最近何かと話題のドローンですが、個人で簡単に空撮ができるのも嬉しい特徴です。ここでは、ドローンを使った空撮方法やおすすめのドローンをご紹介していきます。
ドローン空撮の魅力
ドローンの醍醐味といえば空撮です。人間の目線から遥か上空までドローンを飛び立たせれば、まるで鳥になったかのような映像を楽しむことができます。
セルフィー棒では到達不可能な高い場所からの映像は迫力満点、立ち入ることのできない場所でもドローンを使えば貴重な映像記録を残すことができます。
ドローンの高度を調整したり、カメラアングルを調節したりして工夫を凝らして撮影すれば、人間の目線では不可能な様々な視点での映像を楽しむことができます。サイクリングなどスポーツの現場でも被写体をドローンに追わせて空から撮影することができます。
ドローン空撮は趣味の撮影だけでなく、あらゆる分野でも可能性を広げています。例えば、工場などの大きな建物の点検や管理ではドローン空撮を利用してより安全、スピーディーに作業を行なうことができます。また、汚染されている危険な地域でもドローン空撮を利用すればリスクを抑えて調査をすることも可能です。
ドローン空撮はこれからますますわたしたちの生活の中で身近なものとなるでしょう。これからドローン空撮に調整してみたいという人がいたら、ぜひこの情報を参考にしてくださいね!
ドローンで空撮をする前に
ドローンで空撮を行う場合、規制法である「小型無人機等飛行禁止法」もしくは、「改正航空法」に違反していないかを確認する必要があります。
また、国の指定した禁止区域での空撮には許可が必要となり、ドローンの重さや空撮場所によって許可申請を出す機関も異なりますので、事前によく確認しておきましょう。
200g以下のドローンは「小型無人機等飛行禁止法」
200g以下のドローンであれば、国の指定外区域では許可申請なしで飛行させても大丈夫とされています。
しかし、国の指定区域上空で空撮する場合、事前に警察署への通報書が必要となっており、これは「小型無人機等飛行禁止法」で制定されています。
200g以上のドローンは「航空法」
以下の場所でのドローンによる空撮は、「航空法」により禁止されています。
・地表または水面から高さ150m以上の空域
・人口集中地区の上空
・空港周辺の空域
禁止区域の上空もしくは空域で空撮したい場合には、事前に地方航空局もしくは空港事務所に許可申請を出す必要があります。
・「国土地理院 地理院地図」http://maps.gsi.go.jp/
こちらのWebサイトで飛ばしたい場所が禁止区域かどうか簡単に調べることができます。
赤くなっている部分は許可申請を出さなければ空撮できない区域ですので、要注意です。
また、これらの法律に違反した場合、1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金が発生する可能性があります。
下調べせずにラジコンと同じ感覚で使用すると、後々逮捕されてしまった!なんてことにもなりかねないため、ドローンで空撮を行う際はくれぐれも違反のないよう慎重に使用しましょう。
ドローンの規制法は国土交通省が管轄しているため、最新情報や各種申請などは公式Webサイトで確認ができます。
・「国土交通省」公式サイト http://www.mlit.go.jp/
ドローン空撮の基本的な操縦テクニックを身に着けよう
ドローン空撮に必要な基本的な操縦テクニックを紹介します。簡単なテクニックから高度なテクニックまで身に着け、これらを組み合わせることでダイナミックな映像を撮影することができますよ。
前進/後進
前進はドローンの基本的な動きですね。簡単なようですが風の影響を受けると難しいことがあるのでしっかりと練習しましょう。被写体に向かってズームするような撮影ができます。後進は引く動きによって被写体の周りの風景が映っていく映像になります。
横移動
建物や木々などの被写体を横移動しながら撮影します。距離を変えることによって違った視点を楽しむことができます。カメラが横に向いているので衝突しないように気をつけて操作しましょう。
俯瞰上昇
カメラを真下に向けて上昇するので、ドローン空撮の醍醐味である迫力ある映像を楽しむことができます。どこからスタートさせてどこまで上昇するのかを決めておくといいでしょう。
俯瞰前進
上から見下ろした状態で前進します。まっすぐな道路や海岸線を撮影するのに使えるテクニックです。カメラが下を向いているので前方に障害物がないかを確認するようにしましょう。
固定
ドローンを静止させて固定の映像を撮影します。道路を移動する車、線路を走る列車、川や雲の流れを撮影することができます。あとでタイムプラスの編集を加えると動きを早くすることも可能です。
上昇/下降
これもドローンの基本的な動きです。上昇することによって広がる景色を捉えることができます。また崖や滝、高い建物の撮影に使うことができるテックニックです。
パン
その場でドローンを中心として周囲をぐるりと見まわすテクニックです。高度を決めてそこから360度を見渡すことができます。映像がぶれないように回るスピードを調整する必要があります。
斜め移動
2つの動きを同時にコントロールする必要があります。横移動よりもスケールのある映像が撮影できます。
円移動
被写体を中心にしてゆっくり円を描くように回転させる撮影テクニックです。臨場感のある撮影ができ、空撮の幅を広げることができます。
下降/チルドアップ
ドローンを下降させながらカメラを下から上に移動させる撮影テクニックです。被写体に向かって下降しますが、だんだんと被写体の正面に進みます。
低空飛行
地面や水面をスレスレに飛行して撮影するテクニックです。迫力のある映像を撮影することができますが、地面や水面に接触すると危険なので慎重にコントロールする必要があります。
対象物通過
木々の間など、2つの障害物の間を通過する撮影テクニックです。スリルある映像を撮影できますが、衝突などの危険があるので慎重さが必要です。
上手に撮りたい!ドローンでの空撮のコツとは?
