ドローン測量の手順
一口に「ドローン測量」と言ってもさまざまな方法がありますが、一般的な手順を以下でご紹介します。
1.踏査
踏査とは、実際に現地に行って地形や障害物、離着陸の場所を確認することです。なお、写真測量の場合、森林などの障害物で隠れている地点は上空からは測量できないので、ドローン測量ではなく地上で測量することになります。
2.許可申請
ドローン測量する場合、ドローン飛行の許可申請を国土交通省に対して行う必要があります。遅くとも飛行の10開庁日前までに申請することが推奨されています。公道などの上空でドローンを飛行させる必要がある場合には、警察署への許可申請も必要です。
3.飛行ルートの作成
地図上でドローンの飛行ルートを考えます。また、専用のソフトやアプリを使って、撮影高度や写真撮影の間隔、写真ラップ率なども設定します。
4.基準点(GCP)の設置
基準点(GCP)を現地に設置します。これは、ドローン搭載のカメラの位置を特定して3Dモデルを作成するのに必要です。簡易的な高低差測量や度量検査の場合は、GCPを設置しないこともあります。
5.空撮
飛行ルートをドローンに設定して自動航行させ、上空から写真を連続撮影します。
6.画像解析
ドローンで空撮して取得した画像をソフトに読み込んで3Dデータ(オルソ画像、点群データなど)を作成します。パソコンにインストールしたソフトを使う場合や、クラウド上で処理を行うタイプもあります。クラウド版は月額料金制となっていることが多いです。
7.データ出力
作成した3Dデータをパソコンやクラウド上で共有したり、CADソフトなどに取り込んだりして、建設の各工程で活用していきます。
ドローン測量のメリット
ドローン測量には、下記の通り、たくさんのメリットがあります。
地上測量よりも短時間で実施できる
地上で人が動いて行う測量は時間がかかります。一方、ドローン測量では、上空から広範囲の撮影を短時間で実施できます。例えば、3~4haを撮影するのに1時間もかかりません。
人が入れない場所や危険な場所の測量も可能
地上測量では人が入れない場所や危険な場所の測量は困難ですが、上空から行うドローン測量なら可能です。現地にGCPを設置しに行く必要はありますが、より少ない数の設置で済むよう改良が進んでいます。
3Dモデルを簡単に作成できる
ドローン測量なら、撮影した画像と取得した3次元の位置情報を専用ソフトで処理することで簡単に精度の高い3Dモデルを作成できます。デジタルデータなので、クラウドなどを通して建設現場や事務所、クライアントと手軽に共有でき、効率的に作業を進められます。
従来の航空測量よりも安く済む
従来の航空測量はセスナなどを飛ばして行いますが、高額なコストがかかってしまいます。一方、ドローンを使えばかなり費用を抑えられます。しかも、ドローン測量の普及が進んで機体の価格が下がってきているため、ますますそのコストは安くなっています。
ドローン測量におすすめのクラウドサービス
ドローン測量では、空撮して取得した画像の解析がかかせない工程になります。そのために必要なのが専用のソフトです。今ではクラウドサービスやデスクトップ版とクラウド版がセットになったソフトがたくさん登場しています。クラウドサービスはネット環境があればどこからでもアクセスできるため、便利です。以下で、クラウド上で使用できるおすすめのソフトをご紹介したいと思います。
Pix4Dmapper(デスクトップ+クラウド)
スイスの会社「Pix4D」がドローン測量のために開発したソフトです。カメラの位置を特定することに重点を置き、高精度な3Dモデルを作成します。広さに関係なく、基準点を5点~7点設置すれば問題なく、3点でも十分な精度を出せるとのことです。
処理はデスクトップもしくはクラウドですることが可能で、デスクトップは詳細な制御で精密な合成ができ、クラウドは決まったテンプレートによって素早く処理できます。
月額費用の例は、1ヵ月に1,500枚の画像を処理する場合(デスクトップからは画像処理枚数無制限)、約36,000円となっています。
KUMIKI(クラウド)
日本メーカーの「スカイマティクス」が開発したクラウドサービスです。ドローンで取得した画像をクラウドで素早く処理して、DSMやオルソ画像、点群データを自動生成します。測量ツールが使いやすく、日本製なのでサポートも充実しています。
月額費用は、1ヵ月に1,500枚の画像を処理する場合(デスクトップからは画像処理枚数無制限)、基本契約費(月換算)3,000円+月額料金30,000円で33,000円となっています。
今回は、ドローン測量の手順やメリット、おすすめのクラウドサービスについて見てきました。ドローンの価格がお手頃なものになり、画像解析のソフトも充実してきている今、ドローン測量はますます普及していくことでしょう。
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