ドローンが災害時に活躍!ドローンの基礎知識と4つの活用方法をご紹介

更新日: 2021.11.24 公開日: 2017.09.28
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近年、スマホと連動する事により多くの電子機器が次世代の可能性を生み出しています。
その中でも、「ドローン」に対する注目度が世界中で急激に高まっており、実際、ドローンが災害時にも活躍しています。
では、ドローンは災害時に、どのように活用されているのでしょうか?
ここでは、ドローンの基礎知識と、災害時のドローンの4つの活用方法を紹介します。

目次

ドローンとは

そもそも「ドローン」とは、どのようなものなのでしょう?
ドローンとは、無人で飛行することが可能な航空機全般を指します。元は軍事目的で利用されてきましたが、最近では小型化や低価格化、さらにはスマホやインターネットと連動する事によって、その利用用途が広がり、一般での活用も進んでいます。

ドローンの大きさは、手のひらに乗るような小さなものから、大きいものでは実物の航空機サイズのものと幅広く、形状は動作制御のしやすさや安定性の観点からヘリコプターのような構造をしており、複数の回転翼のあるマルチコプタータイプが主流です。

操縦は主に、専用のコントローラやタブレット端末、スマートフォンを利用。GPSを利用して飛行ルートを指定することで自動飛行が可能なドローンや、事前にターゲットを指定することで自動追尾できるものなどもあります。

では、飛行機やヘリコプターと何が違うのか?
簡単に述べると以下2点が、ドローンの特徴です。

・技術の進歩により、一定の範囲内で自動飛行が可能
・飛行させることだけが目的ではなく、プラスで何らかの役割をさせることが目的

上記のような特徴をもつドローンが、今災害現場で大きな活躍を果たしています。
実際にどのようにドローンが災害現場で使用されているのか、詳しくみていきましょう。

ドローンで災害地を救う!ドローンの4つの活用方法

1・被害状況の確認

地震などの事故が起きた際に、救助隊が被災者の元まですぐにたどり着けないという光景をニュースで見たことがある方も多いのではないでしょうか。
いくら道路環境が整っていたとしても緊急時にその道路が使えるとは限らず、ヘリコプター等で捜索を実施しても、数日間被災者が見つからないこともあります。
過酷な捜索環境はときには、救助者側にとってもリスクとなるケースが多いです。

ドローンを災害の被害状況確認に利用すれば、人間にとって過酷な環境となる猛暑や放射線などへの耐性もあるため、多くの瓦礫の中で人がいるのか判断しづらい状況においても、広い視野を持って捜索を難なく行うことが可能です。

2・正確な地図をつくる

大きな自然災害が発生した時、もっとも必要なものは「状況をきちんと把握できる正確な地図」です。

噴火の場合は、溶岩はどこまで広がっているのか?
大地震の場合は、どの道が安全に通れるのか、危険なのか?
洪水や大規模火災の場合は、どこに逃げれば安全なのか?

今まで道だった場所が道ではなくなる瞬間、地図があるかないかは命に関わってきます。そんな時、ドローンを災害時の地図把握に利用すれば、自動操縦によって、津波で浸水した町の上や、放射能で汚染された場所など、人が入れないエリアに行き、画像や映像を撮影することができます。

訓練されたドローン操縦士が即座に出動して、現地状況を空撮し、最短2時間以内に被災地の地図の最新情報を公開することも技術的に可能なのです。

3・医療物資などを配送する

ドローンは、災害に苦しむ地域、あるいは僻地や貧困している地域に、薬やワクチン、緊急物資やその他の必需品を運搬することも可能です。
ドローンなどの小型無人機の空撮などを手がける香川県内の4社は実際に、無人固定翼機を使って同県観音寺市の離島に医療物資などを配送する実証実験も行っています(産経 WESTより)。

4・遭難した人の発見

2本のWi-Fiアンテナが搭載されたドローンでは、携帯電話のMACアドレスを利用して機器を識別、複数の測定値に基づいて、携帯電話の場所を特定することが可能なものも存在します。
開発チームのジョナサン・シュゾーは、概念実証実験で最適な場合、キャンパスにある携帯電話を10m以内の範囲で見つけることができたと述べています。そのため、災害時にドローンを用いて、瓦礫や土砂の中に埋もれた人を携帯電話の位置から発見することが可能なのです。

また、ドローンに、熱探知カメラや、雪崩ビーコン(雪崩で埋まってしまった場合に備えて登山家が携行する無線機器)など、既存の検出技術を搭載することもできます。

ドローンが災害現場で実際に活用された3つの例

ここでは、実際にドローンが災害現場で活用された3つの例を紹介します。

熊本地震

国土地理院は、2016年4月17日に熊本地震の被災地をドローンで撮影した映像を公開しています。
被災地である熊本県南阿蘇村の阿蘇大橋周辺の土砂崩れ現場や、地震で新たに出現した断層の様子などもドローンで撮影しました。

九州北部を襲った豪雨

国土地理院は、2017年7月7日以降に撮影した、九州北部を襲った豪雨の被災現場をドローンで撮影し、映像をネット上で公開しました。
映像では、人が足を踏み入れにくい川の上流部や山間部の被災状況を見ることも可能でした。

ネパール大地震

2015年4月に起きたネパール大地震の際にも、ドローンは活用されています。
こちらも、ドローンが直接災害救助に当たってはいませんが、ネパールの被害状況をドローンからの空撮によって世界中に伝えました。

ドローンの災害現場での活用方法や活用例を見てきましたが、いかがだったでしょうか。今後も需要が増えていくことが予想されるドローンの動向に、目が離せません。

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