1. 離着陸を安定させる
ドローンで上手く空撮するには、まずホバリング技術を向上させることが重要です。
ホバリングとは、ドローンが離着陸する際に地上から一定の高さと位置で動きをキープさせる技術のことで、ドローンをマニュアルモードで操作するときに必ず必要になる技術でもあります。
基礎的なホバリング方法は、機体が動いた際、それとは逆向きの方向にプロポを押し、機体が落ちてきたら上げる、左に動いたら右に動かして調整を行います。
小さくて安価なドローンは不安定なものが多いため、ホバリングが非常に難しく、練習を重ねる必要があります。
ドローンのサイズが大きく、高性能のドローンになればなるほど機体のバランスは安定し、簡単にホバリングができるようになります。
また、トラブルが起きた際にもホバリング技術は役立つため、操縦技術として習得しておくに越したことはありません。最初は小さい機体から練習を始め、慣れてきたところで高性能なドローン、もしくは大きめのドローンに買い替えることをおすすめします。
2. カメラの角度は機体を回転させる
初めの頃は操作に慣れていないため、カメラの角度を手元で変えられるコントローラーのチルトは使わず、機体の角度を回転させて方向を決めましょう。
本格的なドローンで空撮を行う場合、ついチルトを動かしてしまう人が多いですが、これを空撮初心者が行うとブレに繋がりますので注意してください。
慣れてきてチルトで綺麗に空撮もできて完璧!という人は新たなコツとして、カメラの角度を真下に向けて上昇させ、高度が上がるにつれて上向きに角度を変えてみてください。今までとは一味違った臨場感のある空撮ができて面白いでしょう。
3. 絞りはマニュアルモードで統一感を出す
空撮する際は、なるべくドローンのカメラ設定で絞りの項目をマニュアルモードに設定しておきましょう。
オートにするとカメラに映る風景の明暗によって、実際に動画撮影している画面の明るさも変動してしまい、落ち着きのない見づらい空撮になってしまいます。
4. 人間の目線から徐々に上げていく
空撮始めはドローンを人の目線の高さに合わせ、徐々に高度を上げていくことで、ドローンならではのダイナミックな空撮ができます。
他の撮影方法としては、ドローンを人の目線の高さで前進させて、壁などにぶつかりそうになった瞬間に上昇させるという方法もあります。
5. 中心点を軸に回転
中心点を軸にドローンを回転させるPoint Of Interest、略してPOIと呼ばれる撮影方法があり、POIはモードとして組み込まれている機体もあります。
しかし自分でPOIを習得すれば、対象物がカメラに入ったタイミングでPOIを行うことができ、複数の目標を捉えながらスムーズに撮影することが可能になります。
6.構図のバランスを意識する
構図のバランスを意識して撮影すると、より美しい映像を撮影することができます。例えば、上半分を空、下半分を海として2分割するといいでしょう。もちろん、左右均等に2分割することもできます。
縦と横をそれぞれ3分割にして、その交点に被写体が映るように撮影することを3分割構図と言います。これは写真撮影でよく使われるテクニックですが、ドローン空撮でも意識するとバランスがよくなります。
上手に撮れたらコンテストに応募してみよう!
