近年、ドローンを用いた測量が増えています。ドローンにカメラなどを搭載し、あらかじめ決められたルートを飛行しながら撮影を行い、専用ソフトにより三次元モデルを作成して測量します。
こうしたドローン測量で必要とされる資格やスキルには何があるかをまとめてみました。
測量でのドローンの活用を国が後押し
空からの測量には航空写真測量、航空レーザー測量、ドローン空撮測量の3種類があります。
ドローンによる測量が増えている理由として、セスナやヘリコプターが必要となる他の測量方法に比べて手軽に実施でき、低コストである点が挙げられます。
国土交通省は建設現場にICT 情報通信技術を導入することで、土木・建築の生産性向上を図るi-Construction アイ・コンストラクションの取り組みを進めています。
URL: http://www.mlit.go.jp/tec/tec_tk_000028.html
また国土地理院はドローンを用いた測量に関する「公共測量マニュアル(案)」を公開しています。
URL: http://psgsv2.gsi.go.jp/koukyou/public/uav/
ドローン測量はまだ始まったばかりであり、今後より一層の精度向上などさまざまに技術開発が進展していくと見られます。
ドローン測量に必要な資格
ドローン測量を行う上で必要とされる資格は、何といっても測量士補・測量士の資格です。ドローンを用いるといっても、測量に関する専門的な知識は必須です。
測量士は測量に関する計画を作製または実施し、測量士補は測量士の作成した計画に従って測量すると法律に定められていますが、実際の現場では経験や実力によって臨機応変に対応しているのが実情です。
日本測量協会が認定する測量技術者資格である地理空間情報専門技術者や、空間情報総括監理技術者の資格も有益な資格です。
これらの資格をドローン測量の際に取得していると、測量業務の発注機関における技術的能力の評価で有利となります。
2016年8月に電波法が改正され、5.7GHz帯が新たにドローンの運用に割り当てられ、送信出力も最大1Wまで引き上げられました。
こうした運用を行うには、第三種陸上特殊無線技士の資格が必要となります。難易度は高くなく、比較的容易に取得することができます。
その他にドローンスクールの修了証は、ドローンの運用に関する技量と知識を証明するものですので、ドローン測量では、こうした資格を持っていれば有利となるかもしれません。
測量士補・測量士になるには
ドローン測量で必要な資格である測量士補・測量士は国家資格であり、国家試験に合格して資格を取得する方法があります。
国家試験は毎年1回、全国14会場で行われています。受験資格は特になく、誰でも受験することができます。
URL: http://www.jsurvey.jp/gansyo.htm
試験の難易度は合格率が目安になりますが、測量士補は約20%、測量士は約10%とかなりの難関です。測量士補の国家試験過去問題集などが発刊されています。
測量士補は、条件を満たせば国家試験を受けることなく、実務経験もなしで資格を取得することが可能です。
URL: http://www.jsurvey.jp/shikaku.htm
その条件とは、大学、短大または専門学校で測量に関する科目を履修して卒業するか、国土交通大臣の登録を受けた測量の専門養成施設で、1年以上測量士補に必要な専門知識と技能を習得することです。
測量士は、条件を満たすことで国家試験を受けることなく資格を取得することができます。
条件は、大学、短大または専門学校で測量に関する科目を履修して卒業し、大学卒は1年以上、短大・専門学校卒は3年以上の実務経験を積むことです。
また、測量士補の資格を取得していれば、国土交通大臣の登録を受けた測量の専門養成施設で、高度の専門知識および技能を修得することで、測量士の資格を取得することもできます。
ドローン測量で必要なその他のスキル
ドローンを用いた測量ではカメラを用いるので、F値や露出、ISO、シャッター速度などのカメラに関する知識が必要になります。
三次元モデリングでは、海外製のアプリケーションが現状ではメインとなるので、英語のスキルも必要です。
そのほかに測量で使用するCADソフトの使い方もマスターする必要があります。
これらのスキルは必ずしも最初から持っている必要はなく、測量会社に入社してから実務でマスターしていくことも十分可能です。
需要が増えるドローン測量
ドローン測量はまだ黎明期といえる段階です。今後さまざまな分野でドローンの活用が増えていくと考えられます。
これから急速に技術が進歩し、ドローン測量およびその資格は、ますます多くの現場で活用されるようになり、需要が増大するでしょう。
ドローン測量はドローン活用の最も有望な分野のひとつであるため、ドローン測量の資格も含めて、今後も注目していきましょう。
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