ビジネスやサービスの次世代のあり方を示すキーワードに「IoT」という言葉が注目されています。この分野で特に有望視されているのが、ドローンの活用による新たな市場をつくり出すことのようです。
いったいこの「IoT」とは何を指す言葉なのか。また、なぜドローンは空飛ぶIoTと言われているのでしょう。ここでは、ドローンが空飛ぶ「IoT」と言われる理由を紹介します。
そもそも「IoT」とは何か
「IoT(アイオーティー)」とは、「Internet of Things(インターネットオブシングス)」の頭文字を取った単語で、日本語では一般的に「モノのインターネット」と呼ばれています。
IoTを簡単に説明すると、パソコンやスマートフォンなどの情報通信機器に限らず、すべての「モノ」がインターネットにつながる仕組みのことです。
IoTでは、これまでインターネットとは無縁だった「モノ」をインターネットにつなげることにより、モノが相互通信し、遠隔からも認識や計測、制御などが可能となります。人が操作してインターネットにつなぐだけではなく、「モノ」が自らインターネットにアクセスすることがこのIoTの特徴なのです。
近い未来、住宅や家電製品、自動車、さらには都市部の道路のすべてが接続され、さまざまな「モノ」のネットワークが形成されます。
現在でも、テレビをインターネットに接続したり、外出中でもスマートフォンから録画予約したりできるようになっています。エアコンについても同様に、外出時でもスマートフォンで遠隔操作ができ、帰宅時間に合わせて最適な温度に室内を保つことができます。
このように、IoTの意味を知らなくても、日常生活で既にIoTを体験している人が沢山いるのです。
ドローンが空飛ぶ「IoT」と言われる理由とは
元々は軍事利用を目的として開発が始まったドローンですが、無線技術やセンサー技術の進歩に伴い小型化・高機能化されました。それによって、数万円程度の安価なモデルも登場したため、日本でも徐々に浸透し、近年では業務に活用する動きも急速に進んでいます。
災害現場や高所など、人間が行くには危険を伴ったり、時間がかかったりする場所にも簡単に行けることがドローンの特徴です。さらにドローン本体には、カメラや通信機能などを搭載することができるため、さまざまな現場の情報を収集して遠隔地に送信することが可能です。
現在では、タブレットやスマートフォンといった誰でも扱えるデバイスでドローンのコントロールや制御もできるようになりました。
これが、ドローンが空飛ぶ「IoT」と言われる理由なのです。
このようなドローンの特徴に、業務改革の可能性や新たな収益機会を見出す企業は多く、自社の業務に取り入れたり、企業向けのドローン関連サービスの提供を開始したりする企業も増加しています。
空飛ぶIoT「ドローン」を活用した市場規模の将来予測
産業ドローンの潜在市場規模は14兆円ともいわれており、起業家や投資家に加え、大手企業、政府など、さまざまなプレーヤーが注目しています。
具体的な成長率でいうと、世界では2020年の時点で約1兆3,000億円と試算されており、今後は年率にして約30~40%の成長が見込めると考えられているようです。
ドローンが利用される分野として、ビデオ・画像撮影(27%)と精密農業(23%)が半分を占め、監視/モニタリングや地図測量、点検・整備・工事といった活用例が残りの半数を占めているとの報告があります。
一方、日本の市場規模については2015年時点で約16億円、これが2020年時点で約186億円規模と10倍以上の伸びを見せ、2022年には約400億円市場とする試算があるといわれています。
これは、ある程度少なく見積もった場合の予測のようで、官民の取り組み次第で飛躍的なマーケットを創り出す可能性も秘めていると考えられているのです。
ドローンが空飛ぶ「IoT」と言われる理由についてお伝えしてきましたが、いかがだったでしょうか。
必ず訪れるIoT社会の中で、ドローンは私たちの生活にどんな影響を与えてくれるのか、今後も注目していきたいですね。
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