上記の撮影テクニックをマスターして上手に撮れたら各種コンテストに応募してみるのはいかがですか?プロ・アマを問わずに個性的な作品を募集しているコンテストがたくさんありますよ。過去に行われたコンテストを2つ紹介しますね。
ドローン鳥瞰空撮カレンダー2018プロジェクト
「ドローンで撮影された、鳥瞰!俯瞰!絶景!の自然、風景、人」をテーマにし、カレンダーを作成することを目的としたコンテストで、2017年に募集していました。大賞はなんとDJI Phantom 4 Pro、春賞、夏賞、秋賞、冬賞はそれぞれDJI STOREで使える30,000円分相当の割引チケットでした。
“VIVA Drone Award” Presented by Sky Agent
「地方創生xドローンxテクニック」をテーマにしたドローン空撮コンテストで、2019年に募集していたものです。賞品総額100万円、豪華な顔ぶれの審査員によって行われたコンテストとなっており、ドローン空撮の魅力が伝わるユニークな作品を募集しています。たとえビギナーだとしても頑張っているのが伝わる映像であれば問題ないとのことです。
ドローンでの空撮の注意点
1.民有地上空での空撮は許可が必要
民有地上空でのドローンの使用は、その土地所有者から承諾を得る必要があります。
ドローンはカメラが付いているため、勝手に民有地へ侵入してしまうとプライバシーの侵害となります。自分の家の敷地内で飛行させていたはずが、隣の家に飛ばしてしまったなどということがないよう、十分に注意しましょう。
2.電波が強い場所での飛行は危険
周囲に電波塔や電子機器など電波を強く発するものがあると、コントローラーの信号が混信し、操縦ができなくなる可能性があります。
3.悪天候時は飛行を控える
ほとんどのドローンは防水や防塵機能がないため、雨に濡れると故障する確率が高く、事故にもつながるため悪天候時の飛行は控えましょう。また、砂浜などでの使用も通気口などから機体内部に砂が入ってしまう可能性があるため、避けるようにしてください。
空撮におすすめのドローン
空撮におすすめのドローンを特徴付きでご紹介します。
Hubsan X4 HD ワインレッド H107C-1
・720p対応の200万画素の高画質HDカメラを搭載
・市販のものは4GBのMicroSDカード付き
・ローターガード付きで室内での撮影も安心
・軽量の51g
・1万円以下とリーズナブル
Holy Stone ミニドローン HS190W
・FPV対応
・折りたたみ可能のコンパクトスタイル
・約50m~80mの距離まで操縦可能
・スマホで操作ができ、初心者にもおすすめ
・予備プロペラ付き
パロットDisco FPV PF750071
・ゴーグル装着でフライト体験が可能
・可能速度は約80km
・最大2kmまで飛行可能
・ボタン1つで簡単着陸
・アプリで写真や動画データを保存、YouTubeなどにアップが可能
DJI Mavic Pro Camera Drone
・4K撮影からスローモーション撮影まで可能
・1kg以下で持ち歩きに最適
・折りたたみ可能
・コントローラー操作の他にiPhoneやiPadからも操作可能
・OcuSyncテクノロジーにより最大7kmまで飛行可能
・手ぶれ補正機能搭載
以上、ドローンで空撮する方法やおすすめの機体をご紹介しました。
ドローンで空撮を行う際には何かと決まりごとが多いですが、屈せずにコツを習得して、ドローンライフを存分に楽しんでください!きっと素敵な映像や写真に感動すること間違いなしです。
この記事と一緒によく読まれている記事
-
ドローンショーの仕組みを解説!演出や操縦はどうやっている?
-
ドローンを使ったスマート農業を解説!農業用ドローンの主な用途とは?
-
ドローンの免許(国家資格)の取得には年齢制限がある?何歳から取得できる
-
水中ドローンの操縦に免許は必要?水中ドローンに関する資格を解説
-
ドローンの操縦に無線技士の資格は必要?必要なケースや資格の取得方法を解説!
-
ドローン測量管理士とは?新しく登場したドローン測量の資格を取得する方法を解説!
-
海でドローンを飛ばす際の規制や必要な許可申請は?海で飛ばす時のルールを解説
-
ドローン国家資格の取り方を解説!取るまでの手順や取得期間はどれぐらい?
-
ドローン国家資格の難易度は高い?試験の合格率や勉強時間はどれぐらい?
-
ドローンを使った橋梁点検とは?メリット・デメリットや橋梁点検で使用される新技術を解説!
-
ドローンの目視外飛行は飛行許可が必要?目視外飛行を行う条件や練習方法を解説!
-
100g未満のドローンを飛ばせる場所を解説!チェックすべき法律や飛行ルールは?