講習やライセンス取得の有無について解説します。

目次

農薬散布用ドローンを操縦するには講習を受けないといけない?

以前は、農林水産省が策定した「無人航空機利用技術指導指針」 の中で、農作散布用のドローンを飛ばすには「農林水産航空協会」から指定された講習施設で講習を受けて技能認定を受けなければならないことが規定されていました。講習には15〜18万円ほどの費用がかかり、期間も3〜5日くらいかかりました。

この講習制度は、農薬散布用のドローンを安全に飛ばすという点では役に立っていたかもしれません。しかし、お金と時間がかかり、手軽に受けられるような講習ではなかったために、農薬散布用ドローンの導入を必要以上に難しくしているという問題点もありました。

このため、農林水産省は2019年7月に「無人航空機利用技術指導指針」を廃止にして、「農林水産航空協会」認定の講習を受ける義務をなくしました。現在は講習を受けるかどうかは任意となっています。これにより、農薬散布用のドローンを導入する敷居が低くなりました。農薬散布用ドローンの普及のスピードがこれから早まっていくことが期待されています。

 

ドローンを安全に飛ばすために講習を受けてライセンスを取ろう

前の項目でご説明した通り、農水散布用ドローンを飛ばすのに「農林水産航空協会」認定の講習を受けるかどうかは任意となっています。しかし、安全にドローンを飛ばす基本的な技術や知識を身につけるために、ドローンスクールで講習を受けてライセンスを取得するのもおすすめです。

ドローンの講習で有名なのは、JUIDA(一般社団法人日本UAS産業振興協議会)とDPA(一般社団法人ドローン操縦士協会)の講習です。

JUIDAは、ドローンの健全な発展の支援と安全に関わる知識や高い操縦技能を持つ人材育成を目的として活動しています。JUIDA認定資格は、「操縦技能コース」と「安全運航管理者コース」の2つに分けられ、全国に200校以上(2019年11月18日現在)あるJUIDA認定スクールで取得できます。「操縦技能コース」の講習費用は、スクールによって異なりますが、30万円くらいが相場となっています。「安全運航管理者コース」の講習費用は5万円前後が相場です。

DPAは、ドローン操縦士の技術や知識を向上させ航空の安全を確保することを目的として講習を行っています。DPA認定資格には、「操縦士資格」と「インストラクター資格」の2種類があり、DPAの認定スクールで取得できます。DPA認定スクールの数はJUIDAよりも少ないですが、全国各地にあります。講習費用は20万~30万円くらいが相場のようです。

JUIDAの講習もDPAの講習も費用は決して安くありませんが、最低限の技術や知識を身につけることができます。ドローンを使って農薬散布をしたいと考えているのであれば、スクールに通って講習を受けてみてはいかがでしょうか。

 

ドローン農薬散布の規制緩和は講習が不要になったことだけではない

最初の項目で見た通り、「無人航空機利用技術指導指針」の廃止により、農薬散布用ドローンを操縦するのにもはや講習の受講やライセンスは必要ではなくなりました。また、同指針の廃止により他にもさまざま点で規制が緩和されています。

例えば、以前は、農薬散布に使用するドローンの性能を「農林水産航空協会」が検査して機体登録をするという制度がありましたが、この規制がなくなりました。また、ドローンで農薬散布する際に、事前に国や都道府県に散布計画書を提出する必要もありましたが、このルールも廃止になりました。

さらに、同指針の中では、ドローンに衝撃が加わった場合にその都度点検を受けるほか、指定業者での年1回の定期点検が義務として記載されていました。しかし、今回の規制緩和により、このコストと時間がかかる義務からも解放されました。

このように、ドローンによる農薬散布についてさまざまな規制緩和が実現しましたので、ドローンによる農薬散布の普及がさらに進むことが期待されています。そうなれば、農薬散布を今までより効率的に行え、農家の負担は減っていくことでしょう。今後の動向に注目です。

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